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🇫🇷「痛っ…!」
俺が放った一発の銃弾はロシアを押さえつけているフランスのナイフを持っている左手に命中した
銃弾の衝撃でナイフは吹っ飛ぶ
「今だ!」
ロシアは隙を見せたフランスの鳩尾に思い切り殴り込む
鈍い音が響くと同時にフランスは気を失い、
前に倒れる
それをとっさにロシアが抱え込んだ
🇷🇺「よしっ。後はここから出るだけだ」
「まだ火が回ってない屋上へ出よう。まだヘリコプターもいるはずだ!」
気を失っているフランスをロシアが抱えつつ、屋上へと急ぐ
室内にはかなり煙が充満しており、吸わないまま進む方が難しい
視界が真っ赤に染まっている中、階段を必死に上って行く
「うっ…」
階段を上っている最中、めまいがアメリカを襲う。ここにくるまでかなりの時間がかかってしまっているため、多少の一酸化炭素を吸い込んでしまっている
ふらつくも、階段の手すりにつき、意識をなんとか取り戻す
ロ「お前…無茶しやがって…」
そう言いながらロシアにも目眩が襲いかかっきていた
やっとの思いで屋上への扉にたどり着く
その扉を開いた瞬間
「(気持ちいい…!)」
彼らは凄まじい解放感と生きた心地に満たされた
煙こそあるものの、室内に比べ圧倒的な空気の
良さ。上を見上げると案の定、ヘリコプターが
空を飛んでいた
「おーい!こっちだー!助けてくれー!」
ロシアは大きく息を吸い込み、大声で叫ぶ
ヘリコプターは彼らに気づき、下降してくる
ロ「よし…助かったぞアメリカ…アメリカ!?」
アメリカはうつ伏せになって倒れていた
かなりの無理をしてまで俺を助けにきてくれたんだ。とっくに限界はきているはず
ロ「おい…死ぬなよ?」
そんなことはわかってる。まだ死ねない
あの時微かに聞こえたんだ。親父、カナダの声が
あいつらのためにも…まだ…まだ…
意識が遠のいていってるのか、周りの音が聞こえなくなる。自分の意思に反して
まだだ…やめろ…死にたく…な…………
「……眩しい」
目が覚めたその時、月光が俺の目に 映り込んでいた
「…助かったの…か?それとも…走馬灯か…」
全くわからなかったその時
「半日寝てたぞ」
ゆっくりと顔を起こすと左側にロシアが座っていた
「お…おれは…」
ロ「重度の一酸化炭素中毒だったんだぞ」
俺は改めて生きていると確信し、ほっとした
時計の長い針は2を指している。こんな時間まで俺を見てくれていたロシアには感謝の他ない
「あの後…どうなったんだ?」
ロ「フランスは警察に連行され、今取り調べを受けている。そして俺も証人としてさっき受けてきた
会社はほぼ全焼。隣の建物にも火が燃え移り、大変だったそうだ」
「そ、そうなのか…」
ロ「もう大丈夫なら俺は夜が明けたら帰るからな」
「おう…本当に…大丈夫だからな…」
そうして俺は再び目を閉じた
朝日に照らされ、体を起こす
腹が減ったので電話機で看護師を呼ぶ
数分待つとご飯を含めたワゴンを持ってきた看護師が来た
病院食は薄味だった。でも俺がいつも自炊してる時とは違い、どこか温かさを感じた
ご飯を食べた後、主治医がやってきて様子を聞いてきたので
俺は元気いっぱいだと答えた。すると
「なら、明日には退院できそうですね。
親御さんにも連絡しておきます」
俺は感じた。とうとうその時が来たと
やっと親父に会うことができると
心臓の鼓動が速くなった
そのせいでその日の夜はよく眠れなかった
翌朝、俺は世話になったベッドを綺麗に戻し、
病院の出入り口へと進む
「本当にありがとうございました」
「お大事に」
そうして俺は病院を出た。するとそこにいたのは
「……。」
こちらを見つめてきている男
その男はシルクハット、特徴的なモノクルをつけていて、紛れもないーーー
「大きくなりましたね。私の息子」
🇺🇸「〜〜〜!!」
俺は咄嗟に駆け出した。そして周囲の目も気にせず、抱きついた
🇬🇧「おっと」
🇺🇸「親父…ごめんなさい…俺…勝手に…」
🇬🇧「無事で何よりですよ。自分を犠牲にする覚悟を持ってまで人を助けるなんて…
流石私の、誇りです」
