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わたし達の「婚約者の心を掴むぞ計画」はまずは取り組みやすい自己研鑽からだ。


「クリスのがんばりたいことはありますか?」

さっき、クリス殿下に聞かれたので聞き返してみる。

クリス殿下は無言になって考え込んでしまった。


「あ、なければ無理には良いんですよ」

クリス殿下の長い前髪から辛うじて見えた眉間には深いシワを寄っていたので、慌てて前言撤回をしようとした。


「それが…あり過ぎまして」

「えっ?あり過ぎるんですか?」


クリス殿下がひとつ頷いた。

「わたしはダンスが壊滅的だ。それに流行にも疎い」


キール様には心当たりがあるのか、だな〜と同意している。


王都の流行?

そんなのわたしも知らないけど。

そして気にしたこともない。

王都のど真ん中で暮らしているクリス殿下も知らないんだ。国の隅っこで暮らすわたしと一緒ってこと?

ちょっぴり親近感が湧く。


「王都に住んでいる方たちはみんな、流行に詳しいと思っていたんですが、クリスのような方もいてうれしいですよ。わたしは辺境で暮らしているので、王都の流行に全く無縁で、1年に3ヶ月だけ王都に住んでも、馬や武器の補充の買い付けに忙しくて、オシャレなお店でショッピングもしたことがないし、いつも馴染みの店で全てが済みますよ」


よくわからない自慢をしてしまった。

キール様がわたしの話を聞いて、可哀想な子を見る目をしている。

そんな酷い話だった?


「では、クリス。王都でいまの「流行」を知る努力と、「流行の最先端」を行く勉強をお互いにしましょうよ!それにダンスはわたしは得意なので、特訓して差し上げます」


わたしは辺境で育ち、自分の身は自分で守れるように育てられたから、運動神経だけは発達したと思う。

本当にそこだけ発達したのよね。

もっと発達してほしいところは別にたくさんあるんだけど。


「おっ、シャンディはダンスが得意なんですね。俺はこの低レベルの3人の中ではまだ1番流行を知っているような気がするから、その辺を教えるよ」


キール様は3人の中では人当たりも良く、1番社交的そうなので、流行を押さえていそうなのはなんとなくわかる。


「以前からアドニスとのお茶会でショッピングに行った話やおしゃれな食べ物を出すお店の話を聞くんだが、さっぱりわからなくて聞くだけだったんだが、これで彼女の心を掴めるお店の話をすることができるようになるかも知れないな」


クリス殿下が目を細めて微笑んだ。

いま、クリス殿下はアドニス様と王都のおしゃれなお店のことを一緒に楽しく会話をしている場面を想像したんだろうな。

クリス殿下はアドニス様のことが好きなんだとよくわかった。



「シャンディはペイトン殿と王都でデートをしたことはないのか?いつから婚約していたんだ?」

キール様が不思議そうに聞いてくる。

デート?

そんな言葉を忘れていた気がするというか、初めて聞いた。

もちろん、デートという言葉もなにをするかも知っている。

ただ、自分に取って無関係だと思っていたから、想像もしたことがない。


「婚約はちょうど1年前の今ごろですね。そして、デートは残念ながらまだです」


ふたりが息を呑んだ。

わたし、そんなに変なことを言いました?

辺境伯令嬢、殿下とお互いの婚約者の愛を掴もうと奮闘しましたが、どうやら拗らせたようです

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