テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#吉田仁人
Freesia
2,136
912
コメント
2件

更新ありがとうございます!! 続きが楽しみ^_^
ああ、なるほど。第2話、読ませてもらいました。タイトルが「🍷」だけってところも、なんだか物語の空気感を象ってるみたいでいいですね。 仁人の「頼むから」「誰にも言わないで」っていう声のか細さと、勇斗の「ざけんなよ」って吐き捨てた言葉の温度差がすごく印象的でした。あの場面、勇斗は「お前には関係ない」って言われて怒ってるようで、実はすごく傷ついてるんだろうな、って感じがしました。タイトルのワイングラス、何かの伏線なのかな。続き、気になります。
💛「……佐野?」
仁人の声は、かすれていた。
🩷「お前、何してんの?」
勇斗が聞く。
仁人は答えない。
代わりに、店の奥へ視線を向けた。
早く帰りたい。
そう顔に書いてあるようだった。
🩷「いや、本当にこっちのセリフなんだけど」
勇斗は、いつもの調子で笑おうとした。
🩷「吉田って、こういう店で働いてんの?」
💛「……違う」
🩷「いや、どう見ても働いてんじゃん」
💛「違うって言ってるだろ」
珍しく、仁人が声を荒らげた。
その声に、勇斗の笑顔が止まる。
仁人は唇を噛んだ。
💛「……頼むから」
小さな声だった。
💛「誰にも言わないで」
勇斗は黙った。
いつもの仁人なら、こんな頼み方はしない。
間違っていると思えば、誰にだってはっきり言う。自分が不利になっても、絶対に目をそらさない。
なのに今は。
まるで、自分が何か悪いことをしたみたいに。
🩷「……吉田」
💛「お願い…だから」
仁人は、勇斗の目を見なかった。
💛「学校では、今までどおりにして。俺のこと、知らないふりして」
🩷「……は?」
「頼む」
それだけ言うと、仁人は店の中へ戻ろうとした。
けれど。
🩷「待てよ」
勇斗が、その腕をつかんだ。
仁人の肩がびくりと跳ねる。
💛「何で」
🩷「……何が」
🩷「何で、そんな必死なの」
仁人は答えなかった。
勇斗は、つかんだ腕をゆっくり離した。
🩷「別に、先生に言うとか言ってねえじゃん」
💛「……分かってる」
🩷「じゃあ、そんな顔すんなよ」
その言葉に、仁人が初めて勇斗を見た。
悔しそうな顔だった。
泣きそうなのに、絶対に泣かないと決めているような顔。
💛「……佐野には、関係ないだろ」
🩷「……」
💛「お前には、関係ない」
仁人は、もう一度言った。
💛「だから、放っておいて」
そのまま、店の扉が閉まる。
勇斗は一人、路地に取り残された。
🤍勇ちゃんどうした?
❤️置いてくでー?
遠くから声が聞こえる。
🩷悪い!すぐ行く!
そう言いながらも、頭の中ではあいつのことでいっぱいだった。
いつもなら、腹が立つはずだった。
なんだよ、その言い方。
せっかく人が心配してやったのに。
そう言って、明日にはいつもどおりからかってやるつもりだった。
なのに。
頭から離れなかった。
あのときの仁人の顔。
そして、最後の言葉。
____お前には、関係ない。
🩷「……っざけんなよ」
勇斗は、小さくつぶやいた。
誰に向けた言葉なのか、自分でも分からなかった。
ただ一つ、はっきりしていることがあった。
明日、学校であいつの顔を見ても。
もう、今までどおりにはできそうになかった。
next↪︎