展開世界③ 水族館
「ごめん、待った~?」
もしかして女の子……!?
と思ったらスタイルのいいイケメンだった。
「え、らんくん?」
「あ、あぁ…ちょっと考え事してて…w」
「えぇ~?w なんかいつもと違う?w」
「しっかりしてよね~、」
「らんくんさ~、距離遠くない??w」
「いやいやいや……、だって…ね??」
女の子みたいに接しちゃうじゃん…、!!!!!
「いつもは抱きついてくるくせに~、w」
「なに、?緊張してる?ww」
「き、…き、緊張なんてしてない、!!!」
「ふぅ~ん?w」
そんな他愛のない話もしていた頃、俺はあることを考えた。
この時…この空間…この時間が終わったら全て明日になったら忘れちゃう、と。
全くもって明日にこの記憶がないと思っている訳では無い。
でも……俺には永遠にない時間、…無駄にしていいのか?
展開世界③ 駅前
「じゃ、らんくん今日1日ありがとね!!!」
「ん、…気をつけなよ?」
「もぉ~、!!!」
「いつものらんくんと違いすぎ…!!!」
「誰かと人格交換したの!?」
「はぁ、…?w」
「んなわけないやろ…、w」
〝もっと話したい、もう少し俺らしくしていたい〟
展開世界③ お店
「じゃあ記念としてキーホルダー買お!w」
「いいやん、俺サメ~w」
「はぁ!?」
「普通こさめがサメやろ!!w」
展開世界③ 駅
「らんくんサメだったから交換で~、w」
「はぁ、!?w」
「まぁ……いいけど、…」
鞄に付けてみても俺には可愛すぎる程のキーホルダーだった。
ありがとね、そんな言葉を漏らした後に…
見えたのは空。聞こえたのは君の「君の負けだねっ、♡」と言う声だった
?¿世界
目が覚めると既視感のある声、髪型が並んでいた。
「みこと」、「すち」、「こさめ」。
寄ってみても3人は動きも、目を開くことすらもしない。
……何分も何分も待っても現状は変わらなかった。
あの人は6つの試練と言っていたはずだ。
ならあと2人……
「ん、じゃ次行こ~!!!」
声が聞こえた方向に頭を向けた瞬間、光に包まれた。
展開世界④ 遊園地
珍しく1人だけだった。
寂しげに思いつつも子供が泣いていた。
…どうでもよかったのに、
「君、どうしたの?」
「…おれっ、おれぇっ、…!!!」
「かぁっ、さぁ…とぉ、…っ、はぐれちゃっ、ってぇっ…!!」
下手に肩で息をしながらこの子は言った。
「あぁ…、お名前教えてくれるかな…、?」
「おかっぁ、さんっにッ、…!!」
「しらっなぁッ、ひとにぃっ、おしえちゃっ…、だめっ…、ってぇ”っ、!!」
「ん~、…… 」
「じゃあ俺に着いてきて…?」
「おかっぁ…っさは、ついてく、っ…のもだめッ、ってぇ”ッ…!!」
なんて面倒臭いんだ……。
いや、…ここは親の教育を褒めるべきか…、
「じゃあお母さんが来るまで一緒に喋ってよ…?」
「ぅむ…っ、!!」
とは言っても……気まずい。
何をしようか…、今どきの子はスマホだろうか……
と高校生なりに考えてはいたが解答は出てこない。
気がつくと隣に子供の姿はなく足を踏み出そうとし、
正面を見てみると お母さんらしき姿が。
「あ、…あなたね!?」
「私のかわいい息子を誘拐したのはっ、…!!!!」
周りにいる人の目がすべてこちらへむく。
……気持ち悪い。
さっきの子供なんて笑った顔でこちらを見る。
…だから嫌いなんだよ子供は。
「あ~、そう。」
「そう思ってもらって構いません。」
今の俺の姿は大人。
高校生らしき姿は見せちゃダメなんだ…。
「なっ、…何よあんた!!!!」
「かぁっさぁ、っ…?」
一見怖くて脅えている子供だが俺の目から見たお前は……
〝悪魔でしかならない〟
結果的にスタッフさんが駆けつけ、監視カメラを見、俺は無罪が確定。
親はスタッフに話を聞かされている。
これこそが復讐とやつか……?w
一方子供は何も無かったかのように俺に近づく。
「おじさん、なんで俺を誘拐したのさ、」
「君まだ引きずってるの?」
「君のお母さんは嘘をついていたんだよ」
「……っ違うし、ッ…!!!!」
「君はまだ子供だから分からないかもしれないけど、君のお母さんは罪を犯したんだよ。」
「……罪なんかじゃない」
「君は子供だから分からないだろ?」
「子供なんか…じゃない。」
「大人なんかがこの世の中を支配してるんじゃねぇよ…」
「…俺は暇72。……なつだ。」
「覚えておけ」
言葉の威圧感、子供とは思えない目付きて全てを俺の体が拒否した。
「じゃ~ね、おじさん、♡」
救急車の音が遠ざかっていく………。
次は闇…?耀 …?
