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とあるゲイのたわごと。

4 - 第4話 母の子守唄

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2025年07月20日

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ふとした時に、私の脳内で時々再生される歌がある。 

 それはまだ保育園に通っていた幼い頃、枕元で母が歌っていた子守唄だ。

 

 小さい頃の記憶は普段あまり思い出さない方だが、その子守唄だけは、脳内で打ち上げ花火が上がって、パッと開いたように、急に思い出がよみがえるのだ。

 

 あの畳の部屋の古びた井草の匂い、枕元に置いてある暖色のスタンドライト、それに天井の木目の模様と吊り下げられた照明器具。周囲の光景までが鮮明に蘇って、どこか懐かしい感じに襲われ、時々あの頃に戻りたくなる事がある。


まだ幼かった私は、とても臆病で、いつも暗闇に怯えていて、夜がとても嫌いな子供だった。

 

 特に天井の木目が顔のように見えて、今にも襲いかかってきそうな感じが苦手でびくびくしていた。

 

 そんな時には、母は私の布団に横になり、いつも子守唄をささやき、私のお腹を掛け布団越しにトントンと寝かしつけていたのだ。

 

 歌詞はなぜか印象的で覚えていたが、曲名までは幼かったから知らなかったし、なんとなく母に聞かなかった。

 

 最近、キッチンで洗い物をしている時に、ふとその歌詞がの脳内っで急に再生された。

 

 私は、洗い物を済ませ、スマホでその歌詞をユーチューブで入力したら、見事に出てきたのだ。

 

 曲名は「エンゼルはいつでも」という、森永製菓のCMソングらしいのだ、、、。

 

 私はそれを知り、「えっ、なんでこれを子守唄にチョイスしたのだろう」と思い、急に笑いが込み上げた。

 

 まぁ、母の事だから、大した意味もないのだろうけど、いかにも母らしいなぁ、と思い、ニヤけてしまった。

 

 そんなこんなで、曲名を知れてスッキリしていた頃、相方が、最近寝付きが悪いという事を話していた。

 

 確かに同じベッドで寝ている時、モゾモゾとしていて、落ち着きがないと思った。

 

 試しにその子守唄で寝かせ付けようと思い、囁くように歌ってみらたら、相方が真面目な顔で、「余計眠れなくなった」と言った、、、。

とあるゲイのたわごと。

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