テラーノベル
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月が高く昇った鬼の隠れ里。静寂を切り裂くように、扉が音もなく開かれた。
「やっと来てくれたねぇ、猗窩座殿♡」
色気を含んだ声に、猗窩座は苛立ちを隠しきれず眉を寄せる。
「…用があるなら早く言え、童磨」
けれどその一歩踏み出した瞬間、背後の戸が閉まり、氷のように冷たい指が頬を撫でた。
「用事なんて一つだよぉ?君を堕とすこと。それだけ♡」
「ふざけるなッ…!」
怒声を上げようとした猗窩座の唇を、童磨が柔らかく塞いだ。抵抗する体を優しく、でも強引に抱き寄せ、氷の吐息が耳元に注がれる。
「ねぇ…君、触れられたことないんでしょ…?だったら、全部ボクに教えて?」
着物の隙間から忍び込む指先が、滑るように筋肉をなぞっていく。猗窩座の体は知らず知らずに熱を帯び、呼吸が少しずつ乱れていく。
「やめろ…こんな…ッ」
「じゃあ…なんで震えてるのかな?」
童磨の舌が喉元を這い、指はゆっくりと股間へ。拒絶の言葉とは裏腹に、猗窩座の昂ぶりはすでに主張を始めていた。
「ほらぁ…気持ちいいんだよね?認めなよ、猗窩座殿♡」
腰を引こうとしたその瞬間、童磨は後ろから猗窩座を押し倒し、彼の体を舌で味わい尽くすように愛撫していく。
「奥まで…感じさせてあげる♡ほら、力抜いて…」
「や…やめっ……ッあッ……やだ、そこは…ッ///」
童磨の腰が猗窩座に重なり、ふたりの身体がひとつになったとき、部屋に響いたのは甘く堕ちた喘ぎと、氷が溶けて滴るような水音だった――
「奥まで…ほら、感じてごらん?」
童磨の囁きとともに、ゆっくりと腰が打ちつけられた。
最初は拒絶に満ちていた猗窩座の瞳が、少しずつ潤み、理性をとかされていく。
「や…だ……んッ…そんな奥…ッ///」
強靭な肉体は快楽に逆らいながらも、童磨の律動に翻弄されていった。
打ち込まれるたび、敏感なところを正確に貫かれ、猗窩座の背中がピクリと跳ねる。
「うわぁ…すっごい、奥できゅって締めてくる…かわいいね♡」
童磨は楽しげに笑いながら、猗窩座の耳元に唇を寄せる。
「ほら、もっと声出して…ね?気持ちよくて壊れちゃう顔、見せてよ」
「っ…う、ぁ…んッ……っく、ぁああっ///」
頬を染めて喘ぐ猗窩座の姿に、童磨は興奮を隠さず、さらに激しく腰を打ちつける。
肉がぶつかり合う音が、部屋中にいやらしく響き渡り、甘い喘ぎと混じり合って止まらない。
「イきそう?ねえ、猗窩座殿、もう限界?」
「し、知らねぇ…っ…けど、止められねぇッ……!」
「じゃあ…一緒に、イこうか♡」
童磨の手が猗窩座の中心を擦り上げ、絶え間ない刺激に猗窩座の意識は白く塗り潰されていった。
「童磨っ……あ、ああっビュルルッ……あっ……ッ///」
身体を震わせて果てる猗窩座を、童磨はぎゅっと抱きしめながら、奥の奥まで熱を注ぎ込む。
「いい子だね…可愛かったよ、猗窩座殿♡」
激しい鼓動の中、ただお互いの熱を感じながら、ふたりはしばらく動けずにいた――
「はぁ、はぁ……っ」
荒い息を吐きながら、猗窩座は童磨の腕の中で項垂れていた。
額にはうっすら汗が滲み、全身は快楽の余韻に痺れたまま、まるで火照るように熱い。
「ねぇ、猗窩座殿…」
背中を優しく撫でながら、童磨が囁く。いつもの軽い調子とは違い、その声には微かに愛おしさが滲んでいた。
「ちゃんとボクのこと、感じてくれた?…奥まで、いっぱい、ね」
「うるさい…喋るな……っ」
猗窩座は顔を逸らすが、声はいつになく弱々しく、耳まで真っ赤に染まっている。
童磨はくすっと笑って、そっと彼の額に唇を落とした。
「照れてる顔も…可愛いなぁ♡」
「殺すぞ…」
「それ、何回目?♡」
ふたりは薄い布団に身を預け、童磨は猗窩座の腰に腕を回したまま、ぴたりとくっついて離れない。
「…このまま寝ちゃおうか。ね、猗窩座殿…ずっと一緒にいようよ」
「…お前、ほんとに……面倒な奴だな」
呟いた猗窩座の声は、どこか少しだけ優しくて。
童磨は満足そうに目を細め、そのまま彼の髪を指で梳いた。
「うん、それでいいの。君はずっとボクのものでいてくれれば♡」
静かな夜。
熱を分け合ったふたりは、互いの鼓動に包まれて、そっと目を閉じた――