?¿世界
まただ。
人形…人間がまた増えている
今度は…なつ、だろうか…?
今回で5つ目…あと2回…それを乗り越えればこの地獄が終わる…。
展開世界⑤ 保育園
「せんせ~っ!!!」
寝ていてだるかった体を起こす。
「はいはい…、どしたの~、?」
「いるませんせ~がねっ!!!」
「らんせんせ~に聞けばわかるって!!!」
「ん~っと、…どれ?」
「これ…!!!」
数学の方程式……?
は???
幼稚園…いや、保育園でこんなのやるか???
「ん~っとねぇ~、w」
「ぇ、らんせんせ~、わかんないの~?」
このクソ生意気なガキ……大人になったら見返してやる、と思い名札を見てみると、
「うわぁ~、…らんせんせ~、なっちゃん泣かせた~!!」
そう、なつだった。
しかもそのチクってるのはこさめ……
いや、…どういう世界……
「あ、ち~っす、」
「ぁ、おい!!!」
「なんすか、おいって」
「もしかして告白っすか??w」
「違ぇわ!!!」
「お前……全部俺に任せるな…!!!」
「なんすか~?」
「また子供の愚痴っすか??」
「…もうお前のこと嫌いだわ」
「ぁ、あざま~すっ☆」
はぁ、…教論にこんなにウザイやつがいるとはな……
ってかなつもこさめもいるんだったらみこととすちも……
「ぁ、ってからんさ~、昨日の相談の返事、考えてくれたか?」
「急に敬語外すじゃん、…!!!」
「は、?w」
「お前逆に俺の後輩なんだから敬語つけろよ????」
「聞かなかったことにしてっと~、…」
「別に気にしてねぇからいいんやけど、…w」
「へ・ん・じ!!! 」
「あぁ~、…覚えてねぇわw」
「熟(つくづく)最低だな…、」
「……不登校気味な子供の話だつってんだろ…」
「ぁ~、…いるまが対処すれば~?」
「…お前俺の気持ちも考えろよ…」
「ま、できる限りサポートするし!!」
「それは助かる…、」
1週間後 いるま先生は園へ来なくなった。
話なんて聞けるはずがない。
連絡もとれないし……俺のあの時の行動がいけなかったのか…。
いるま先生の書類整理をしていると3枚紙がひらり、と舞い降りてきた。
「みこと」、「すち」……
予想出来ていた2人…そして………
「らん」 の名前だった。
?¿世界
また増えてる。
「みこと」、「すち」、「こさめ」、「なつ」…「いるま」…そして「らん」
「よくここまで頑張った。」
「なんやっけ~、現実世界に帰りたい~、やっけ?」
「次のミッションでコンプリートよね!!」
「現実世界までもう少しだ~、!!w」
「んじゃ、転送する」
聞いたことある声だったのは……間違いない。
現実世界
高校受験、人生の分岐点となるテスト。
そんな日に俺は寝坊をしてしまった。
大事な試験なのに。
部屋に置いてある昔からの人形、黄色の象の視線に送られた後で
速急でリビングへ向かう。
「あんたこんな日に寝坊するなんて~、…」
「わかってるって~…!!」
緑色のお気に入りのペンを入れながら言う。
「ほんとにあんたって子は~、…」
「そんな言葉聞いてる暇ないんだよ…、!!」
鞄に着いているサメのキーホルダーを確認して鞄を持つ。
「まったく~、…」
「行ってきます!!!」
「あんた気をつけなさいよ~!!!」
そんな言葉も耳を通らなかった。
勢いよく出ると大通りでもないのにトラックや車の数々…
それに気づかず走った俺は赤紫に染まったトラックを見てまた後悔する。
「恥ずかしがり屋な告白魔」
「寝坊の策士」
「人をハメる同級生」
「悪魔な子供」
「逃げ出した大人」
また教育されるんだ…って。
コメント
15件
え、なんか凄すぎて言葉がでん...()
うわぁ…最高や…