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結論から言うと、体育の時間に転けていた理由は、転けたのではなく倒れていたそうだ。
倒れた理由は強いストレスや緊張からの過呼吸。
今は、倒れた後に何分かすると目覚め保健室で休んでいて、5限目からの出席となるそう。
――3限目の数学を終え、4限目の歴史が始まり終わって昼食の時間となっていた。
各々教室から人が減っていき、食堂へ向かっていく。
俺はというもの教室では落ち着けない為、広場に向かって通常通りコンビニで通学時に買った弁当を食べる。
結構これも慣れたものだ。
「あんた、また1人で食べてるのね……」
聞き慣れた声が隣からする。
「うわぁビックリさせんなよ!!」
「いやあんたが気付くの遅すぎるのよ」
いつの間にか、存在感を完全に消して隣に座ってきた黒髪ロングのぱっつん前髪が似合う女、『天野香織』。
天野は、認めたくはないが所謂、小学校からの幼なじみ……ってやつだ。
「またコンビニ弁当なの?」
呆れた様に、箸を口に含みながら問いてくる。
久しぶりに会った時の一言目がこれか……。
「ああ」
「毎日毎日、コンビニのお弁当ばかり食べてると栄養不足になるわよ…」
久々に現れたかと思うと、天野は口を開けば
そんなお節介を言う。
「栄養よりも俺は金が心配だ」
「まあ、それはそうね。毎日コンビニ弁当なんて、すぐにお金が無くなりそうだわ」
――風が吹き、木から葉が落ちてカサカサと飛んでゆく。
3拍間が空いたあと、切り替えるように声を高鳴らせた。
「にしても、いつぶり〜!?」
「元気だった?」と彼女は身を乗り出した。
⋯その問いかけにも俺は動じなかった。
ただ無心に、見ていない、聞いていないフリをして黙々と箸を進める。
「⋯やっぱり今も、中学の時のことを気にしていたりするのかしら」
再び彼女はベンチに座り、箸を止めた。
――「ねえ、どうなの?」
その問いに少し戸惑った。
だが、答えはすぐに出た。
「俺は⋯⋯⋯」