テラーノベル
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いるまがソファでラップの歌詞ノートと向き合い、眉間にシワを寄せて集中していた。
そこへ、テンション高めのLANが「いるま〜!」と部屋に入ってくる。
「ねぇ見て! 今日のおやつ美味しそうなドーナツ買ってきたよ! 一緒に食べ…」
「あー、今忙しい。邪魔だから向こう行ってて」
一瞬で放たれた、氷点下の塩対応。
LANの手がピタッと止まり、眉毛がハの字に下がった。
「ッ~~〜〜ちょっと!? 言い方!!『邪魔』ってなに!? もう少し言い方ってものがあるでしょ!?」
「事実だろ。集中してんだから話しかけんなスベリーダー」
「スベリーダーって言うな!! もう! 俺がせっかくいるまの好きなチョコのやつ買ってきたのに!!」
LANはプンプン怒りながら、いるまの真隣のソファにドカッと乱暴に腰掛けた。
「向こう行って」と言われたのに…
「おい、なんで隣座んだよ…狭ぇって」
「別にいいでしょ! リビングはみんなの共有スペースなんだから! 俺はここでお菓子食べるの!」
LANはキーッとなりながら箱を開け、いるまの目の前でわざとらしくドーナツをほおばる。
本当なら「もういるまの分なんてあげない!」と意地悪したいくらい腹が立っているのに、LANの手はすでに「チョコのドーナツ」をナプキンで包んで、いるまの膝元に置いていた。
「……怒りながら渡してくんなよ」
「別にいるまのために買ったんじゃないし! ついでだし!」
ぷいっと横を向くLAN。
本気で怒っているけれど、根底にある「いるまが大好きで、喜んでほしい」という気持ちが隠しきれていない。
いるまは膝の上のチョコドーナツを見つめ、ハァ……と小さくため息をついた。
ノートをそっと閉じると、一口かじり、ボソッと呟く。
「……うまい」
「……当たり前でしょ! 俺が並んで買ったんだから!」
まだおこなLAN。
すると、いるまはフッと目元を和らげると、静かにLANの方へ身体を寄せてきた。
そして――無言のまま、自分の頭をLANの肩にコテンと預けた。
「……っ!? え、いるま……!?」
さっきまでの冷たさが嘘のように、自分の肩に頭を乗せてくるいるま。
LANの首元に、いるまのやわらかい髪が触れる。
「……うるせぇな。静かに食わせろ」
「な、なにそれ!! さっき『邪魔』って言ったくせに!!」
「……悪かったよ」
ぽつりと漏らされた、低くて小さな謝罪。
いるまは顔を隠すようにLANの肩に額を押しつけ、そのままLANの腕を自分の両手でギュッと抱え込んだ。
「……お前が隣でバタバタ騒ぐから、歌詞が浮かばねぇんだよ」
「それ俺のせいにしてるだけじゃん!!」
「……だから、少しこうさせろ。お前が隣にいると落ち着く」
ツンの嵐からの、破壊力抜群のデレ。
冷たく当たって怒らせておいて、最後は自分からこんな風に甘えて逃がさない。
LANは真っ赤になって絶句したあと、深いため息をついた。
「……ほんとずるい。そんな言い方されたら、怒れなくなるじゃん……」
LANは文句を言いながらも、抱え込まれた腕とは反対の手で、いるまの頭を優しく撫でまわした。
やっぱり、どんなに冷たくされても、このツンデレな相棒のことが大好きなのだ。
「……もうちょっと買ってきたドーナツ食べる?」
「ん。お前が食べさせて」
「威張りすぎ!! でもあげる!!」
最後は二人で笑い合いながらドーナツを分け合う、いつもの不器用で愛おしい2人の日常だった。
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コメント
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わあ、もうもうもう…っ!ツンの嵐からの破壊力抜群のデレ、最高でした…!「邪魔」「スベリーダー」と冷たくあしらってたくせに、最後は自分から肩に頭を預けて「悪かったよ」って…ずるい、ほんとずるい!(笑)でも怒りながらチョコドーナツを膝に置くLANの不器用な優しさも愛おしくて、最後に二人で笑い合うシーンで胸が温かくなりました。こんな距離感の描き方、大好きです🍩🩷