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#普通
野々さくら
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ありあ
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朝陽の家を後にした一同は、市立図書館に集まっていた。
「どうしたらいいんだろ」
信愛は思考を巡らせながら、天井の照明を見つめていた。
「この女の人・・・誰なんだろうね」
茜はスマホを見つめながら呟く。
そこには、先ほど朝陽の部屋で見つけた家族写真が映し出されていた。
信愛はスマホへ視線を移し、驚いたように茜を見る。
「え?いつの間に複写したの?」
茜は悪びれる様子もなく笑った。
「あ、朝陽くんがジュースの
おかわり持って来る前にこそっと」
焔垂が呆れたように眉をひそめる。
「お前はプライバシーって言葉知らないのかよ」
茜はぷくっと頬を膨らませた。
「失礼な言い方しないでくれる?」
そして胸を張る。
「これはあれよ!捜査資料だよ!捜査資料!」
信愛は苦笑しながら肩をすくめた。
「まあ、ネットにアップする訳じゃないし」
「そう! そう!」
茜は勢いよく頷く。
「この一件が解決したら写真消すんだから
なーんも問題ないっしょ?」
その言葉に、さくらも納得したように頷いた。
「まあ、それもそっか」
しかし、信愛の表情は晴れない。
スマホの画面を見つめたまま、小さく呟く。
「でも本当に誰なんだろ?」
静まり返った図書館で、信愛はゆっくりと考えを口にした。
朝陽が悩んでる女性の声に、部屋を覗いてた謎のおばさん。
そして偶然見つけた家族写真。
「無関係には思えないんだよね」
茜は腕を組んで首を傾げる。
「無関係じゃないとしてもさ
どうやって調べる訳?」
信愛も困ったように苦笑した。
「そこなんだよね・・・」
さくらも同じように悩んだ表情を浮かべる。
「おばさんの名前も目的も
何もかも分からないんだしね」
茜はため息をついた。
「いくら何でも情報が少な過ぎるよ」
信愛も机に肘をつき、小さく息を漏らす。
「はぁ〜・・・どうしよう」
沈黙を破ったのは焔垂だった。
「やっぱこのおばさんに
直接聞いてみるしかないか」
茜は呆れたように顔を上げる。
「はぁ? 話聞いてた?名前も目的も何もかも
分からないんだってば!そんな状況でどうやって
おばさんから話聞くわけ?お前バカだろ?」
焔垂は即座に睨み返した。
「最後の一言は余計だったよな?」
さくらが二人をなだめるように口を挟む。
「でもマジでどうやるわけ?」
焔垂は腕を組んだまま答えた。
「そりゃ、あれだよ!張り込みしかないだろ?」
信愛が聞き返す。
「張り込み?」
焔垂は真剣な眼差しで頷いた。
「このおばさんは浦添くんの
ストーカーの可能性が高いんだろ?」
茜も渋々認める。
「まあ、そうだけど・・・」
「だったらまた浦添くんの
自宅周辺に現れるかもしれないだろ?」
その言葉に、信愛は静かに頷いた。
「まあ、確かに、このおばさんに話を聞ける
可能性があるなら、それしかないよね」
さくらはどこか楽しそうに笑う。
「なんか刑事ドラマみたい」
すると茜が現実的な疑問を口にした。
「でもさ? おばさんは、今日
信愛に顔を見られてんだよ?
そんな状況でまたすぐに現れるかな?」
その問いに、信愛たちは再び押し黙る。
図書館の静かな空気の中、焔垂が腕を組んだままゆっくりと口を開いた。
「ストーカーしてる奴って対象への執着とか
強迫観念に駆られてる場合があるらしいんだ」
信愛は聞き慣れない言葉に首を傾げた。
「強迫観念?」
焔垂は頷く。
「『この人は私を求めている筈だ』とか」
さらに続ける。
「『私が見守らなきゃ、この人はダメになる』
こういう過剰な思い込みのせいで
自分自身の感情をコントロール出来ずに
ストーカーするんだってさ」
茜は感心したように息を漏らした。
「なるほど・・・」
さくらも考え込むように呟く。
「ようは、このおばさんが本当にストーカーだったら
『私には朝陽くんを見守る義務がある』
って勝手に思い込んでる可能性があるって話?」
焔垂は静かに頷いた。
「ああ・・・だから次も
現れる可能性は高いと思う」
そう言うと、机の上に置かれていた一冊の本を軽く叩く。
「こういうのを心理学的に
『リメレンス』って言うらしいよ」
信愛は小さく頷いた。
「なるほど・・・確かにそうだね」
さくらは焔垂をじっと見つめる。
「てか何でそんなストーカーの心理に詳しい訳?」
そして悪戯っぽく口元を緩めた。
「もしかして経験──」
焔垂は顔を真っ赤にして勢いよく立ち上がる。
「バ、バカか!んな訳あるか!」
恥ずかしさを誤魔化すように咳払いすると、本を指差した。
「これにそう書いてあったんだよ」
焔垂は机の上に置かれた心理学の本を指先でコンコンと叩く。
信愛はようやく納得したように笑う。
「あ、なるほど・・・さっきから
真剣に読んでたのは心理学の本だったんだ」
焔垂は照れ隠しに視線を逸らした。
「ああ、何かの手がかりになればと思ってさ」
茜が手を叩く。
「ならもう張り込むしかないじゃん」
さくらも賛成するように頷いた。
「確かにね!焔垂が言ったクレンメス通りなら
また来る可能性あるかもしれないしね」
焔垂は苦笑する。
「リメレンスな?」
そのやり取りに信愛も自然と笑みを浮かべた。
「なら明日あたり張り込みしてみる?」
さくらは目を丸くする。
「明日?急だね」
信愛は真剣な表情へ戻った。
「そりゃそうだよ
一刻も早く真相を突き止めなきゃ」
茜も力強く頷く。
「あ、そうだよね、朝陽くんは今も
正体不明の女の声に悩まされてるわけだし」
信愛は迷いなく答えた。
「そう!だから早めに解決してあげなきゃ!」
その言葉に、さくらも静かに微笑む。
「なら明日ね」
4人は互いに顔を見合わせ、小さく頷き合った。
図書館の静寂の中で、翌日の張り込みは正式に決まった。
コメント
1件
×××さん、File3・9話読みました〜!📚✨ 図書館で4人が集まって、あの謎おばさんについて話し合う感じ、めっちゃ刑事ドラマみたいでワクワクしました!特に焔垂が心理学の本で「リメレンス」って用語を出してきたところ、ちょっとカッコよくてキュンときた……😳💕 さくらが「刑事ドラマみたい」って言うシーン、私も同じこと思ってた!笑 信愛ちゃんの「早めに解決してあげなきゃ!」って気持ち、めっちゃ伝わってきたし、4人の結束が強まってる感じがエモいです…! 明日の張り込み、どうなるんだろう?続きが気になりすぎる〜!⋆♡