『おやすみロシア』
「ん、おやすみ父さん」
夜、もう寝る時間
もっと起きてたいけど、仕方ないから寝るの
「ん…?朝…?」
でも、直ぐに目が覚めた
でも、ここは部屋ではない
暗い暗い場所
『やぁ、こんばんは』
「誰……?」
暗い暗い場所で声が聞こえる
聞いた事のない声だ
『調子はどうだい?体調は悪くない?』
ゆっくりと一言一言丁寧に言っているたろう、姿は見えないがそう感じる
「悪くない…」
『そうか、それは良かった…でも…』
声はどんどん近づいているようだった
『何故、弱くなった?』
「え…?」
声が低くなった気がする
『何故弱くなったと聞いているのだ、君の代になって、我が一族は弱く見える』
やはり声は近づいているようだ
『何故だ?何故なのだ?』
「…そんなの…知らないよ…」
弱くなったと言われても、弱くなった原因など分からない
それに、誰かも分からない奴に言われたって…
『ほう?分からないと申すか…』
「…というか…誰…?」
『へぇ…そうか、名乗った方が良いな…少し待て…』
どんどんと声が近くなる
そして、姿が見える距離に来た
『私の名は…キエフ・ルーシだ…』
「キエフ・ルーシ…?」
『ああ、そうだ…少し説明を……あ…もう時間か…』
キエフ・ルーシと名乗るそいつはくるりと周り
『いつか、また会うだろう…』
そう言い残し、消えていった
「ッ…!?」
『ん…おはようロシア』
「あ…父さん……」
目を開けると、そこはいつもの寝室
『何かあった?』
そうだ、父さんなら知っているかもしれない
「父さん…」
『ん?』
「キエフ・ルーシって…何…?」
『……』
そう聞くと父さんは黙り込んでしまった
『ロシアには…いつか話すよ…ほら、朝ごはん食べに行こ?』
「え?あ…う、うん…」
父さん…今話を逸らしたよね…?
隠す必要があるのかな…
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