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#普通
野々さくら
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ありあ
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翌日。日曜日。午前11時30分。
怪異探求倶楽部の一同は、公園に集合していた。
周囲を見回しながら、茜が口を開く。
「張り込むのは良いけどさ」
少し首を傾げる。
「どこで張り込むつもりな訳?」
「ちょっと、待ってね」
信愛はそう言うとバッグからスマホを取り出し、|Googol《グーゴル》マップを開いて、画面を皆へ向けながら説明を始める。
「まず、浦添くんの家がここでしょ?」
家の位置を指差す。
「で、私が昨日おばさんを見たのが」
続いて家の前にある電柱の場所を示した。
「浦添くんの家の前のこの電柱」
さらに指を滑らせ、家の前を真っ直ぐ伸びる道路をなぞる。
「そして浦添くんの家の前の通りは
曲がり角が無い一本道」
地図を見つめながら、信愛は作戦を口にする。
「ようは、双方から通路を
挟み込むように張り込んどけば──」
茜は手を打った。
「あ!なるほど!」
すぐに作戦の意図を理解する。
「仮におばさんが逃げようとしても
逃げ道ないから挟み撃ちに出来るって訳か!」
信愛は大きく頷いた。
「そういう事!」
焔垂も腕を組みながら賛同する。
「なら二人一組で張り込みだな」
「うん!それが確実だね!」
信愛がそう答えた時、さくらが何気なくスマホを取り出し、時刻を確認する。
「あ、もうそろそろ
12時になるんじゃない?」
信愛も時間を見て、小さく頷いた。
「あ、本当だ」
そして表情を引き締める。
「まぁ、昨日同じぐらいの時間におばさんを見たから
今日も来るって確証は無いけど」
一呼吸置き、皆の顔を見回した。
「来る可能性がゼロって訳じゃ無いから
とりあえず配置につこう」
茜は親指を立て、明るく笑う。
「オッケ〜♬」
4人はそれぞれ担当する位置へ向かって歩き始めた。
静かな住宅街には、春の風が木々を揺らす音だけが響いていた。
◇ ◇ ◇
それから一同は、信愛とさくらペア、茜と焔垂ペアに分かれ、それぞれ決められた位置へ散っていった。
信愛とさくらペアは、浦添家の前から少し離れた道路脇で、人目につかないよう静かに身を潜める。
住宅街は昼とは思えないほど静かだった。
車の走る音もまばらで、時折、車が風を切る音だけが響いている。
沈黙に耐えきれなくなったように、さくらがぽつりと呟いた。
「本当に来るかな?」
信愛は道路の先から目を離さないまま、小さく息を吐く。
「さぁ・・・分からない」
少しだけ表情を曇らせる。
「でも他に何も情報が無いから信じて待つしか無い」
「まぁ、そりゃそうだけどさ
なんか藁にも縋る〜って感じ」
さくらは苦笑いを浮かべる。
信愛も肩をすくめた。
「来てくれれば良いんだけどね・・・」
ふと、さくらは思い出したように信愛へ視線を向ける。
「でもさ?信愛が見たおばさんって
人間か霊、実際はどっちなんだろうね?」
信愛は迷いなく答えた。
「私は人間だと思ってる」
「え? 何でそう思うの?」
「この前、朝陽くんの部屋で見た写真
覚えてるでしょ?」
「ああ、あの写真?あの写真がどうかしたの?」
さくらは首を傾げ、信愛は少し声を潜めた。
「あの写真に写ってる二人
なんとなく顔が似てたと思わない?」
「ああ、言われてみれば確かにそんな気するかも」
信愛は静かに頷く。
「でね? 私の予想なんだけど──」
そこまで言いかけた、その瞬間だった。
「あ、待って!信愛!」
さくらが突然、道路の先を指差す。
「あ、あれ!」
信愛も反射的に顔を上げる。
「え?」
「だからあれだよ! 誰か来たよ!」
遠くから一人の女性がゆっくりとこちらへ歩いて来る。
「あの人じゃない? ・・・違う?」
目を凝らした信愛は、その人物をじっと見つめた。
胸の鼓動が一気に速くなる。
昨日、朝陽の部屋の窓から見かけた姿を間違えるはずがない。
「ま、間違いない!昨日のおばさんだ!」
確信を込めて呟く。
「え? 間違いない?」
さくらの問いに信愛は自信たっぷりに宣言する。
「うん! 間違いない!」
信愛の返事を聞くと、さくらはすぐにスマホを取り出した。
「分かった! 茜に連絡するね?」
指先は迷うことなく通話ボタンを押す。
張り詰めた空気が、一気に動き始めた。
コメント
1件
ああ、第75話読みました!張り込みの作戦会議から一気に動き出す展開、めちゃくちゃドキドキしました。信愛が「私は人間だと思ってる」って言い切ったところ、すごく印象的で。写真の二人が似てたって伏線も気になる…あのタイミングで「あ、あれ!」ってさくらが指差すシーン、息を呑みました。次の展開が待ち遠しいです!