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「おーい、朔蒔、風呂わいたぞ」
「おっ、じゃあ、入って良い? つか、入れてくれんの? 星埜が」
「何で、俺なんだよ……」
さっきまで、身体見せたくないです、って言っていた男とは思えない発言に、俺は何て返せば良いか分からなかった。というか、男二人で風呂なんて入ったら湯船の半分ごっそり持っていかれてしまうだろう、と俺は拒否したかった。
でも、さっきまでの此奴の発言が嘘じゃないなら、少しかまかけるぐらいいいだろ、なんて思いもうまれてきて、俺はあとから後悔するのを分かっていたはずなのに、つい出来心で聞いてしまう。
「じゃあ、一緒にはいるか……なんて」
「じゃあ、直行~」
「はっ!? いや、まて、今の嘘で」
ずるずると引っ張られる形で、脱衣所に連れ込まれ、何故か俺の服は朔蒔に脱がされてしまった。朔蒔はと言うと、見るなというオーラを放ちながら、俺に背を向けて服を脱ぐ。その間も「見るなよ~フリじゃ無いからなァ~」なんて言っていて、そこまで言われたら、見る気が失せてしまった。
「――で、なんで俺はお前にあらわれてんだよ」
「洗いっこするのも憧れだったんだよなァ。ほんっと、星埜って俺の願い全部叶えてくれる♥」
語尾が、いつも以上に上がっていて、気持ち悪い、と思いつつも、俺は、朔蒔に出された条件をのんで、鏡ではなく、扉の方を向かされ、朔蒔に洗われていた。高校生になって、洗いっことか、何だよ、と突っ込みたくなったが、上機嫌の此奴に何か言う気にもなれず、俺はされるがままに、朔蒔の気が済むように思考を放棄していた。
でも、朔蒔が頑に身体を見せない理由が気になって仕方なくて、俺は色々理由を考えることにした。
(傷がある……とか。火傷したとかか? でも、此奴に限ってそんな……もし、怪我したとしても、此奴「怪我しちゃったわ~」とかいって、見せてきそうな気がするし……)
そこまで考えて、一番嫌な想像が頭の中をサッと横切った。俺は、それを完全否定するために首を横に振る。
(ない……いや、ない……とは言い切れないが、朔蒔に限って、そんな)
「ひゃぁっ! お、まえ、何処触って」
「え~俺、洗ってるだけだって。何、感じてんの? 星埜のほうがエッチじゃん」
俺の思考を吹き飛ばすように、朔蒔がわざとらしく、俺の乳首に指を当ててきた。そのまま、くるりと円を描くようにして、刺激してくるので、俺は思わず声を上げてしまった。慌てて口を手で塞げば、朔蒔が嬉しそうに笑うので、俺は、最初からこれを狙ってただろ、と朔蒔の方を向こうとする。だが、力に負けて、俺は俺は振向くことも抵抗することも出来なかった。ぬるぬるとした石けんが、泡が、俺の胸や腹を這う。その感覚に俺の腰は勝手に揺れてしまって、何だか恥ずかしくて仕方がなかった。
「ほら、ちゃんと前向けって。洗ってやるから」
「ふざけんな、てめぇ」
「んなことしても、可愛いだけだって~」
そうやって、俺を揶揄いながら、朔蒔は俺の下半身に手を伸ばしてくる。そこは駄目だろ、と俺は必死に抵抗するが、朔蒔の力には勝てず、俺は自分のものを掴まれた。そして、上下に動かされる。自分でするよりも強い力で擦られて、俺は情けないことにあっという間に果ててしまいそうになった。
しかし、そこで朔蒔の手は止まり、俺は物足りなさを感じてしまう。すると、朔蒔が耳元で囁いてきた。
それは、まるで悪魔の誘いのような甘美なもので、ゾワリと粟立つ。
「風呂場って結構響くよなァ。それこそ、前のカラオケボックスみたいにさァ。星埜の声、すっげェ響いて、えっちィ」
その言葉だけで、また俺のものが反応してしまう。
朔蒔の言う通り、ここは音が反響して、それが余計に俺の羞恥心を煽ってくる。それでも、俺は快楽に抗うことがどうしても出来なくて、朔蒔の言う通りに動いてしまう。
ぐるんと俺の身体を動かし、鏡に手をつかせる。その状態で、また朔蒔は俺のものを握ってきた。今度は、先程とは違うゆっくりとした動きで、焦らすような手つきで俺の敏感な部分を弄ぶ。
「ふっ……んっ……はっ」
「きもちィ? ほら、見て見ろよ。星埜、顔」
そう言われ、ふわふわとした頭で、鏡を見れば、そこにはトロンととろけた自分の顔があった。目にハートを浮べて、だらしなく涎を垂らしている。
(こんなの、俺じゃない……!)
そうは思っても、鏡に映っているのは間違いなく俺だった。俺の顔だけはっきり映って、朔蒔の身体は、湯気と、俺の身体に隠れて見えない。見るチャンスだと思ったのに。
「んっ、あッ……」
「トロけちゃって、かーわいい。でも、まだイかせてやんねーけど」
そういうと、朔蒔は自分のものをあてがい、ヌチヌチとひくつく孔にあてる。滑って入ってしまいそうなほど、石けんでぬるついていて、俺は無意識に期待してしまった。
「入っちまいそうだなァ、星埜」
「ん、ぁう……朔蒔……あっ!?」
「わりィ、滑っちまった」
なんて、わざとらしく言って、俺の中に入ってきた。一気に奥まで突かれて、俺は声にならない悲鳴を上げる。いつもより滑りが良いせいか、いつも以上に朔蒔のモノが大きく感じた。熱くて、ドクンドクンと脈打つそれに、俺は翻弄される。
俺の喘ぎ声と、パンパンと身体がぶつかり合う音、卑猥な垂音がバカ大きく反響して俺の耳をおかす。
もう、自分が何を言っているのかも分からなかった。
そんな中でも、俺は朔蒔の身体を見たかった。どんな身体をしているんだろう。きっと綺麗な身体に違いない。そんなことを考えていたら、朔蒔が俺の首筋に噛みついてきた。歯型がつくぐらい強く噛まれて痛いのに、それすら快感として拾う。
「俺の、身体はいーから。な? 星埜は、俺に喘がされていれば良いんだって。なんも考えんなッ! 気持ちよくさせてやるからさ!」
「さく……まぁ……」
「だから、今は俺のことだけを考えてろ」
「んっ……ああぁっ! そこ、やっ……だめぇっ」
「ここ? 星埜はほんっとドMだよな。ダメって言いながら、締め付けてくるッ」
「ちがっ……ひゃっ! んぁっ! やぁっ! 」
朔蒔が、俺の弱いところばかりを突いてくる。俺は、何度も絶頂を迎えて、その度に中が痙攣した。すると、朔蒔のモノがさらに大きくなる。
「トばすなよ。星埜♥」
そう言って、ラストスパートをかけるように激しく腰を打ちつけてくる。
俺は、頭が真っ白になって、何も考えられなくなって、いやいやと、首を振るしかない。でも、腰をがっちりと捕まえられて、逃げ場なんて無い。そうして、一滴もこぼさまいと、さらにグッと押し込まれ、熱いものが注がれる感覚がした。
「は……ぁ、はへ」
「ん~♥ やっぱ、星埜って最高♥」
大好き、なんてリップ音ならしながら、俺にキスの雨を降らせ、満足だと言わんばかりに朔蒔は、俺を膝の上に乗せ、湯船につかった。