「…おい、離れろ」
「やだぁ〜♡もっとくっつきたいもん」
寝たふりでもしてやり過ごそうとする猗窩座の胸に、童磨は容赦なくぴとっと顔を埋める。
すべすべの肌に頬をすり寄せながら、いたずらっぽく舌先で鎖骨をなぞると──
「っ…な、なにして…!」
「ん?気持ちいいこと♡」
さっきまであれだけ激しかったというのに、童磨の欲はまだ尽きていなかった。
その指先は猗窩座の腹を撫で、今度は優しく、くすぐるように下腹部をなぞっていく。
「もっかい、イこう?ゆっくり、優しく…今度はちゃんと甘くしてあげるから♡」
「……ったく、調子に乗るなよ」
言葉とは裏腹に、猗窩座の指先は童磨の腕にしがみついていた。
頬はまだ熱く、瞳の奥にはほんの少し、期待すら滲んでいる。
「ねぇ、好きって言ってくれたら、いっぱい気持ちよくしてあげるよ?」
「………し、死ね……っ」
「照れてるの可愛い〜♡じゃあ罰として、このままトロトロにしてあげるね♡」
童磨は再び唇を重ね、今度はゆっくりと、甘く舌を絡ませながら、猗窩座の体を愛撫していく。
「ほら、脱力して……何も考えなくていいよ。感じることだけ、考えて…ね♡」
「ん…っ、や、また…ッあぁ……っ、ぅ…童磨、やめ……んッ///」
「やめないよ♡だって、君がこんなに可愛い顔してるんだもん♡」
熱と快楽に溺れながら、ふたりの夜はまだ終わらない──
「まだ…ッ、まだやんのかよ…っ///」
猗窩座は汗で濡れた体を震わせ、何度目か分からない絶頂の余韻に呑まれていた。
けれど童磨はその腰を離さず、むしろ嬉しそうに笑いながら、ぐちゅぐちゅと音を立てて奥を穿ち続けていた。
「ん〜♡だって、まだきゅぅって締めてきてるし♡……もっと欲しいってことでしょ?」
「ちが…っ、も、無理…ッ…もうっ、イきすぎて…ッあっあっ…!///」
とろけた声で喘ぎながら、猗窩座はもう何度も果てている。
白濁まみれの下腹部、痙攣する中をそれでも突き上げられ、理性はとっくに崩壊寸前。
「やだなぁ…こんなに可愛く鳴いてるのに、『無理』なんてウソばっか♡」
童磨は快楽に溺れた瞳で猗窩座を見下ろしながら、ぐっ…と奥まで一気に突き上げた。
「ッあああああああっ……ッッ!♥︎♥︎」
全身を仰け反らせ、ビクンッと跳ねる体。
そして──
「……………ぁ、……」
猗窩座の瞳が虚ろに揺れ、力なく崩れ落ちた。
「……あらら♡」
童磨は笑いながら、意識を飛ばした猗窩座の頬を優しく撫でた。
乱れた髪を直し、額にキスを落としながら、まるで宝物を抱えるようにその体を抱きしめる。
「可愛すぎて…ボク、止まんないや……♡」
すっかり脱力した猗窩座を優しく抱き締めながら、童磨はそのままもう一度、身体を重ねていった。
「大丈夫、壊しても…全部ボクが面倒みるから♡」
そして、夜はまた、深く、甘く、果てのない快楽へとふたりを沈めていく──
「……う、ん……っ」
朝の柔らかな光が差し込む中、猗窩座は薄く目を開けた。
全身に残る鈍い痺れと、何度も突き上げられた深部の熱がまだ微かに疼いている。
「っ……」
少しでも動こうとすれば、下半身にじくじくと痛みが走る。
それでも、隣で穏やかに眠る童磨の顔が視界に入ると──
苛立ちと、なぜか奥のほうに滲む安堵が胸を締めつけた。
「……お前、やりすぎなんだよ……バカが……」
声はかすれ、喉は乾き、息をするだけで昨夜の喘ぎが蘇る。
それでも、童磨の腕の中にいることに抵抗する気力は、もうどこにも残っていなかった。
「ん〜♡…おはよう、猗窩座殿♡いっぱい寝れた?」
「寝れるわけねぇだろ……ッ!」
顔を真っ赤にして背ける猗窩座に、童磨はうれしそうにキスを落とす。
「壊れるほど抱いたのに…まだ怒ってないってことは、気に入ったってことだよね♡」
「…殺すぞ」
「はいはい♡その顔、最高に可愛い〜♡また夜、楽しみにしてるね♡」
猗窩座はため息をつきながらも、童磨の胸に顔をうずめるようにして、静かに目を閉じた。
──壊れるほど愛されて、壊れるほど嫌いになれない。
これは、憎しみよりも濃く、狂気よりも甘い、ふたりだけの夜の物語だった。
コメント
3件
初コメ失礼します.ᐟ.ᐟ 表現とかすごい好みです.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