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よし、強くなろう!


確か、この後は大会で…



「ちょっとちょっと、黙りこんでどうしたんですか?悩み事ですか?なら、このティーナにお任せあれ!!私は心の治療も得意ですよ!」


私が考えていた時に、ティーナの声が私の脳内を横切った。


「心配してくれてありがとう。大丈夫、悩み事じゃないよ。」

「ん〜?」


本当にぃ?と言わんばかりの表情で私の顔を覗きこんできた。

私はどんな顔をすればいいのかわからなくなり、ちょっと困った顔を浮かべた。


すると、小さく「ま、いいんだけど…」とティーナは呟いた。

ちなみに私は耳がいいので聞こえたが。というか、この世界の話を創ったの私だし、全部お見通しなんだけど。


「では!そろそろ向かうとしましょう!!私が遅れちゃったので、ちょっと急ぎましょっか。」

「うん。行こうか」


というように、会場に早足で向かった。




この物語を、私の記憶の引き出しから引き出す。



この世界の物語は、私が死ぬと世界が消えてしまう。

具体的に言えば、私が死ぬと世界の秩序が乱れてこの世界ごと消える呪いをもつ少女の、そんな小さな小さな売れない漫画の話だった。



でも、私は嫌だ。


この世界の主人公「エル」。…まあ今は私だが、強くなるごとに寿命が減ってしまう力を誰かに植え付けられてしまったので、生きるために他の世界に消えて、孤独で死んでしまうバッドエンドのお話。


…けれど、まだわからない。

私がその物語を改変することができるなら、この物語通りに事は進まないはずだ。


だから、孤独で死ななくて、みんなで生きるために、私は強くなりたい。



ーーー心も、体も。




でも、そうはいかない。

結局、寿命が擦り減り死んでしまうかも知れない。そんなの望んでいない。

この寿命が、擦り減らない方法を模索しないと…



…私は死んでしまうんだ。



自分に言い聞かせると、凄く泣きたくなってしまった。

それほど嫌なんだ。




「わあ!つきました!めっちゃ広いです〜!ねっ!」


ティーナは笑って振り返った。



「そうだね、凄い広いな〜…」


と言うと、ティーナは不思議そうにこちらをみた。



「…今日は、やっぱりなんか変ですよね?」

「そう?…いつもと同じだよ」


私はこの状況を知られたくないので、誤魔化した。昔からよく嘘はつくが、それでも罪悪感は消えないものだ。



…どうしよ。

大会に出た後は、強くなろう!ってやる気が出ちゃう未来なのだ。



「私、“やっぱり”大会出たくなくなっちゃったな」

「え!?ここまで頑張ったんですよ!?」


ティーナは驚きを隠さずに感情を表に出した。

でも、変えることはない。



「ううん、だからこそ全力を出したくないんだ。」


そうすると、私に“強くなれば強くなるほど寿命が減ってしまう力”を植え付けられるから、私は出たくない。



「?そ、そうでしょうか??…いつもと違うのに、いつもと同じですね…」


ティーナは黙りこみ、いきなり口を開いた。



「やっぱり頑固なエル様に一生ついていきます!!だから、エル様は座って待っていてくださいね!!」


と言って選手の列に風のように走っていった。


うん、わかった。

私、待ってるからね。


だから、私も“今の目標”に向かって頑張るから。



私は、心に留めて反対の方向に一歩歩き出した。




私は今、どこに向かっているかというと…


「病院…」


そう、病院だ。

病院なら、何かわかるかも。誰かの“能力”…

能力というのは、その者が持つ特別な力、普通の者にはない力である。


だから、誰が私に、強くなれば強くなるほど寿命が擦り減る力を与えたのか、調べる必要がある。


それに、ここは「能力科」。

きっとわかるはず。

けれど、このままでは私はその力を与えられてしまう。


これは、私の物語では明らかにしなかったし、もしかしたらこの世界では少し違うのかも知れない。

実際に、話す言葉も少し違う。だから、もしかしたら、“運命は変えられる”のかもしれない。

そのことを信じて、私は祈りながら病院に入る。




ーー待つ。ただ、呼ばれるのを待っている。



「エルさ〜ん」



私の名前、本物ではないその主人公の名を呼ばれたー。

私が創った漫画の世界に異世界転移しちゃいました!?

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コメント

4

ユーザー

すご!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ これからも頑張ってください。

ユーザー

可愛い可愛い素敵です!👏

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