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#鬱展開
Mist-404
1,165
mogyumogyuGemi
646
Az本部・地下研究施設
無機質な廊下。
白い照明だけが床を照らしている。
研究員たちが慌ただしく行き交う中、間宮トオルは最深部の実験室へ入る。
そこには巨大なモニターが並び、世界中の能力者のデータが映し出されていた。
「東京での戦闘データは?」
研究員が頭を下げる。
「はい。全員の戦闘解析が完了しました。」
「特に一之瀬ソウヤの Transmigratio(人格転移)は、既存の能力理論では説明できません。」
間宮は満足そうに笑う。
「だから価値がある。」
「必ず手に入れる。」
その時、一人の研究員が慌てて駆け込んできた。
「間宮先生。」
「例の計画ですが……。」
「予定より早く進行できます。」
間宮は静かに頷く。
「始めよう。」
「Genesis計画を。」
能研本部
一方、能研では緊急会議が開かれていた。
タジが大型モニターに世界地図を映し出す。
赤い点が次々と表示される。
「能力者失踪事件。」
「この一週間だけで四十三件。」
柚季が驚く。
「そんなに……。」
結衣は不安そうに呟く。
「全部Azなの……?」
惣一は腕を組んだまま答える。
「断定はできない。」
「だが可能性は高い。」
その時。
警報が鳴り響く。
ビーッ!ビーッ!
タジがモニターを見て目を見開く。
「能研の監視ドローンが一機消えました!」
惣一は即座に命令を下す。
「現地へ向かう。」
廃工場地帯
夕暮れ。
廃工場の煙突だけが空へ突き出ている。
ソウヤたちは慎重に敷地へ足を踏み入れる。
イレイダが周囲を見回す。
「静かすぎる。」
タジは端末を操作する。
「ドローンの反応は、この地下です。」
惣一は入口を見つめる。
「地下施設か。」
「全員、警戒を怠るな。」
地下通路
薄暗い通路。
壁には新しい配線が張り巡らされている。
「廃工場のはずなのに……。」
結衣が呟く。
その時。
レイダーが反応した。
タジが小声で言う。
「反応!」
「前方三名!」
次の瞬間。
ガンッ!
銃声。
ソウヤは咄嗟に結衣を突き飛ばす。
弾丸が壁を抉った。
「敵だ!」
煙の中から黒い戦闘服を着た男たちが現れる。
胸には”Az”の紋章。
能力者ではない。
特殊部隊だ。
「侵入者を確認。」
「排除します。」
能力戦
三人の隊員が一斉に発砲する。
ダダダダダッ!!
ソウヤは前へ飛び出した。
「柚季!」
「任せて!」
柚季が飛翔能力で天井近くまで上昇し、敵の死角へ回る。
イレイダは刀を抜く。
「銃なんざ遅い。」
キィン!キィン!
飛来する弾丸を次々と斬り落とす。
火花が暗闇を照らした。
ソウヤは一人目へ肉薄。
拳を叩き込む。
ドゴッ!!
隊員は壁へ吹き飛び気絶する。
二人目がナイフを抜く。
しかし。
惣一が一歩踏み込んだ。
最小限の動きで腕を捻り上げる。
ゴキッ!
ナイフが床へ落ちる。
「終わりだ。」
そのまま相手を床へ押さえ込んだ。
最後の一人は逃走を図る。
「逃がさない!」
柚季が急降下し、飛び蹴りを叩き込む。
ドォン!
男は気絶した。
地下最深部
敵を制圧したその時。
タジがモニターを発見する。
「これは……。」
画面には世界中の能力者の情報。
そして、
能研メンバー全員の詳細なデータが表示されていた。
ソウヤは拳を握る。
「俺たちが監視されてた……。」
惣一の表情が険しくなる。
「これは前哨基地だ。」
「本拠地ではない。」
その瞬間。
モニターが切り替わる。
画面いっぱいに、間宮トオルの姿が映し出された。
間宮は穏やかに微笑む。
「ようこそ、能研の諸君。」
「その施設は、君たちへの”贈り物”だ。」
「……!」
惣一が叫ぶ。
「全員、退避!」
間宮は笑みを浮かべたまま告げる。
「また会おう。」
「次は、本番だ。」
通信が切れた。
直後。
ピッ……ピッ……ピッ……
施設全体に赤い警告灯が点滅する。
「自爆装置!?」
タジの顔色が変わる。
「爆発まで三十秒!」
ソウヤは叫んだ。
「全員、出口へ走れ!!」
轟音とともに、地下施設は崩壊を始める――。
第64話 完
コメント
1件
まさか施設ごと罠だったとは…間宮さんの狡猾さがゾッとしますね。「贈り物」ってあの笑顔で言われるのが一番怖い。イレイダさんの弾丸斬りは今回も冴えてたし、柚季ちゃんの死角からの飛び蹴りもチームの連携が光ってました。三十秒のカウントダウンで終わるの、続きが気になりすぎます…!