テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
奏斗side
僕が学校で倒れたあの日。
気がつけば知らないところに寝かされていた。
⋯どこ?ここ
グルっと見渡しても見覚えはない。
でも、最後に会ったのってひば⋯?
ってことはここひばの家?
自分でも気づかない熱だったからか、
熱はもうなくてぴんぴんな僕。
ひばに悪い⋯と思いながらも
そっとこの部屋を探検。
ひばらしい質素な部屋。
だけど、そこに一つだけ鮮やかな花。
なんだっけ、この花。
聞いたことはあんだけどな⋯。
いや、分かんないわ。
⋯とりあえずここから出よ。
ガチャっと開けて、
光のある部屋へ向かうと
ソファで寝ているひば。
ツンツン⋯とほっぺをつつきながら
名前を呼ぶと
「んっ⋯」と少し動いて目を覚ました。
渡「かな⋯⋯と?」
僕の名前を呼びながら。
うん。間違ってはない。
僕の名前、風楽奏斗だし。
だけど、なんで?
突然すぎない?てか心臓に悪い。
好きやつに名前呼びされると か
嬉しすぎるけどさ。
意識がはっきりしてくると
いつもの『KNT』呼びに戻っていて。
なぜかひばに『奏斗』そう言われた時、
懐かしいそんな気持ちになった。
懐かしいなんておかしいんだけどさ。
僕とひばと出会ったの大学だし。
少しのモヤモヤが残ったまま、
僕はひばを花火大会に誘った。
最初は「好きなやつといけよ」なんて
断られたけど
「親友」って言ったらOKを貰った。
好きなやつ⋯ね。
ひばの事なんだけどな。
まぁ、ひばにとって僕は親友で
それ以上でもそれ以外でもない。
この日からだった。
不思議な夢を見るようになったのは。
最初は2人が海にいて何かを話してる。
そんなシーン。
夏祭りの前日には、
男2人が夏祭りを楽しんでた。
腕を掴んで歩いてたな。
くそ幸せそうじゃん。
日によって違うものを見る時もあれば
同じものを見る時も。
同じものでも見える部分が違かったり。
例えば、同じ海で話してるんだけど
何かの花を渡していたり。
とにかく不思議だった。
誰かわからない夢。
そんな夢を見ては
モヤモヤして⋯を繰り返していたら
4年になっていた。
⋯就活。
これで人生が決まる。
最初こそひばと一緒にいたけど、
いつの間にか会えなくなっていた。
会えなくなって2ヶ月ちょい。
久しぶりに見たひばはその場に
蹲って動かない。
風「ひば?!」
蹲るひばに声をかけるけど返事はない。
風「ちょ⋯ひば!立てる?」
とりあえず⋯立たせて⋯と
支えられながら立った。
と思えば急に力が抜けて崩れかける。
風「ひば!⋯ひば!」
慌てて支えて声をかけるけど、
意識を失ってて動かない。
保健室⋯って言いたいところだけど
ここに保健室があるのか知らない。
あるんだろうけど。
探すより⋯そう思ってひばを
僕の家まで連れてきた。
寝かせて、冷えピタを貼って。
なんてしていれば苦しそうにしていた
ひばの呼吸も落ち着いていて。
安心して眠るひば。
懐かしい⋯。
⋯⋯⋯え?
懐かしい?なんで?
どうして?
ひばの寝顔を見たのは僕が倒れた時だし。
懐かしいってほどでも⋯。
そう思いながら眺めていると、
急に泣き出したひば。
嫌な夢でも見たのかと思って慌てて起こす。
風「ひば!ひば!」
渡「⋯ん」
風「大丈夫?泣いてたけど」
そう言うと目に手を当てて涙に触れる。
泣いてることに気づいてなかったからか
すげぇ驚いてて。
なんで泣いているのか。
そう聞きたかったけど、
ひばの嬉しそうで悲しそうな
そんな表情を見たら聞けなかった。
もう少し寝てれば。
そう言ってクシャっと撫でれば、
そのままもう一度夢の世界に落ちていく。
そして僕もそのまま一緒になって
寝てしまった。
今日の夢は⋯。
誰かが相手の頭を撫でていて、
相手は嬉しそうに微笑んでいた。
⋯なんか
ひばみてぇだな⋯⋯⋯。
それを最後に深い深い眠りについた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!