🇺🇸「うっ、…うわぁぁぁぁ!」
俺は子供のように泣き叫んだ。後悔、苦しみ、悲しみ、 沢山の感情が折り重なって、俺は泣いた
🇬🇧「カナダ?貴方も来ないのですか?」
🇺🇸「へ?」
カナダはイギリスの後ろでもじもじしていた
でもすぐにこちらに駆け寄ってきて
🇨🇦「お父さん…兄さん…」
🇺🇸「カナダ…ごめんな。心配かけて」
🇨🇦「ううん、謝る必要ないよ。あんな状況の中で1人だけ行けるのがすごいよ!」
俺たち3人は時間が過ぎるまで涙を流しながら抱き合った
🇧🇷「うっ…やっぱり家族の絆は心に来るものがあるね…」
🇨🇺「全く同感…でも無断で大学サボったこと、どうする?」
彼らは大学を欠席してまで、3人の再会を見にきていた
🇧🇷「このまま今日休んじゃお」
🇨🇺「えぇ…」
俺は大学を休んで、親父の家へと向かっていった
その間、俺は親父から沢山の話を聞いた
①あの後、フランスの罪が不同意性交の他にもイギリスの不正会計の助長をしていたことが判明し、イギリスが無罪だと証明されて釈放されたこと
②フランスの会社は強制倒産となり、社員が仕事を失ってしまったこと
③ロシアとの連絡がつかなくなったこと
🇺🇸「そうなんだ…これからどうするんだ?」
🇬🇧「喫茶店でも営もうと思うんです。仕事を失ってしまった社員を連れて。彼らが私を信用してくれるかどうかはわかりませんが…」
🇨🇦「父さんの紅茶はおいしいからきっとうまく行くと思うよ!」
昼食は親父が作ってくれたフィッシュアンドチップスを食べた
🇺🇸「…!!この薄味!親父の味だ!」
数十年ぶりに食べた親父手作りの料理
しかし舌は味を覚えていた
🇬🇧「褒めてるのか馬鹿にしてるのかどっちですか…」
🇺🇸「前者に決まってんだろ!」
いつも通りの日常が戻ってきて俺は安心感が半端なかった
🇺🇸「ああ…家族っていいな」
翌日、イギリスはフランスの社員達に喫茶店の件を持ちかけた。それを聞いた社員達は
社員「そうなんですか!?私達貴方に酷いことをしましたがもし許されるのならば一緒にやりたいです!」
🇬🇧「私こそ貴方達に酷いことをしました…こんな私ですがよければ…」
と、あっさりまとまった
一方、俺はあの件以降、大学でチヤホヤされるようになった
🇨🇱「すげぇよアメ!感謝状ももらったんだってな!」
🇲🇽「女の子モテモテ間違いなしだな!」
🇺🇸「うるさいなーあんまり言わないでくれよ」
ちょっと度が過ぎてるところもあったがいいように受け流した
親父との再会も果たした次の課題は「進路」
だった
俺はなんとなく大学に進学したため、将来など全く考えていなかった
ある日、先生からこんなことを言われた
「お前は…人を守るのが好きなんだよな。なら、この街のリーダーにならないか?」
リーダーとはこの街の市長だ。正直なところ、この街はあの事件以降、治安が少しずつ不安定になりつつある。前々から直したいと思っていたが…
🇺🇸「考えてみます」
ああ言ったが、そんな人生も悪くない。人生も一度きりだし、やれることはやったほうが良い
🇺🇸「目指してみるか!街のリーダー!俺はヒーローになってやる!」
俺は胸の中に固く決心した
イギリスが開いた喫茶店は大繁盛。一躍街の喫茶店の看板となった
また、逮捕されたフランスは「帝政」と世間から言われ、その子供はそうならないよう「共和政」と名付けられ、児童保護施設に預けられ、
育てられた
プロイセン、ロシアはそれぞれ独立し、新たな会社を開いた。ロシアに関しては隣街の
オスマンと経営拡大について揉めたことがあり、同期のイギリスやプロイセンに止められることがあった
そしてあの事件から数十年経った
ミーンミンミンミン…
蝉が鳴く夏の暑い頃
「おい…いるか?」
「はい、父上」
「この手紙をオランダに…渡せ。わしはもう
歩くことはできない」
「承知いたしました!父上」
沢山のビルが並ぶ街から外れた一つの森の中の一軒家から少年が走り出した。手紙を抱えながら
「いてっ!」
「お、おぅすまん。大丈夫か?」
その青年は少年に手を差し伸べる
「ありがとう!お兄さんなんて言うの?」
「あぁ…アメリカだ。君はなんて言うの?」
「えっとね…日帝!」