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#吉田仁人
Freesia
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🩷「……おい、吉田」
朝の教室。
俺が声をかけると、吉田仁人は手元のノートから顔を上げた。
💛「何」
🩷「昨日、何時に寝た?」
💛「は?」
🩷「いや、何時」
💛「……お前に関係ないだろ」
つんと、そっぽを向き参考書を開く。
🩷…はぁ、
ああ、そうだった。
こいつはこういうやつだった。
昨日のことなんて、なかったことにしたいらしい。
いつもと同じように、背筋を伸ばして、きちんと制服を着て、机の上には整理されたノート。
どこからどう見ても、いつもの吉田仁人。
🩷「ふーん」
俺は隣の席に座った。
🩷「昨日の店、何時までやってんの?」
💛「……っ、お前」
仁人が勢いよく顔を上げた。
💛「声がでかい!」
🩷「え、何? バレたら困るの?」
💛バレたら困るに決まってんだろ!馬鹿か!
🩷「はいはい」
俺は両手を上げた。
怒鳴る元気はあるんだ。
そう思って、少しだけ安心した。
けれど。
💛「……もう、その話するな」
仁人は小さく言った。
💛「頼むから」
昨日と同じ声だった。
🤍おはよ、勇ちゃん
❤️なんか、珍しい2人やな、
💙確かになぁ〜
いつものメンバーが揃うと仁人はほっとした表情を一瞬浮かべた。
💛ごめん、俺行くから、
颯爽とその場を立ち去る。
俺は、それ以上何も言えなくなった。
昨日の夜、俺は一度も時計を見なかった。
見たら、帰りたくなるから。
「吉田くん、今日もお願いできるかな」
店長に呼び止められたのは、出勤してすぐだった。
「本日、先生がお見えになるんだ。うちにとって大事なお客様でね」
先生。
そう呼ばれているけれど、実際にはいくつもの会社とつながりを持つ、かなり立場のある人だった。
初めて接待に入った日から、俺はその人の担当を任されていた。
理由は簡単だった。
「君、真面目だし、礼儀正しいだろう?」
そう言われたら、断れなかった。
学費。
家賃。
生活費。
毎月必要なお金を計算すると、普通のアルバイトだけでは足りなかった。
だから、ここで働くことを決めた。
最初は、酒を作って、話を聞いて、笑顔で相槌を打つだけ。
それくらいならできると思っていた。
けれど。
「吉田くん、こっちに座って」
個室に入るなり、客は自分の隣を指さした。
俺は黙って座った。
「君は本当に愛想がいいねえ。学校でも人気があるんじゃないの?」
💛「いえ、そんなことは……」
「またまた。もっと自信を持ちなさいよ」
肩に手が置かれた。
一瞬、身体が強張った。
反射的に体が拒否している。
💛「……すみません、グラスを」
立ち上がろうとすると、手首をつかまれた。
「いいじゃないか、まだ話の途中だろう?」
笑っている。
声も穏やかだ。
だからこそ、周りに助けを求めることができなかった。
💛「……失礼しました」
俺は、笑った。
笑うしかなかった。
その夜、帰宅したのは午前一時を過ぎてからだった。
シャワーを浴びて、明日の授業の準備をして、目覚ましをセットする。
いつもどおりに。
いつもどおりにしなければ。
そう思っていたのに、制服の袖を通したとき、昨日つかまれた手首がじんと痛んだ。
俺はその手を握りしめた。
💛「……大丈夫」
誰に言い聞かせるでもなく、つぶやいた。
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コメント
3件
ガーーー‼️‼️‼️ 新作きたーー‼️‼️ この時点で神作確定してる
うん……読んだよ。仁人の「大丈夫」ってつぶやきが、すごく胸に刺さった。ああいうふうに笑ってやり過ごすしかないって、すごくわかるから余計に苦しい。朝の仁人を、無理に普通に装おうとしてるところも、勇斗がそれに気づいててそっと隣にいる感じも、静かに寄り添いたくなるような話だった。次が気になるし、ちゃんと読んでいきたい。