それから毎日彼と連絡を取り合っていた。
でも以前と変わらず、学校で顔を合わせても話すことも目を合わせることもなかった。
そんな日々が続いて、からし色のカーディガンを着る季節になった時、思いがけないことが起こった。
ずっとメッセージでやり取りをとっていたのに、彼から急にLINEの交換をすることになった。
それだけで私はドキドキしていたのを今でも覚えてる。
普段男の子と連絡を取り合わない私にとって、連絡先を追加するのは告白するくらい緊張することで、その時の私は、スマホが壊れてしまうんじゃないかってくらい手汗でびちょびちょしていた。
でも私のドキドキはこれだけでは止まらず、彼から今度お茶しようと誘われたのだ。
付き合ってから遊ぶことしかない私にとって、普通の関係で会うなんてどうしていいか分からず、でもすごーく嬉しくて、「行きたい!」と言った気がする。
きっと、ほっぺはほころんでいて、甘いものを食べた時みたいに締りのない顔だったと思う。
周りの人が見たらたぶんただの頭のおかしい人だ。
それから約1週間後の放課後、私は学校近くのカフェで彼とお茶をすることになった。