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「それとは別に、人間以外のものも殺しまくってる」
フリーダの説明が続く。
「天界の軍勢は、軍団と呼ばれる編成を組んでいて、1個軍団が3000柱の天使で成り立っている。それを丸々1つ、姉御は単騎で一気に壊滅させちゃった。他にも、シルクロードを辿って過去の日本にも何度か来てるよ」
「……」
応仁の乱が始まった直後、36号と部下の不死者たちは魔軍の尖兵として、杏都の鞍馬山に攻め込み、大天狗の一党を敗走させた。杏都を霊的に守護していた大天狗を排除すると、更に魔軍は都の四方を穢した。
たちまち杏都は穢れた土地−−穢土地−−に成り果て、悪党と魔の跳梁が始まった。昼間は人間同士の、夜は血に飢えた悪鬼や妖怪変化による殺戮が終わりなく続く魔都・杏都。
応仁の乱が終息するまで、実に11年の歳月が掛かり、その結果、 牟呂町幕府と公家の権威は失墜し、全国各地で天下取りを夢見る戦国大名が勃興した。戦乱が各地に広まることで、異形の者どもも新たな血の匂いに引き寄せられ、杏都から各地へと散らばっていき、死と恐怖と混乱がばら撒かれていく。
こうして、日本は修羅の時代に突入していった……
「あとね、姉御の人間形態はあんなだけど、真の姿っていうか、本気で戦う時の戦闘形態はかなりヤバイ姿になるからね。例えるならビオランテ(植獣)とエヴァ量産機を足して2で割った感じ?あの姿を見たら100年の恋も−−」
「それ、ダウトッ!」
根岸がフリーダの説明に割って入った。
「うわっ、何?いきなりどうしたの?」
「ビオランテ(植獣)って思いっ切りボリューミーじゃないか、逆にエヴァ量産機は細身でシュッとしてる」根岸が早口でまくし立てる。「つまり、この2体を足して2で割ると、標準体型の怪獣ができるんじゃないか?例えばシーゴラスとかゴルザみたいな」
うわっ。コイツ、メンドクセー。迂闊に怪獣の話題なんかしなきゃよかった……
フリーダの顔に縦線が入った。
「あ、兄貴は女の人の正体が怪獣とかモンスターでも気にならないんだ……」
「新マンのケンタウルス星人の回とか、タロウのメモールの回とか、むしろ大好物」
「あ、はい」
フリーダが適当に相槌を打つ。……コイツ、怪獣の話になったら、途端に元気になったな。
「劇場版ウルトラマンXに閻魔獣ザイゴーグって、怪獣が出てさ」根岸が熱く語る。「コイツが強いし、凶悪な姿をしてるしで、最高なのよ」
「あー、はいー、そうですかー。怪獣談義に夢中になって、自分の家を通り過ぎないようにね」
半ば呆れ気味にフリーダが言う。