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「なぁ奈美。ここで…………セックスしようか」
渋い声色で囁きながら、豪は、小さな二つの果実を指先で摘み、優しく捏ねる。
「っ……」
奈美は、艶声が零れそうになるのを、唇を微かに震わせ、何とか堪えた。
「ご……豪さん……だめ……ゴムがないでしょ? お風呂から出たら……ね?」
背後から忍び寄るゾクリとした感覚に、疼痛が身体の最深部から溢れそうになり、双丘を淫らに這う豪の手の動きは、止まりそうにない。
「もう……本当に…………ダメだっ……てばぁっ……」
ダメって言っているのに、身体が甘ったるく反応してしまうのは、これも惚れた弱みなのかもしれない。
豪が渋々と手の動きを止め、半ば不貞腐れるように答えた。
「仕方ない……。今度はゴム持参で風呂に入るからな?」
奈美は彼の頬に手を添え、そっと唇を重ねた後、二人でお風呂から上がる。
寝室へ向かい、ベッドに入った途端、豪が奈美の肩を抱き寄せながら、唇を奪ってきた。
長くて深いキスを交わし、彼が彼女の唇を焦らすように離すと、真剣な眼差しで奈美を射抜く。
「これからの人生、俺と奈美は一生一緒だ。今も、結婚してからも、身も心もたっぷりと愛し尽くすから覚悟してくれよ?」
「はい。私も豪さんだけを……あなただけを愛し尽くします……」
豪が奈美の背中を支え、ゆっくりとベッドに横たわせながら唇を塞ぎ、二人でシーツの海に身を委ねる。
「今夜はある意味『初夜』だ。思う存分、奈美を抱き倒すからな?」
男の色艶を滲ませる彼の表情は、出会った時と変わらない。
「私も…………豪さんを……たくさん感じたい……」
豪と奈美は、互いの唇を堪能しながら、快楽の坩堝に身を投じていった。
出会った時、豪と奈美の繋がりは、口淫する、ただ、それだけの関係だった。
彼に会うたびに魅かれて好きになり、身バレした時、歪(いびつ)な関係と彼への想いに終止符を打つ事を考えていた。
豪と元カノの逢瀬を目撃した時は、連絡手段を全て断ち切り、一生会う事はない、と思っていた。
だけど、『恋の神様』というのは、どこかにひっそりと存在していたようで……。
偶然が重なり合い、再び彼と巡り逢えた。
初めての出会いから一年後の今、なくてはならない存在になっている。
あのエロ系SNSで出会った二人が、結婚に至るなんて、誰が予想しただろう?
「奈美……」
豪が穏やかな笑みを浮かべ、奈美を抱きしめながら名前を呼ぶ。
「豪さん……大好き……」
甘やかで蕩けそうな低い声音に応えるように、奈美も最愛の人を抱きしめた。
——La fine——