「幸せ…か」考えたことは何回もある
私達のようにいつか家族ではなくなる存在は家族の幸せを望んではいけないと思っている普通の家族になりたかった。
きっと上の兄も姉も考えていたのかも知れない。
「お兄ちゃん、私には普通の幸せが分からないよ。でもこうやって私を気遣ってくれる存在がいることは幸せだと思うの」
「ハハッありがとな。俺がいなくなればお前は甘えられる相手がいなくなると思ったら寂しくて」
寂しくってお兄ちゃんはずっと思ってたのかな。
お兄ちゃんも前までは甘えられる相手がいて、気にかけてくれる存在がいて…
心底この国の制度には腹が立つ。
子供を作れと命じるから、沢山生まれたらお金を配るから。
だから、だから、だからお兄ちゃんはこんなにも苦しい思いをするんだ。
「りっ莉緒菜!?な、なんで泣いてるんだ!?!?俺が泣かせたなら謝るから」「あ…泣いてたんだ」「気付かなかったのか!?」「無意識に出てたの!!あと泣いたのはお兄ちゃんの性じゃないから」
お兄ちゃんが泣かせたのではない、この国が泣かせたのだ。だから心配しないでよ。
高校につき、私は一年生、お兄ちゃんは三年生のクラスに別れた。
私は学校が嫌いだ、だって…
「金の子が来たぞ!!」教室に入った途端に聞こえた来る罵声。
私の家が沢山子供を産むから、いずれ養子になるから、親に金のために生まれた存在だから、親に愛されないかわいそうな子として周りから迫害を受ける
いじめと言えるほどの酷さはない、暴言位だから。
私はできるだけ周りを見ないように席に向かった。
苦しい学校が終わり、私は昇降口に向かう
夕日が寂しさを強くする。
誰でもいいから私を愛して、物語みたいか恋がしたい。
一度でいいから私を必要として…
昇降口を出て憂鬱ながらも家に向かう。
家族には会いたくない、でも物語私を待っていてくれてる。
この国に必要とされなくなったらものが私という読み手を待っている。
遠くからぐじゃぐじゃと何かを潰す音が聞こえる。
最初は些細な気になるという感情だった、
でも音が大きくなる度に私の好奇心も大きくなっていく。
この音は何の音?何処から?
気づくと校舎周りを彷徨いていた。その音は校舎裏から聞こえてきた。
校舎裏にはワルい噂が耐えない。此処に来て怖さが込み上げてきた。
でもこんな日常を壊してくれるような刺激が欲しい。意を決して私は校舎裏に歩き始めた
太陽の光もあまり届かないこの場所は寒く暗く怖かった。
歩き始めた途端、謎の音は聞こえなくなっていた。
じゃりじゃりと私の足音だけが響き渡る。
無事に明るいところに着いた。
何もなかったとほっとしたような、残念なような感情が込み上げてくる。
突然口が塞がれる。怖い
「誰だお前?こんな何にもないところに用なんてあるのか?」
男の声が聞こえてきた。誰か助けて
好奇心のままに行動しなければ…こんなことには
後の祭りなんてこと理解してるのに
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