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それから公園では、信愛と佳苗が向かい合って立ち、そんな2人を皆が固唾を飲んで見守っていた。
信愛は深呼吸をして「佳苗、お願い」と佳苗の目をまっすぐ見て言う。
「うん・・・わかった・・・」
佳苗はゆっくりと信愛へ歩み寄り、そっと抱きついた。
次の瞬間、佳苗の身体は溶けるように消えていき、そのまま信愛の身体へ静かに吸い込まれていった。
その場にいた全員が息を呑む。
茜が心配そうに声をかける。
「信愛?大丈夫?」
さくらも不安げに信愛の顔を覗き込む。
「なんか変な感じしない?」
信愛は目を閉じたまま、自分の内側を確かめるように深く息を吐いた。
「うん・・今のところは無いかな」
焔垂も心配そうに尋ねる。
「無理してないか?」
信愛はゆっくりと目を開き、穏やかに微笑んだ。
「大丈夫だよ」
そして交差点のある方向へ視線を向ける。
「とりあえず、交差点に行ってみよう」
「うん・・そうだね」
茜も頷き、一同は夕暮れの公園を後にした。
それぞれ胸に不安を抱えながらも、千歳が待つ交差点へ向かって静かに歩き始めた。
◇ ◇ ◇
古海商店街交差点。
夕暮れの空は次第に薄暗さを増し、住宅街の交差点は静まり返っていた。
信愛たちは目的の交差点へとたどり着く。
その瞬間だった。
「あ!」
信愛は小さく声を漏らし、その場で足を止めた。
異変に気づいた茜が振り返る。
「ん?どうかした?」
信愛は交差点の向こうを見つめたまま、静かに呟く。
「居る・・・」
さくらが思わず聞き返した。
「居る?居るってまさか・・・」
信愛はゆっくり頷く。
「女性が一人で立ってるのが視える」
その言葉に茜の表情が一変する。
「まぢでか!?」
焔垂も驚きを隠せなかった。
「まじかよ・・・」
信愛は目を細め、女性の姿をじっと見つめる。
「多分・・・春日井千歳さんだと思う」
その瞳には確信が宿っていた。
次の瞬間、信愛は何かを決意したように、一人で交差点に立ち尽くす女性へ向かって歩き始めた。
ある程度距離を詰めた時、信愛は足を止めて静かに声をかけた。
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「あなたは・・・春日井千歳さん?」
女性はゆっくりと顔を上げる。
しばらく沈黙が流れたあと、女性は信愛を見つめ返した。
「あんた・・・この前の」
その目には警戒と苛立ちが入り混じっている。
「なに?また邪魔しに来たわけ?」
信愛は静かに首を横へ振った。
「邪魔しにきた訳じゃない」
そして、真っ直ぐ千歳を見据える。
「あなたを・・・救いたいの」
千歳は鼻で笑うように眉をひそめた。
「はぁ?救いたい?意味わかんない
どんな立場で言ってるわけ?」
呆れたように吐き捨てるが、それでも信愛は動じなかった。
「昨日ここで、江古田飛鳥
って人からいろんな話を聞いた」
その名前を聞いた瞬間、千歳の表情がわずかに揺れる。
信愛は静かに続けた。
「あの時、飛鳥さんは私にこう言ってた」
一度言葉を区切り、千歳の瞳を見つめる。
「千歳さんは自分から走ってくる
車に飛び込んで、自殺したって」
千歳は何も答えない。
重い沈黙だけが2人の間に流れる。
しかし信愛はゆっくりと首を振った。
「けど、違うんだよね?」
千歳の瞳がかすかに揺れる。
信愛は一歩だけ前へ進み、静かな口調で真実を口にした。
「あなたはいじめに加担していた4人に──」
その声には怒りではなく、深い哀しみが滲んでいた。
「殺されたんだよね?」
コメント
1件
うわ、この展開…。信愛が♡♡♡じゃなくて「♡♡♡れた」って核心に触れた瞬間、ゾクッとしました。前回の飛鳥さんの話がここで繋がるんですね。千歳さんの「はぁ?救いたい?」って拒絶の裏に、やっぱり何か深い傷があるんだろうな…。佳苗が信愛に吸収されるシーンも、設定として興味深いです。この後どうなるのか、続きが気になります。