君の味
ないふです。
「こう?」
「そうそう、うまいやん」
どうも、グローバルお兄さんのいふです。
今、何をしているかというと、
兄貴と一緒にないこへの弁当を作ってまーす!
あ、兄貴はサポートしてくれてるだけで、大体は俺が作ってます
「ないこって何好きやっけ?」
「うーん…唐揚げとか好きなんちゃう?」
「お、ええな、作るか」
「難しいね…あにきいっつもこうやって作ってるの?」
「んー、俺はただお前らの喜んどるところを見たいだけやからな」
「あにき…(トゥンク」
「よしっ、できたぁ!」
「おー、すごいやんまろ!」
結構うまくできたんちゃう!?
「早速届けに行くか!」
「うん!」
「ないこー、仕事お疲れ~!」
「あれ、あにき!それにまろまで!」
「やっほ、ないこたん」
スーツ姿で登場したのは俺の彼氏、ないこ。
やっぱりスーツ姿かっこいいな…と思いながら、俺は包みを手渡す。
「…?なにこれ」
「あのね、ないこたんに…弁当、作ったの…」
「え、まろが作ってくれたの?」
「うん…あにきに教わって…」
「めっちゃ嬉しい!ありがとうまろ!」
そう言ってだきついてくる彼。ふっ、と笑ってだきしめ返す。
「お仕事、頑張ってね。まろ、家で待ってる」
「うん!頑張る!」
「お、ないこ、それなにー?」
「あ、これ彼女が作ってくれた弁当」
「いいなー、俺も彼女ほしいわー」
「はは、応援してるよ」
笑いつつ蓋を開ける。
俺の好きなおかずやおにぎりが詰められた弁当。
「おー、お前の彼女スゲーじゃん」
「まぁね、世界一可愛いですし」
「お熱いねーw」
一口頬張る。
あ、美味しい…
どれも兄貴の味付けだけど、やっぱりなんか違う。
まろの味…って言うのかな、なんかそういう味がする。
10分ほどで全部食べ切った。
「あー、美味しかった」
「彼女にお礼言えよーw」
「もちろんw」
あ…そうだ。
俺は早めに仕事を片付け、あるところに向かった。
夜。
「ただいまー!」
「おかえりないこたんっ!ギュ」
いつもの日課、お帰りなさいのハグ。
力いっぱいだきしめた後、まろにキスを落とす。
「ん…」
「ありがとう、まろ。すっごい、弁当美味しかったよ。」
「よかった…」
ほっとしたような顔で俺を見つめるまろ。
「俺ね、決めたことがあるんだ。」
「なあに?」
「俺、まろと結婚したら毎日弁当作ってもらおっかなって!」
「えっ…///」
「だからさ、」
持っていた小袋から小箱を取り出し、両手で開いて膝をつく。
「俺と、結婚してください。」
「…っ///」
そう、早めに仕事を終わらせて、ジュエリーショップに行った。まろに似合う指輪はないかと探していると、
薄ピンクの宝石が埋め込まれた指輪、青い宝石が埋め込まれた指輪が置いてあった。
ぴったりだと思い、購入した指輪だ。
「ふふ…」
まろが俺の手を握る。
「よろしくお願いします…///」
「ふふ、ありがとう。」
まろの指に薄ピンクの指輪をはめ、俺の左手にも青の指輪をはめた。結婚式は…今週挙げるか。
「これからもずっとよろしくね、まろ。」
「うん、よろしく…ないこ///」
指を絡め、唇を重ねる。
あ…
甘い。
「君の味」完