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「じゃあ逆にこっち側に有利なこと考えればいいんじゃないか?」
「確かにな!」
「じゃあじゃあ!!アリぐらいちっちゃーくなってたりして?」
「みたいな?」
ニコニコとしながら菜々がそう言うが、
何も変わらなかった。
「何も変わんないじゃん!」
「じゃあ、もう..逃げろってことだろ!!」
そう言って海夏人は一足先に遠くへ逃げていく。
「ちょっと!!裏切り者!!」
菜々もそう言って走っていく。
私も逃げなきゃ..。
そう思ったのと同時に目の前が真っ暗になった。
最後に聞こえたのは陸が私の名前を
呼ぶ声だけだった。
陸side
「遥!!」
そう叫んだ時にはもう遅かった。
目の前でバクリと紫色の化け物に喰われる
遥の姿を見ているしか無かったのだ。
生き返るとは言えど、
『もし生き返らなかったら..』
そう思うと体が震える。
どこで間違ったんだろうか。
先に逃げた海夏人と菜々?
それともいち早く逃げなかった俺?
考えても考えてもキリがない。
気づけば紫色で一つ目のワニは居なかった。
しばらくしてから
「あれ?遥は?」
と言いながら菜々と海夏人が俺のとこに戻ってくる。
「喰われた」
そう俺が言うと
「あ〜…」
「しょうがないか。だって遥足遅いしなぁ..」
「ね、どうせ生き返るんだから..」
そう淡々とそう言う2人。
人が1人死んでんだぞ?
なんでそんな平気なんだよ。
なんで『足が遅いから』って言えるんだよ。
本人が居ないからって言っていいか
悪いかくらい分からねぇのかよ。
自分の中でそう愚痴を零す。
その時、ふわっと俺の体が浮いた。
「は..?」
何かデカイものに掴まれてるような感覚がする。
気づくと辺りは雪原のような景色になっており、
俺の腹の辺りには白くて毛むくじゃらの
手があった。