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圭子が週3で勤める高級ラウンジカメリアにOL時代からの顔馴染である
リーマン松尾佑が週末に接待などではなく、同僚と店に顔を出していた。
そしてその日、できれば渚ちゃんをとのご指名が入る。
「松尾さん、この度はご指名いただきありがとうございます。
個人的にお店にいらっしゃるなんて珍しいですね」
「そう、そうなんだよね。
実は今日、渚ちゃんに話したいことがあってコイッを誘って来たってわけ」
松尾さんはそう同僚を差して言った。
「え~っと……」
私は松尾さんの右隣の人を見た。
「あぁ、コイツね、き……」
「あ、僕は北村といいます。
きれいな人を見せてやるからって言われて付いて来ました」
「あははっ、渚ちゃんのことだよ?」
「松尾さんったら、ありがとうございます」
「それと奢るって言っただろ? 北村くん、そこもちゃんと言っといてよ~」
「ははっ」
ここで、もうひとり七瀬詩織というホステスが席についた。
話が私にあると言うくらいだから、自然と私たちは同じテーブルについているが
2組に分かれるような雰囲気で会話が始まった。
詩織さんは美人さんなので北村さんの顔がにやけているのが見て取れる。
彼も独身なのかな、なんて見つめていたら松尾さんが話し掛けてきた。
「渚ちゃん、僕幾つになったと思う?」
「え~っと、確か以前お聞きした時は、私よりかなりお兄さんだったように
思うので……今、35才くらいでしたっけ?」
「おしいっ、36才になっちゃったよ」
「いいですね、独身を謳歌してらして」
「よく言うわ。こう見えて寂しいんだよっ」
「ふふっ、そうなんですか」
「聞いてくれる?」
「女性絡みでしょうか?」
「あれっ、何で分かっちゃったのかなぁ~。まぁいいわ。
俺、2か月ほど前に見合いしてね、これ、この女性なんだけど……どう?」
そう言いながら松尾さんがスマホに表示させてる女性の画像を見せてきた。
『えーっ……』
私は、その画像に心臓が止まりそうになる。
「知ってるよね?」