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羽海汐遠
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#塩レモン
comi
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「さーて、返してもらおっかな」
「ま、待って!!一体何が起こってるの!?あなた達は誰!?」
香織がいち早く質問する。
「え、知る必要ある?君たちは落し物拾っちゃっただけ。それを返せって話。」
「わけわかんねぇよ…」
悠真がうろたえている。
スペードの男がボソボソと何かを話す。
「…ハートも…俺達のリーダーも、見つけないといけない…早めに済まさないといけない」
「その通りです。空間支配は完了しています。外敵に邪魔はされません。しかし時間がありません。」
クローバーの女が、壁からドロドロと流れ込み、その姿を露わにした。
手が足となり、頭が異様に大きく、植物のような触手が巻きついている。
「では、実行へ」
クローバーの女の触手が私達の手足を縛る。
「なっ…!!」
全員の動きを封じられた。
悠真と叶太は自分の能力を使い回避しようとしたが、なぜか通らなかったようだ。
「ふざけんな!!離せ!!」
スペードの男が私達を一人一人見る。
香織、悠真、愛菜、と見て行った。
何かを見透かしているような様子であった。
「火炎…ミラー…治癒…全て初級から中級…はっ…あまり強くないのが入ったみたいだな」
3人の前を通り過ぎて次は残りの4人、私達のところに来た。
「クローバー…こいつらを俺の前へ並べろ」
「はい」
触手で乱暴に引っ張られる。
「痛っ…!!」
4人ともスペードの男の前に並んだ。
「…」
まず春子、内田さん。
ずっと黙っていた内田さんがここで初めて口を開いた。
「能力なんて持ってない。さっさと殺して。」
「ちょっと…!何言うの!?内田さぁん!!!」
泣きながら春子が内田さんを止めようとする。
「そうよ!!こいつら2人ともただの人間なはずでしょ!?」
香織が横から口を出すが、クローバーの女によって口止めされる。
確かに、私の目でも春子と内田さんは『???』としか出ない。
何も状況が理解できず、私は黙って見ていることしかできなかった。
スペードの男はしばらく黙って2人を見ていたが、急に口を開いた。
「保護型…か」
保護型?
なんのことだ。
能力を持っていないのではないのか。
「この2人は…まだ殺さず残すべきだ」
そう言ってスペードの男は次に叶太を見た。
すると、衝撃的な発言をした。
「…俺を覚えているか」
「…!?」
叶太以外の全員が驚愕した。
叶太はこの男と面識があるとしたら、叶太は人間じゃない?
少しの間の後、叶太は諦めたように答えた。
「俺はお前を知らない。けど、この力はお前を知っている。そういうことだろ。」
「叶太…?」
「お前がこいつらに俺達を売ったのか!?なんだよ、仕返しのつもりかよ!陰キャのくせに調子乗ってんじゃねぇよ!!!」
悠真が逆上して暴れる。
「もうやだよぉっ…ひっく…」
春子はずっと泣いていて何もできない状態だ。
内田さんは無言。
香織はクローバーに口を塞がれて何も話せない。
分からない。
頭がもう回らない。
私は一体どうすればいいのか、こんな強大な力と謎の前に、どうすれば。
そう考えていると、いつの間にか私の番だった。
ダメだ、私が能力と呼べるのはこの目くらい。
抵抗は不可能。
汗が背中を伝って気持ち悪い。
全身に鳥肌が出ている。
怖い、怖い。
真弥……助けて…
もう死ぬと思い、震えてただ怖がっていたが、全く殺される気配がない。
突然スペードの男が目を見開く。
「お前…」
「えっ…..な…に…」
怯えながら聞く。
「どうした?スペード、その子になにか面白い能力でも?」
ダイヤの少年が聞く。
スペードの男は動揺しているようだった。
「なぜ…」
「おーい?僕にも教えてよー」
ダイヤの少年がスペードの男に近づこうとした時、スペードの男が急に歩き出した。
「….後にしよう、ハートを探してからでもいいだろう…」
「はぁ?もったいぶらないでよー!それにハートは僕が探しとくって。僕が探さなくて誰が探すんだよほんと…」
その時私は気が気じゃなかった。
私は何か変だったのだろうか。
そう考えているとクローバーの女が触手を離し、壁にズルズルと入り込んでいった。
「お2人はリーダーをお探しになってはいかがでしょうか。監視は私だけで充分でしょう。彼らに私を殺すほどの力は全く無いようですから。」
「あぁ、そう?じゃあ頼むよ。なんならスペードも来なくていいんだけどね。ハートは、さ…分かるだろ?」
「いや…手伝う」
「…そ、じゃよろ〜」
ドアの方へ向かう。
まずい、行ってしまう。
私は冷静になって、3人を順番に見る。
冷静になったことで、文字がよく読める。
クローバー、『超補助』
スペード、『パーフェクトガーディアン』
ダイヤ、『魔力総体』
内容を読め。
できるだけ情報を抜き取れ。
より集中して見る。
『超補助』、治癒、バフ、デバフなど、あらゆる補助能力を使うことができる。
『パーフェクトガーディアン』、全攻撃を受け流せる。
『魔力総体』、………..
