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カントリーヒューマンズBL集(自己満)

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カントリーヒューマンズBL集(自己満)

1 - 日帝がナチスとイタ王に嘘コクしたら何方からもok貰えた話①

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2023年01月25日

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日帝がナチスとイタ王に嘘コクしたらどちらからもOK貰えた話


◇◆◇◆◇


嗚呼、どうしてこんな事になったのだろう。







事の発端は数日前、侍女であるトキを侵入者と間違え斬りかかってしまったことだった。


「本当にすまない……」

「もう大丈夫ですから。お顔を上げてください」


大丈夫というトキの腹にはグルリと何度も包帯が1周しており、怪我が重症なのは確かだ。それなのに大丈夫というトキにはおべっか精神と言うべきか、何事も兎に角穏便に済ませようとする日本人特有の精神性が顕著に現れている。

だがしかし、女性に重症を負わせ、包帯も取れていない間に「大丈夫」と言われても、そんなの日本男児として黙っていられない。何としても償いたい。しかし、トキはそれを頑なに拒絶する。


「トキ、私はお前に償いたい。重症を負わせたのだ。お前の頼みは何でも聞く」

「ですから………ん?先程何でも…とおっしゃいましたか?」

「嗚呼、何だってする」


フム、とトキが唇に手を当て少々考え込む。何でもする、という言葉に嘘偽りは一切無い。主従関係ではあるが、長年自分に良くしてくれた人物の一人である。掃除でも食事でも、腹を切れというならそうする。文字通り何でもする心積りだ。

しばしば考え込んだトキが、でしたら、とようやく顔を上げ─────


「でしたら、ナチス様とイタリア王国様に”そういう意味で”告白して下さい」


─────予想を大きく覆す頼み事をした。


◇◆◇◆◇


コツコツコツ

人っ子一人居ない廊下を足音を鳴らしながら歩く。右手で資料を持ち、思い足取りで進んでいく。原因は一つ、予想もしなかったトキからの頼み事。


『はあ!?先輩方に!?』

『はい。何でも聞いてくれるんですよね?』

『う…』

『そうそう。告白して断られたらネタばらしをしても良いですけど、そのままオーケーが貰えたらネタばらししてはいけませんよ?』


あの後のトキとの会話を思い出し、頭痛がしてくる。どう考えてもオーケーが貰える筈無いのだが、どうしてオーケーが貰えた場合、ネタばらしをしてはいけないのか分からない。考え込んでいたら頭痛が酷くなった気がした。嗚呼、知恵熱と言うやつか。後で氷を貰おう。

そんな巫山戯たことを思いながら進めば、あっという間にナチス先輩の執務室へ着いてしまった。

トキからの頼み事は告白して、というものだけだったので何時、どのタイミングで言うからは私次第だ。出来ればさっさと済ませたい。よし、告白しよう。もし引かれたらキレて先輩を斬ってしまうかもしれないが、まあいいだろう。

コンコン


「先輩。日帝です。資料を届けに来ました」

ガチャ

「早かったな。中へ入れ」

「……先輩。扉は自分で開けるので、わざわざ先輩が開けなくても…」


ナチス先輩は何故かノックをして相手が名乗った後、決まって先輩のほうから扉を開けに来る。何故わざわざ開けに来るのか分からない。片手が塞がれるし、もし部下を語った侵入者だったらひとたまりも無いだろうに。

流れる様な動作で私を中へ入れ、扉を閉めた先輩は何でもない様な顔で言った。


「安心しろ。お前の時しか開けに行かない」

「何故私の時だけなのですか?」

「お前は小さいからな。扉を開けられるのか心配でな」


ムカ。ニヤニヤして言ってくれる先輩に思わず怒る。確かに私は列強国の中では小柄な方だが、ナチス先輩だってそんなに変わらない(私とナチス先輩とで”strong kids⟬強い子供たち⟭”と度々からかわれる)。それに私とて日本男児の端くれならぬ象徴のようなものだ。武道への妥協は一切していない。それなのに、まるで【扉も開けられない華奢な子供】と言われている様で腹が立つ。今すぐ斬りたい。今すぐ仕返ししたい。

ん?仕返しならばあるでは無いか。それも、とびっきりの奴が。幸い扉は閉まっており、外に声が漏れる心配は無い。やろうではないか、仕返しを。此方の反応を面白がるかのように見てくる奴を泣きっ面にしてやる。


「ナチス先輩」

「何だ?」

「好きです」

「は、」

「好きです」


困惑に顔を染め、目を見開く先輩へ後押しのように復唱する。顔を僅かに近づけ、腕を軽く掴む。


「好きです」

「、」


先輩の顔が赤みがかる。ふむふむ、先輩は私の思っている以上に初心なのかもしれない。こんな告白で赤くなるとは、先輩の弱点を見つけた気がして気分が良い。よし、そろそろネタばらしを「日帝、」


「それは…本当か?」

「え?」

「だから!…俺の事が好き、と…」

「え、はぁ…まあ…そうですね」


先輩の顔は最早トマトと見間違う程赤くなっており、言葉が少々たどたどしい。慌てて『そうですね』と答えてしまったが、本気だと思われたか?いや、なら赤くなるのではなく青くなるのが普通では?


