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どこにいても
誰といても
この果てなき蒼穹を
きっといつでも思い出す
アリゾナって、ターコイズの産地で有名らしいで?
康二がそう教えてくれたのは、フェニックス国際空港に到着した時だった。
ラウールたちの晴れの舞台を応援すべく、康二と二人、十四時間以上かけてアリゾナまでやってきた。
「へぇー!お前、なんでも知ってんじゃん。すげえ!」
「下調べは重要やろ?飛行機でしっかり調べておいたんやで。」
そう言って、スマホのメモを見せてくれた。
おすすめの観光地、レストラン、そしてお土産。
短い滞在時間でどのくらい実行できるのか。
「ハンバーガーショップくらいは、いけるんちゃう?」
移動車の中で地図とにらめっこしながら相談する。
タブレットを操作する康二の右腕には、いつか見た、ターコイズがあしらわれたバングルがきらりと輝いている。
「お前のそれさ」
俺は康二手首を軽く掴む。
相変わらず細い腕。
最近は照のトレーニングをしっかり行っているから、二の腕あたりはいい筋肉がついてきているが、ここはそう太くすることはできない。
「おん?」
「これ、映画でつけてたやつやろ?実物の方がええやん!」
「さっくん、相変わらずええ加減な関西弁やなぁ」そう言って、ふふっと笑う。
「にゃはは、康二といると移っちゃうんだよねぇ。いやでも、ほんと、このバングル、かっこいいよな」
康二は照れ笑いしながら、バングルをさすった。
「うん、これ、結構気に入っててん。ほら、夏っぽいし?なんや、アリゾナって感じしいひん?しらんけど。」
大切そうにしている康二を見ていると、あの映画を思い出す。
ずぶ濡れになった康二が心のままに叫ぶあのシーン。
普段ふざけている姿からはとても想像できないような迫真の演技。
「俺、あのシーン、大好きなんだよね。」
「直接言われるのちょっと恥ずいけど、ありがとうな。俺もさっくんの映画。何度も見よってん。ダンスもよかったけど、アクションさすがやったわ。」
そう言って、手で拳銃を作り、こちらに向ける。
俺も負けじと手の拳銃を康二に向けると、狭い車内でガンアクションごっこが始まった。
一旦ホテルに寄って荷物を預けた後、やっぱりハンバーガーを食べたい!と言うことになり、みんなでおすすめのハンバーガー屋へ向かった。
道中、大会の様子をライブ配信やインスタで確認する。
ラウールたちだけでなく、日本代表はみんな頑張っているようだ。
「俺、毎回自分が緊張してしまうんよ…。」
不安げな目線を俺に寄せる。
「もちろん、優勝するって信じてるんよ?信じてんけど、何かあったらどうしようって、思ってまうんよ…。」
康二の安そうな顔を見た瞬間、胸の奥に、冷たい水を一滴落とされたような気がした。
「わかる、わかるよ。どうしようもないハプニング、いつでもあるしさ。でも、俺たちのラウールを信じようぜ。な!」
そう言って、俺は康二の背中を叩く。
そうやな…と呟いて、康二は窓の向こうに目をやった。
たぶん、康二が欲しかったのは、そういう言葉だったのだと思う。
だから俺は、できるだけ明るく、何でもないことのように言った。
#宮舘涼太
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