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そんな時ピンポ-ンと家のベルがなった。
『宅急便でーす。』有り得ない光景だ。
零は宅急便なんて頼まない。相手が敵組織の者だった場合暗殺される可能性が高いからである。なら、このベルは誰が鳴らした?
太宰?森さん?違う。
今ここで来る者と言えばただ一人
零はその場でニヤリ…と怪しく笑い
「ようこそ、さっきぶり」とその場で言った
その瞬間、壁を突き破りながら零達の居るリビングを何かが横切った。
それは玄関にあるはずのドアであった。何者かが投げてきたのだ。
ドアは義母の頭に直撃。身体は浮き、血を流しながら倒れた。ドアは勢いのまま其の儘部屋を横切る。
「邪魔するぞ」そこに居たのは
───ポール·ヴェルレエヌ
「あらあら、貴方にしては乱暴な入り方ね。”ポール兄”」揶揄う様な口調の零
「真面なもてなしも出来ないとは品格が落ちたのではないか?”マリア”」それを楽しむ様な口調のヴェルレエヌ
はなから見たら何処にでも居る様なただの兄妹だ。
警戒するも零に手で辞めるように促され警戒を解く中也。
「よくもやってくれたわね。許さないわよ!」話を遮るかの如く声をあげたのは義母であった。
「あぁ、君は確か俺とマリアが別れたあと弱っていた此奴を攫って自分で買っておきながら、自分の夫の意識が此奴に向きそうになったから暴力を振るうしか無かった脳の無い駄犬か、結局は別れたらしいがな」
「煩い!黙れ!其奴が悪いんじゃない!調子に乗って拾ってあげた恩も忘れてあの人に色目を使って奪おうとしたんですもの!」…逆ギレか、兄たちはそう思った。だが、零は
「お黙りなさい!!」声を荒らげた。辺りの空気はまるで別物
「夢ばかり見ていないで貴女は現実と向き合いなさい!だから、皆貴女から離れていくのよ!少し考えれば分かることでしょ!」拳を殴りつけた壁は凹んでいた。
「貴女が口答えしているんじゃないわよ!拾ってあげた恩を忘れた訳じゃないでしょ!恩を仇で返すつもり!?あ、そうだわ!貴女が返せないなら貴女のお兄様方のどちらかをくださいよ!人間としての心があるのなら!」頭から血を流しながらも意味のわからぬことを言い続ける義母。
異変を感じた零は自分より前に出ていた中也とヴェルレエヌを自分より後ろになるように引いたがヴェルレエヌは体重を掛け、引かれずにその場に留まった。
身体を引き摺りながらも血塗れの手でヴェルレエヌの服の裾を掴む義母。そんな義母の顔を掴もうとするヴェルレエヌ。
────私は人間ではない
その一言で周りの空気は一瞬にして下がった。
義母からしたら意味の解らぬ言葉だったからだ。
だが兄達は?意味が分からなかったから?違う
他の誰にも理解されない自分達の本当の姿だから
口にはしたくない言葉であるから
「ごめんね兄さん。兄さんの自己矛盾型異能の、荒覇吐の実験が行われたのは────
──────────”私のせい”なんだ。