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「目覚めたか、楽」
「私は……」
「あぁん、起きるな。寝てろ」
楽の胸元にポンッと手を置いた。瑤楽は何処か 悲しそうな顔をしていた
「いいこいいこ」
あははと笑って俺は瑤楽の頭を撫でた。そんな時だった、バンッと扉
が思いっきり開いた
「誰だ」
咳をしながら瑤楽はその者に問いかけた。北の仲間だろうか、同じような服装をしていた
「浩……」
「浩?誰だそれ」
「お前こそ誰だ。ここにいてはならない人物だろ。」
凛とした人だ。ただ何処か刺のある人だ
その人は俺に近付いてきて、俺の胸元を掴んだ
「お前のような者が何故北にいる!」
「落ち着いてくれ浩、」
「兄さん…」
「…兄さん?」
どうやら楽の弟のようだった。瑤浩、途轍もなく厄介な奴だ
「兄さん、また面影を探しているのか…」
「確かに似ているが、この人は美明珠ではない!」
「……信じないのならそれでいい。」
騒ぎを聞き付けて色んな軍が様子を見にきた。此はまずい
俺は既に沢山の人に怪しまれている。沢山の誤解を生むだろう。そうなったら瑤楽に迷惑をかける
此処は静かに黙っておこう…それがいい。上手くやってくれ、瑤楽、
「浩、何が不満だ。」
「不満……?兄さんのやること全てが醜い…何故そんなに美明珠に会いたがる」
「…………_人を愛して悪いのか」
瑤楽はそう言い、拳を握り締めていた。それが気に食わず、浩の言葉どんどんと厳しくなっていった
「夢を見るな…!瑤楽!」
「はっ…__」
「兄さんが美明珠と出会ったそのものが間違いだったんだ、兄さんをこんな目にした美明珠が悪いんだ……死んだのが正解だったんだ! 」
瑤楽は何も言葉も出ず、ただ立ち尽くしていた。何故何も言わない?この状況凄く腹が立つ
「私は__」
「もう行こう。ここを出る」
浩は強く瑤楽の手を引っ張った。
「いい加減お前も夢から覚めたらどうだ」
「……は?」
「……明珠、」
俺はポンッと浩の肩を叩いた。浩はゴミを見るような目で俺を睨み付けた
「先程の行為で、 楽は怪我をしている。無理に引っ張るな」
「我々は不死身だ。お前らと違って……」
「は?」
「な……っ、」
俺は浩を睨み付けた。
「それって_不死身だから放っておけってことか?」
『ふざけるな』
風がビュンッと吹いた。締め切っていない扉はガタガタと揺れていた。カラスはガーガーと鳴き止まず小鳥は小唄を辞めなかった。 それに怯え小さい餓鬼達はワン_ワン_と泣いた。
「楽も北の奴らもみな同じ人間だろが。不死身でも痛みは感じる。違うのか」
「6000年も愛することは簡単なことではない。侮辱するな。先程の会話は聞いていて不愉快だ。美明珠にも失礼になるだろう 」
「夢を見て何が悪い。夢を見るのは悪いことではない。現実を見ないのは逃げではない」
「所詮庶民が…何故こんなやつをここに連れてきた。誰が許可を出した! 」
「私が__」
「_誰かが許可を出さなくとも俺はここに参る。俺は、ここに居なければならない存在だからだ!」
明珠がそう言い手を上げた瞬間、辺りが静まり返った。鳴いていた共々は自然と泣き止み眠りに入った
「楽。俺と一緒に行くか。愛する弟と一緒に行くか選べ」
俺は、瑤楽に 手を差し出し問い詰めた。
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