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コメント
2件
偽装なのよね、でも違うのよーー😫 お互いまだ気持ちを伝え合えてないだけ…あーーもどかしい🥺
桜ちゃん豚まん喉詰まらせないでね🥹 ま、偽装なんだけど…😓 お互いちゃんと思い合って愛し合ってんのよねこれが😢 なんとも説明しがたいね😭
静まりかえった、山田旅館大厨房の茶色い会議テーブルに、突然バンッと重い音が響いた
桜がお盆ごとテーブルに置いたのは山ほど積まれた肉まんだった、湯気がほわほわと立ち上り、白くて丸いそれらが整然と積まれている
さっきまで白無垢を纏っていた花嫁は今、黄色いポロシャツに白のコットンデニムという姿で、仁王立ちになっている、桜はすっかり着替えてお化粧も落としたのかすっぴんだった
桜は両手で肉まんをガシッとつかむと、そのまま豪快に頬張り始めた、ガツガツと、およそ花嫁らしさのかけらもない食べっぷりで
「絶対、この島の語りぐさになるな・・・」
入り口の戸口に政宗が腕を組んでもたれて、その光景を眺めていた、彼はまだ冠婚葬祭用のブラックフォーマルで真っ白のシャツに腕まくりをし、ネクタイは外され、第三ボタンまで外していた
「大丈夫? 君は変わらないな」
政宗が静かに言って、ガツガツ食べている桜に近づいて来た
「女将さんと喧嘩したり、嫌なことがあるとそうやってよくやけ食いをしていたね」
桜は答えなかった、ただガツガツと食べ続けた
「なによ! ジンさんのバカ、バカバカバカ!」
やがて桜が口を開いた、肉まんを片手に持ったまま、桜の大声が厨房に響いた
「百歩譲って逃げたことは許せるわ!!確かに偽装国際結婚は重荷だった!」
ひとつ、息を吸って、喉に詰まったものを水で流し込んだ、やがて桜の唇が再び開いた、今度の声は低く、それでもぎりぎりのところで感情を押しつぶしながら言った
「だけど!もっと私に何か言うべきことは、あるんじゃない?」
またガツガツ食べながら言う、くるりと振り返って、政宗に向かって三本指を高く掲げた
「3年よ!3年間!私は彼の傍で働いたわ!来る日も来る日も!彼のことは誰よりも分かっていたつもりよっ!」
一度言葉が詰まった、それでも続けた
「結局ただの取引だったのよ!ああ!もう頭がへんになりそう!ジンさんなんか大っ嫌い!彼の考えていることがまったく分からないわ!このまま黙っていればうまくいったのに!!」
言葉が尽きると、二人っきりしかいない厨房がまた静かになった、畳の上に、桜の荒い息だけが聞こえた
「本当に偽装婚だったんだな、てっきり騙されたよ・・・」
驚いた正宗が目を丸くして言った