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第二十九話:エピローグ・未来へ続く日常
「タカシ、起きて! 朝ご飯できてるよ!」
心地よい日差しと香ばしいトーストの匂いで目を覚ますと、視界に飛び込んできたのはエプロン姿の朱音の笑顔だった。
「ほら、早く起きないと朱音に全部食べられちゃうわよ」
白銀美咲がコーヒーカップを手に持ちながら、あきれ顔で部屋に入ってくる。その手際や立ち振る舞いは、もうすっかりこの家に馴染んでいた。
「美咲こそ、タカシの分の目玉焼き狙ってたでしょ! 会長だって……あ」
「もう『会長』ではないと言ったでしょう、朱音」
洗面所から出てきたレオナ——神城レオナが、濡れた髪を拭きながら柔らかく微笑む。
「今の私は、ただの……タカシの『お嫁さん候補』の一人なんだから」
合宿での出来事から数年。
高校を卒業した俺たちは、大学進学を機になぜか同じ一軒家で共同生活を送っていた。
サキュバスの力を完全に失い、ただの人間となった彼女たち。魅了(チャーム)も魔力もないけれど、その代わりに手に入れた「本当の絆」と「純粋な愛」は、日を追うごとに強くなっていた。
「さあ、今日も大学の講義でしょ? 急がないと遅刻するわよ」
白銀さんが俺の手を引いて起こしてくれる。
朱音が照れくさそうに俺のシャツのボタンを留めてくれ、レオナが「行ってらっしゃい」のキスを頬に送ってくる。
かつて男子校が共学化し、全員がサキュバスだったあの日常。
そこから始まった波乱に満ちた物語は、最高の幸せを噛みしめる、終わらない甘い日々へと続いていくのだった。
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#嘘
ここと🌹🫶
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#近未来
鳳蓮荘
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コメント
1件
読了しました!「エピローグ・未来へ続く日常」、いいタイトルですね。サキュバスの力を失って「ただの人間」になった彼女たちが、逆に本当の絆と純粋な愛を手に入れた——この構図がとても好きです。朝の忙しない温かい空気感が、トーストの匂いやボタンを留める仕草からひしひしと伝わってきました。最終話として、これ以上ないほど優しい終わり方だと思います。素敵な物語をありがとうございました。