読もうとした時、香織がダイヤの少年に火をつけようとした。
「死ね…死ねぇっ!!!!」
スペードの男がそれに気づいた。
「香織!!ダメ!!!!」
私は香織にそう言ったが、怒りで我を忘れた香織はやめてはくれなかった。
ダイヤの少年に火がついた時、すぐスペードの男が炎を床へ受け流した。
炎は早いスピードで床を流れ、香織の足元で止まり、燃え盛った。
「あぁっ…!!」
何とか避けることができたが、スカートの端が燃えて、太ももが露わになってしまった。
「俺達の前で…余計な抵抗はよせ、死ぬぞ…」
そう言って向き直り、進み始めた。
この教室、いや、この学校の空間はこのクローバーの女に支配されているようで、至る所に目のついた不気味な花が咲いていた。
香織も大人しくなり、皆しばらく呆然としていると、叶太と私がクローバーの女に呼ばれる。
「あなたとあなた。私はスペードと違って能力を読むことはできません。しかし、あなた達が何者かは分かっています。」
上品な雰囲気ではあるが、クローバーの女の言うことは全て感情がなく、高圧的である。
「この場の皆様にお伝えいたしましょう。能力を持つものの回収とハートの捜索、それが我々の目的であることは言うまでもありません。あなた方は後々死にます。いいえ、地球は死にます。可哀想な被害者であるあなた方を殺すことは私としても心苦しい限りでございますが、どうかその時になりましたら、余計な抵抗は控えるようお願いいたします。 」
「はっ…!?」
「ちょっと待て!俺らはある日唐突に能力持って、それのせいで殺されるってのかよ!」
「はい、その通りです。」
「どうして!?」
「あなた方は死にます。全ては無意味となる、ならば、何も知らない方がむしろ楽ではありませんか?」
私は思い切って、提案をした。
「あのっ…私達はどうせ、死ぬんですよね…?」
「ええ、間違いなく」
「なら、せめて…死ぬ前に知りたいんです!私達は、何に巻き込まれているんですか!?あなた方は一体誰なのですか!?」
クローバーの女が少し驚いた顔をした。
「あなた方は、自分は死ぬというのに真相を知りたいのですか?」
「何も知らずただ殺されるなんて黙って成仏できねぇな、俺は知りてぇ。」
叶太が答える。
「わ…私も」
愛菜も賛成派。
「わっ…私はいや!!!もう何が何だか分からないのになんで皆そんなに知りたがるの!?死ぬって確定してるんだよ!?おかしいよみんなっ…!!」
春子が騒ぐが、香織に押さえられる。
「あんたは黙って!!私も知りたい、少なくともこの状況で黙って死ぬのだけはごめんよ、賛成だわ」
「まぁ、知るくらいならアリ」
内田さんも賛成派。
クローバーの女が鬱陶しそうに答える。
「困りましたね。これから死ぬあなた方に教えることは私としては構わないのですが、生憎私は1番序列が低いのです。私の独断で全てを教えることはできません。…そういえば、あなた方は窓の外を知らないですね。私が支配して遮断しているので。この空間の支配は私がしています。私の管轄であることはお伝えできますが、外の様子でも聞きますか?」
「そんなこと別に…!」
「いや、待って」
外の様子を教えるということは、外でなにかが起きてる…?
「教えてください」
「よろしい」
クローバーの女が顔の位置を黒板の方へ移動し、全員に向き合った。
「ほんっと慣れねぇ…あの面」
「失礼ですね。では、話を戻します。あなた方は、外がまだただの日常のままだとは思っていないでしょう?」
「え…」
分かってはいたが、何かが起きてると分かると急に汗が出る。
「外では生物清掃を行っています。地球はもう生かしておけない惑星なのです。能力者が存在してしまった以上は。」
「待て待て待て、生物清掃ってなんだよ…?」
「その名の通り、我々の部下を使って現在世界各国で生物が殺されています。人間も例外ではございません。」
全員が絶望状態。
「この地域は…」
「正直、あなた達以外に生きてる人間は居ないと思われます。部下は、我々には弱くても地球に下ろせば間違いなく無敵ですから。」
「そんな…」
私達以外居ない?
もうこの地域の人はみんな殺された?
いやまさか、警察や自衛隊は?
「警察や自衛隊では手も足も出ませんよ。」
「っ…!」
読まれてる!?
超補助…そういうことか…
「ところで、この学校にはあなた方の後輩様で、1人能力者がいました。現在1つ下の階で待機させています。私から言えることはそれだけでございます。あとは黙って、死ぬのを待ってください。」
「あ…ちょっ!」
クローバーの女の顔が壁に溶け込んだ。
「もう無理だ…助からない」
「どうにかして逃げられないの!?」
「ダメ、あの花には目がついてる。全部見られてる。」
どうすることも出来ず、震えて待つことしかできなかった。
その時、少し奥の教室から声が聞こえた。
「ちょっと皆静かにして!」
私が壁に耳を付けるのを見て皆も耳をつけた。
クローバーの女の声だ。
かすかだが、内容が少しわかる。
「つまり…ハート、ロア様の様子がおかしいのですね?しかし、見つかったのなら良かったです。これから全員を連れて合流致します。」
どうやら彼らのリーダーが見つかったらしい。
「…なんですか?いえ、私の空間支配を破れるほどの能力を持つものは居ないですが…。 」
しばらくの沈黙。
「…….力の限りを尽くしますが、それは私一人では不可能です。……….はい、今すぐ防衛に行きます。」
私達は聞いてないふりをし、そこにクローバーの女が帰ってきた。
「予定が変わりました。今すぐ………」
ドォオォォォォォン!!!!!
クローバーの女の顔が壁ごと破壊される。
外から、何者かによって。
「全員外に出て!!!逃げるよ!!!!」
そこに居たのは体に見合わない巨大で神秘的な斧を持った、仮面を被った人物だった。
コメント
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いやマジでめっちゃ面白かった!! ラストの仮面の人物、なんだあれ! しかも「真弥...助けて」って心で呼んでた主人公、誰に助け求めてるんだ!? スペードが主人公見て動揺したのも気になるし、クローバーの「生物清掃」発言はヤバすぎる...(震) 早く続き気になるわ!!