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「はっ! 私寝ちゃってた!?」
ひかりは勢いよく身体を起こした
毛布がずるりと落ちる
ぼやけた視界の先には
保健室の白いカーテン
窓の外は少し赤く染まり始めていた
「あれ……」
どれくらい寝ていたんだろう
頭はまだ少し痛いけど
さっきより楽になっている
その時すぐ隣から声がした
「おきた?」
「ひゃっ!?」
驚いて振り向くと
椅子に座った透がいた
頬杖をつきながら
ぼんやりひかりを見ている
「と、透!? ってことはもう放課後!?」
「うん」
「ご、ごめんね待たせて//」
「大丈夫…」
椅子の横には私の鞄…
するといきなり身を乗り出してくる
ひかりが慌てて後ろへ下がると
透も不思議そうに追いかけてきた
「な、なんでこっち来るの!?」
「熱あるかみるだけ」
透の手が額へ伸びる
「……さっきよりへった?」
「まぁ…寝たからね……」
「よかったー」
安心したように笑う透
その顔を見た瞬間胸の奥がぎゅうっと苦しくなる
やっぱり好き
でも幼なじみとして心配してるだけ
そう思うと少し苦しくて
ひかりは俯いた
「なんか顔赤くかい?」
透は不思議そうに瞬きをする
「そき、気の所為だよっ!」
「そう?」
その後帰ることにした
保健室を出る頃には
外はすっかり夕方になっていた
「そういえば透部活ないの?」
「ないー」
「即答……」
「あってもひかり送るほうが大事」
「っ……///」
さらっと言われてまた照れてしまう
てちてちと効果音がつきそうな歩き方がかわいい
夕焼けが透の髪を赤く染める
「きれい……」ボソッ
「ひかり?」
「ひゃ、ひゃい!?」
急に呼ばれて変な声が出た
「どうしたの?」
「い、いや何でも……」
その瞬間
ふわっと風が吹いた
透の髪が揺れる
同時に少しよろけた私の身体を
透が咄嗟に支えてくれた
「わっ!?」
「だいじょうぶ?ふらふらしてるよ?」
近い
透の制服から柔らかい匂いがした
女の子らしい花のいい匂い
「っ……だ、大丈夫……」
「……まだ頭痛い??」
「ちょっと休む?」
「へ、平気だから……!」
「ほんとー?」
透は疑うように覗き込んでくる
透はじっとひかりを見つめる
その視線に耐えられなくて
ひかりは顔を覆った
「見ないで……///」
「なんで?」
「恥ずかしいから……///」
限界だったひかりはしゃがみ込みそうになる
でも透は隣で首を傾げている
「ほんとに大丈夫?」
「大丈夫じゃない……」
「病院いく?」
「そういう意味じゃなくて……!」
透は数秒考えてから
「やっぱりむずかしい……」
呟いた
私が歩き出そうとすると
きゅっ
私の袖が軽く引かれる
見ると
透が制服の袖を摘んでいた
「……透?」
「一緒に手、繋ご?」
「っ///!?」
「ひかり、体調わるいし…」
きっと深い意味はない
転ばないようにとか
そういう理由
でも好きな子から言われたら
意識しない方が無理だった
思わず固まっていると
「いや?」
少しだけ不安そうに透が聞く
その顔に弱い
「ぅ……ぃ、ぃやじゃないけど……///」
小さく答えると
「んふっ良かった」
そう笑いながら私の手を握る
「透の手、あったかい」
夕焼けの道を二人でゆっくり歩く
私はずっと顔が熱いままだった