怖くてまだ自由な手をジタバタと動く
「チッ動くなよ」重低音な声が聞こえて、
私は動けなくなってしまった。
最後の一絞りで手を動かしたら鞄からスマホが落ちて電源がついてしまった。
もっと最悪の事に丁度見てた画面はダークウェブだった。
「あ?なんだこの画面」口を塞いでる人と別人物が私のスマホを拾ってしまった。
私の人生此処までだったのか…
「なぁお前この画面さ、ダークウェブじゃないか?」私の口を塞いでる人がそう聞いてくる
ダークウェブ知ってッ本当に終わりだ
「兄貴口塞いでちゃ喋れねぇよ」「あーうっかりうっかり」
兄弟なのか。私の口を塞いでる人が兄、スマホを拾った人が弟。
そして血だらけで倒れてる人…は?
「質問に答えてくれたら生きて孵しあげるからね~ちゃーんと答えてね」
甘いくて何処か冷たい声、兄がそう聞いて来た。
さっきまで気付かなかったが、
男とは思えないほどの甘い匂いがする。
獲物を刈る狼のよう
「君さぁ普通にこれ犯罪だよね」口をから手を外しながらそう言ってきた。
私は黙ってうなずくことしかできなかった。「へぇ真面目な見た目してイケないことしてるんだぁ」少しイラッとして
「そっちだって人のこと殴ってたんじゃないですか?校則違反ですよ。もしこの事言ったら貴方達を学校に言いますよ」
「ふーん、君がそんなこと言える立場だっけ?いざとなれば君もこんな風にできるんだよ」兄の方の冷静な声に私はハッとした。立場が悪いのは此方の方だ。
校則と法律どちらの方が上かバカでも分かる
「まぁ退屈だったから話さいであげるよ。最近はこれぐらいの違反じゃ面白くないから」「兄貴…勝手に決めんなよ。振り回される俺の気持ちも考えてよ」
「まぁまぁ”竜胆”しばらく面白くないだろ?」「それはそうだけどさ」
「じゃあまた明日此処に来てよねこの事言われたくなかったらさ、莉緒菜ちゃん」
「なっなんで名前ッ!?」
家に帰ったのは暗くなってしまってからだった。
「莉緒菜遅かったわね。2日後にはあの子養子に行くから。」
は? あの子とはきっとお兄ちゃんの事だろう。
「最近子供達の回収遅いから生まれる前に2人分のお金が手に入るわね」
最後まで聞いてられなくて部屋に逃げ込んだ
お母さんは私達のことを金を生むダチョウとしか見てないのだろう。
その事は十分理解してたはずなのに。
ふとスマホを着けた。
今日は本を読む元気はなかった。
これなら彼奴等の方が優しいな
あの甘い匂いがふと恋しくなってしまった
怖かったのに、【また明日此処に来てよね】あの言葉が嬉しかった
可笑しいな私…
コメント
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謎の兄の方の匂いはこないだアニメイトで香水の匂いを嗅いできたのでそれを元に書きました。最高でしたね