「日帝」

「あ、はい」

「俺も好きだ」

「え?」

「両思い…という事で良いんだよな?」

「えっ」


なんてこったい。嘘コクしたら先輩がまさか私の事を好きだなんて。ネタばらしをしようにもトキから成功した場合駄目だと言われてしまっている。どうすれば良いんだ。


「付き合うという事でいいか?日帝」

「え、あ、いや…ちょっとそれは…」

「どうした?何か問題があるか?」

「問題というか…大問題というか…」


問題はある。おおいにある。先輩と私は男同士だし、それを除いたとしても国だ。国同士のお付き合いなど同盟相手で充分…そういえばナチス先輩同盟相手だったな。いやいや!そもそも私達は男だ!日露戦争の時は協力を仰ぐ為にイギリスと付き合ったが同盟と共にその関係も解消している。それとこれとは別問題だろう。


「日帝?」

「……」

「…日帝」

「……」

「────大日本帝国」


ガンッ


「うぐっ!?」


腕を引かれ、執務室の机に押し付けられる。首を腕で圧迫され、慌てて起き上がろうとした事で、先輩の手に銃が握られているのが見えて背筋が凍った。起き上がるのを辞めて、顔だけ先輩の顔を覗き込むように見てみるも、丁度部屋の灯りと被って上手く見えない。


「日帝」

「…は、いッ」

「貴様は俺の事が好きなんだような?そう言ったもんな?」

「せんぱ…」

「まさか……嘘な訳がないよな?」


ググッ

首を強く圧迫され、呼吸が上手く出来なくなる。我々は国だから死にはしない。死にはしないが痛覚が無いという訳では決して無かった。

口の端から飲み込みきれず溢れた涎が伝う。生存本能から何とか腕をどかそうと先輩の腕を引っ掻くが、軽くいなされた。ならば、と足をバタつかせるがそれも意味の無いものに終わった。


「せんぱ、いッ…く、る”し…」

「質問に答えろ。アレは嘘だったのか?」

「ちが…ぁぐッ…」

「そうかそうか!嘘ではなかったか!嬉しいぞ日帝!」


これで晴れて恋人だ!と無邪気に笑う先輩へ、訂正しようとしても腕は未だに退かされていないので何も出来ない。徐々に不可能になる呼吸に無理やり空気を吸い込もうとしてヒュー、ヒュー、と喉から音が出る。両腕は先輩に縋り付くようにスーツを掴み、足は痙攣しガクガクと壊れた玩具の様に動いていた。

あ、死ぬ。

目が段々上へ剥き、涙の膜が貼り先輩の姿が良く見えない。意識が徐々に薄れていくのを感じる。力が入らずスーツを掴んでいた腕が垂れる。嗚呼、これは本当にまずい。


「ん?嗚呼、すまない。腕を外すのを忘れていた」

「──!…はひゅッ、ゴホッゴホッ」


唐突に無くなった首への重圧。窒息寸前の状態で一気に吸い込んでしまっ為、激しい咳が出る。先程までの脱力感が嘘のように全身が自由に動いた。


「日帝すまない。無事か?」

「せ、せんぱい…」

「どうした?あ、涎が…」


レロッ

口の端から垂れていた涎を舐め取られた。そのまま流れるように軽くキスされる。しかし、窒息されかけた驚愕と恐怖からか乙女らしく赤面することは無かった。


「日帝、日帝」


首に手を通され、一瞬首を絞められるのかと思ったが、優しくハグをされただけだった。服から伝わる体温は何時もの先輩のもので、自然と安心できた。

ハグをされたまま頭を優しく撫でられ、先程自身の首を絞めてきたやつと同一人物なのか疑問が浮かぶ。が、取り敢えず心地いいのでそのままにしておく。

そのまま暫く撫でられていたが、唐突に先輩が顔を上げ、


「浮気したら殺す」


と血走った目で言った。死なない不死身の体を持つ自分を一体どうやって殺すつもりなのか、と馬鹿な感想が浮かんだが、先程までの暴挙を思い出し何も言わずに先輩の背中へ腕を回した。


◇◆◇◆◇──ナチス編終了──



こんにちは由珠です。

取り敢えず滑り止めの私立が受かって、本命の受験がまだ先だったので書きました。

このシリーズでは色々なカントリーヒューマンズのBLを書いていきます。

カントリーヒューマンズではアメリカと日本とナチスが推しです。

ナチス×日帝だったらナチスはヤンデレというか独占欲高めでいて欲しい。

あ、次回あったらイタ王編です。


因みに日帝の侍女のトキの設定⤵⤵


トキ・・・日帝の侍女。腐女子。外見は大和撫子だが日帝受け過激派。

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