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「何、冗談を言ってるんだ?ふっか、いや深澤先生は」
ほら見てみろよと、言わんばかりに目線だけ向ける。
それまで、笑顔だった佐久間は「ナンノコト〜」と辿々しく、目を合わさず視線が右斜め上へ向いた。
(確かに必死で嘘を誤魔化そうとする雰囲気ではある)
人は嘘をつく時、視線が右斜め上に上がる傾向だし
「会長も信じられないって顔してるよね。でもさ学園の学ランだったら詰襟でわかんないけど、姫の今の格好なら幾分わかりやすいと思うんだけど」
メガネをクイっと、上げながら深澤先生はニヤリとした。
「こっ…こっち見んじゃねーよ」
姫の方を向くと急に赤くなって、フィっとそっぽを向かれた。
「……」
(わかる訳ないだろ)
「深澤先生それは、可愛いは正義✨そして天使👼だから理由はいらない」
「岩本先生は意味がわからない」
スパーン
と岩本先生は頭を叩かれていた。
「ブッブーはいダメーっ、正解は喉仏がないでしたって事で、身をもって知りなさいっ」
(胸はスレンダーなのか何かで潰してんのか、見た目でわからん)
すると近くに居た姫の背を深澤先生は思い切り押した。
ドンッ
俺の胸に飛び込ませ、受け止めた瞬間距離が消え、抱き合う形となってしまった。伝わってくる体温と、俺とは明らかに違う柔らかな感触が肌から伝わってくる。
そしてまたあの花の香がする。
何故だろうこの匂いを嗅いでしまうと、理性が失われる気がする。
そっと距離を取りたくて姫の肩を押して離した。
「……なんで」
返ってきた言葉に、姫の表情が崩れた。
それは、拒まれた者の顔絶望そのものだった。
そんな空気を深澤先生が変えた。
「_マジ会長にMK5なんだけど~※訳※まじで会長にぶちぎれそうな5秒前_」
「そっそれは…」
会長の普段は見られない動揺した姿に、眼鏡を外し泣けるほどケラケラ笑ってしまった俺
岩本先生がこっそり耳打ちをする。
「このままだと首になる可能性も」
あーっ
会長の親がこの学園に多額の出資してるんだった。なくはない可能性
クレカ支払いがー
「冗談よじょーだん、ほら佐久間ちゃんも会長はねー理由があってって事だからね」
「お前の性別については理解できた(身を以って知った)が、じゃあ名前は偽名か?それと何故お前が男子校に来たなんの目的だ」
会長は早口で質問責めをする。それは仕方がない
オレは会社が倒産し、自分の意思ではなく親戚が設立した聖桜学園へ転入するよう母親に指示され、奨学金制度という形で1年後支払う理由を述べた。
「オレはヤンキーに憧れてたし、学ランがコスプレじゃなくて普段着れるのが魅力的だったからつーか、中学の時は下スカートじゃなくて、スラックスでも選べる所で、2年間いた高校は私服だったから、学ランは嬉しかった。欲を言えば特攻服が」
「もう充分だ」
待ち望んでた会長に会えて内心嬉しいのに、現実は冷たい態度で落ち込んでしまう。
好きなのは顔だけだから?
それ以外は別にどうでもいいのか?
「そう言えばこれ」と会長はオレにピンク色の錠剤を差し出す。
(これはオレが落とした薬だ。それを手を差し出して受け取ろうとしたが)
深澤先生に寸前で取られてしまった。
「何これドラック?」
深澤先生が裏側を見て確認すると
「これピルじゃん、何会長こんなもん持ってるの!会長の父親の製薬だからって、えっこれしかも佐久間ちゃんに渡そうと、えっもしかして会長って実はヤリ…」
「そんな訳がない、これは姫の部屋の前に落ちてた物だ」
「そうそうこれ、母さんが毎日飲むようにくれたんだ」
「佐久間これは毎日飲まなくていい、使い続けるのは良くはない」
「えっ!?そうなの」
「ねぇ〜佐久間ちゃん頼みがあるんだけど」
深澤先生がオレの顔を覗き込み、微笑みながらお願い事を言い始めた。
「オレに頼み?」
「話聞いてるとね、佐久間ちゃんのお母様とお話してみたくて、会わせてくれないかな?」
「母さんと?」
「是非とも男子校になんの危機感もなく転校させるなんてクレイジーさに俄然興味が湧いちゃった♥️」
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(お面白っ、学園には黙っててやるか)
狼の群れにウサギを解き放ってるもんでしょ
それに薬を毎日飲ませようと強要するなんて
チラリと会長を見ると目が合い、バツの悪い表情をしてた。
さすがにわかるよね会長の放送で、最悪なケースになる所だったって事
もし、ガタイのいい男たちに捕まり(男女関係はないけど)強姦されてたらどうなってた事やら。
防衛本能なのだろうか、逃げて助けを求めてくれたからよかったけどねー
あと酔っぱらいから助けたのは褒めてあげるけど…
花の香話もしようかと思ってたけど、佐久間ちゃんはわからなそうな気がして、でも親なら何か知ってそうな気がしてならなかった。俺は、直感も優れてるから
当たりそうな気がするんだよねぇ(笑)
「んー聞いてみる!」
「頼むね、そうそう連絡はこれで」
深澤先生は、スマホのプロフQRコード画面を見せた。
「このトークアプリで、お悩み相談してるんだよね。だから悩み事あったら聞いてあげるからね〜」
「深澤先生そんな事してるんですか?俺初めて知りした」
「知らなかった?岩本先生」
「俺ともお願いします!」
「いいけど、このスマホは学園専用だから」
岩本先生もスマホを、取り出して交換し始めた。
「もう帰ってもいいですよね。くだらない話になってますし」
おもむろに会長は、深澤先生のデスクチェアの背もたれを掴んで回転させて手を離した。
「ちょっ何する、わぁぁぁぁーっ」
「カウンセリングまともに出来てないぞー」
颯爽と会長はドアを開けて、保健室から出て行った。