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約束の日。私は30分も早く待ち合わせ場所に着いた。服装は白くて長袖のシャツに花柄のロングスカート、少し高めのブーツにイヤリングは小さなハート。髪形は三つ編みをしてまとめた。1時間もかかった。映画館の下見もしたし準備は万端。行きゆく人が多い中、颯太さんが来るのを待った。
「お待たせしてしまいすいません。」
10分前くらいに来た。振り返ると心臓がとびはねた。ラフな服装だけど、清潔感があって身長の高さをきわただせている。かっこよすぎる!
「いえ、今来たばかりなので」
本当に夢みたいな気分だった。まさかこんなにかっこいい人と1日を過ごせる日が来るなんて!私たちは映画館に向かった。
映画館は大きくはないけど、人の数は少なくなかった。席は見やすいように後ろの方にした。颯太さんがお金を払おうとした。
「今日はお礼なので私が払います。」
「それくらいいいのに」
今日は私が全部払わないとお礼の意味が無くなっちゃう。私たちはポップコーンと飲み物を買って、映画を観た。私は颯太さんが気になって全然集中出来なかった。でも、笑うところが何度もあったのにこの人は笑わなかった。最初から思っていたけど颯太さんはクールな人だ。いつか笑わせてみたいなと思っていた。
お昼は近くのカフェですることになった。私はパスタにした。颯太さんはまだ悩んでいる。私に遠慮しているのかな。
「値段は気にせず好きなものを頼んでください。」
好みも分かるし。この人はためらいがちにグラタンを選んだ。私は待ってる間にいい機会だと思い、いろいろ質問してみた。年齢は私より少し下で、職業は今は辞めてしまって探し中。飲食店のアルバイトをしているみたい。少しずつでも颯太さんのことが知れて嬉しかった。
食事を済ませると、私たちは少し早めだけどお別れすることにした。
「ありがとうございました。今日は楽しかったです。」
「待ってください!」
私は呼び止めた。