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第1章 第一話 星の英雄
僕が住む星の名は【惑星クロノス】
僕達は【クロノス人】と呼ばれ、優しくて穏やかな性格をしている。
僕の名前はウカビル(男)15歳だ。
______
「….朝か」
目が覚めたウカビルはベットから起き上がり窓の外を眺める。
窓の外に広がる雲一つない青天を見つめ、僕は小さく頷いた。
「起きるか」
自分の部屋から出るとリビングで母が朝食を作ってくれていた。
「ウカビル、先に顔洗ってきなさい」
「はーい」
洗面台へ行き、顔を洗ったあと鏡に写った自分の顔を確認する。
「よし!」
リビングへ向かい、朝食を食べながら
テレビを見ているとニュースが流れ始める。
「今、クロノス星全域で謎の行方不明事件が多発しています。外出の際はくれぐれもご注意ください。」
最近、行方不明になるクロノス人が多くなってきているみたいだった。
「怖いな…」
ほとんどのクロノス人は大した力も能力もない。
しかし、稀に超パワーを持ったクロノス人が産まれることがある。
そのほとんどが子供の頃から強制的に【時の使者】と呼ばれる警察的役割の職に就きながら学校と両立し生活をしている。
僕にはそんな力はない。だけど大切な人やみんなを守れるように日々の特訓を続けていた。
「学校行ってきまーす」
朝食を食べ終えたウカビルは昨日のうちに準備していた学校のバックを手に取る。
扉を開けて家を出ようとしたその瞬間、目の前が急に真っ暗になる。
「えっ?」
目の前の光景に驚いたウカビルは何度か瞬きをすると元の光景へと戻った。
「なんだ今の…」
後ろを振り返り、さっきまでリビングにいた母に声をかけようとしたが別の部屋に行ったのか母の姿はなかった。
「まあいいか!」
特に気にもとめず家を出たウカビルはいつもの学校へ続く一本道を歩いていると…
「あれ?」
周りには誰もおらず、なんの物音もしない。
まるでこの世界の時が止まってしまったかのようだ。
変だなと思いつつも学校への一本道を進んで行く。
いつもならクラスメイトや親戚の方に会ってもおかしくないはずなのに。
朝のニュースのことが脳裏によぎり、急に体が震えだす。
「い、いやまさか…」
不安になりつつ早足で1秒でも早く学校へ急ぐ。
今思えば、目の前が真っ暗になった時に、母がいるかちゃんと確認すればよかったと後悔する。
すると突然、学校側の方から1人の男性が歩いてくる。
「あ!他にもいた!よかったー」
安堵のため息を吐き、早歩きだった足は徐々にゆっくりになる。だが…
「っ!?」
ウカビルは目の前の歩いてくる男性を見て驚いた。
なぜなら今まで見たことないような格好をしていた。
男は真紅の長いコートをなびかせ、大きなシルクハットを被り、口元しか見えない。
手にはパンパンに膨らんだ土嚢袋を肩に担いでいる。
男はそのままウカビルの前に立ち塞がった。
「はじめましてごきげんよう!私は宇宙天才大泥棒のドロップだ」
「ど、泥棒……? でももうすぐ授業が始まる時間なので! 泥棒がこんなところで何をしてるんですか!」と、非常事態なのにウカビルは学校のことを気にした。
「ハハハ!バカだな!今きみは僕の力の影響を受けている!」とドロップは言い放ち、手に持っていた袋を広げる。
その瞬間ウカビルはすごい勢いで袋の中へ吸い込まれそうになる。
「ぐぅ、なんだこれ!?」
この力【ワールドスティール】の影響を受けた者はドロップ以外誰からも感知されず、感知できなくなる。
そして土嚢袋の中へ吸い込まれたものは、永遠に脱出できなくなるのだ。
ウカビルはニュースのことを思い出し、最近の行方不明者の原因がこいつだと確信した。
「まさか、こいつが!?」
そしてウカビルはきっと土嚢袋の中に盗まれたみんながいるのではないかと悟った。
しかしなんの力も発揮できず、ウカビルはドロップの土嚢袋に吸い込まれていった。
#恋愛
n217(エヌ・ニイナ)
976
チタコロ
47
#鬱展開
Mist-404
748
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」
ウカビルはそのまま意識を失った。
すると突然、頭の中に誰かの声がした。
その声は銀河の底から響いてくるような、絶対的な力に満ちた声だった。
「クロノス人の少年ウカビルよ、お前に力をやろう。」
ウカビルはゆっくり目を開けるとそこは何もない世界が広がっていた。
「ここは土嚢袋の中か?」
「違う。ここはお前の心の中だ」
謎の声を聞いていると、まるで落ち着いてくる、ウカビルは謎の安心感に包まれた。
「力って?」
「私がお前に与える力はお前の運命を変える。その名を【青龍】。この能力を発動すれば数倍の力とスピードを発揮できるが後に使用量に比例しダメージを追う」
ウカビルは迷いなく答える
「みんなを救うための力がほしい!」
拳を高く上げる。
「よかろう」
その後ウカビルの心に語りかけてくる謎の声の主はしなくなった。
その瞬間、ウカビルの体全身に青いオーラが放たれる。
「これが…青龍…」
そして青いオーラを一気に解き放つ!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお」
すると突然、空間が割れ、ドロップの土嚢袋が破裂する。
「なにっ!」
ドロップは驚き、腰を抜かした。
そして世界にドロップに盗まれた行方不明者が次々と解放されていく。
そして…
「おい、覚悟しろよドロップ!」
ウカビルは日々の特訓の成果をここで発揮するため、拳を強く握りしめた。
狙いは腰を抜かしたドロップに見定める。
青龍のオーラが握りしめた拳に集まる。
「これは俺が今まで特訓して編み出した俺だけの技だ!くらえ!リュウキ・イチゲキ!」
青龍の力がなければただのパンチだ。
しかし青龍のオーラを纏った拳はドロップを宇宙の彼方へ吹き飛ばした。
「ば、ばかなぁぁぁぁぁあああ」
ドロップは星となり、宇宙の塵となった。
そして____
ウカビルは青龍の力を使った代償がすぐにきた。
「ぐ、ぐぁあぁあぁあ」
全身に痛みが走り、ウカビルは耐えれず一瞬で意識を失った。
_______
そして数日が経った…
窓から差し込む柔らかな光が、ウカビルの瞼を叩く。
「うぅ…ここは…」
目を覚めると知らない天井だった。
あたりを見渡すとどうやら病院の中のようだ。
「僕は…」
視線を動かすと、ベッドの脇で自分の手を握ったまま眠っている母の姿があった。
夢じゃなかったんだ。
ウカビルは、痛む右手の拳を見つめた。
宇宙天才大泥棒を吹き飛ばした、あの青き運命を変える力【青龍】
この力があればみんなを守ることができると確信し、ウカビルは気持ちはいてもたってもいられなくなった。
「……母さん、ただいま」
コメント
1件
うわあ、第1話からすごい展開だったね…! ウカビルが目覚めた朝の日常から、一気に異質な空間に引き込まれて、泥棒ドロップとの対決、そして「青龍」の覚醒…。特訓してきたことがちゃんと力になって、みんなを救うために迷いなく力を受け入れるウカビル、かっこよかったよ。最後の「母さん、ただいま」にじんときた。続きがすごく気になる…!