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「…。ねぇ?あんたほんとにそれでいいの?」
「何度も聞くな。あたしはこの装備で問題ない。」
「それ私服じゃん。シャツにショーパンで防御皆無そうだし…。」
「その言葉的にやっぱまだ低ランク帯の戦姫で間違いないな。こんなのが例の事件を解決したのかほんとにあやしいもんだ。」
「おい、馬鹿にすんなって。ほんとに私が倒したんだから。」
「なら、武器のグレードについても把握してるよな?」
「……。もちろん!」
「その変な間的に把握してないだろ。」
「そ、そんなわけ…。」
「はぁ、戦闘に入る前に特別に教えてやる。」
装備品のグレードってのはレア度とはまた別物。レア度は星1~5の五段階で数字が大きくなれば性能もまたいいものになる。まぁ、その辺は察しが付くだろうけどもそれとは別に『グレード』というものが存在する。これは同じ装備を持っているときに戦姫ショップに持ち寄るとその装備の『戦核《せんかく》』というものと交換してくれてこれを使うと装備のグレードを上げることが可能となるんだ。
で本題であるグレードなんだが、これを上げるとなにかいいことがあるのかというとその装備が簡単に強化されるんだ。強化内容は大きく分けて三つ。「防御」「攻撃」「耐久」この三種になる。で、強化部位によってはその部位限定の強化内容も存在する。例えばブーツなら「俊敏」という項目が存在し、これを強化すると試合時の移動速度に影響するってわけだ。
最後に、このグレード強化には上限が存在する。上限は「10」でこの数字分強化ポイントが入るって仕組みだ。ここのポイントの使い方でも戦績に影響があるんだ。これが戦姫大戦の面白さでもあるわけだな。
「…分かったかズボラ娘?」
「ズボラ言うな!分かったよグレードとかレア度とか。」
「それを踏まえて私のこの装備を簡単に話してやる。あんたが無駄に心配してるシャツとショーパンだが、両方ともレア度は4でグレードは『3』とそこそこの装備であんたの低レア装備よりかは硬いし性能も段違いだ。」
「ま、まぁ?私はこの低レア装備でもなんとかなってるし?装備品が良くても経験がなければ宝の持ち腐れってやつよ…」
「こんなんだけど一応ランクはA帯のトップ5に入ってるぞ?」
「ミナと同格なのか…。」
「それじゃ雑談はこんなもんにして早くやるよ?」
「よし!ボコボコにされちゃうぞ♪」
「アキトのくせにいいカフェ知ってんの腹立つな。」
「マスターの淹れるコーヒーがおいしんだよね。」
「でも、お客さんそんなにいないのが不思議なんだけど?」
「それは時間帯と日にちがよくないですね。うちはほかのカフェとは違い戦姫大戦が可能な店舗なんでお客様も戦姫をお持ちの方が多くいらっしゃいます。が、そんな彼らは大人が大半ですので平日のお昼はあまりいらっしゃらないのです。」
「なるほど納得。」
「あぁ、それとこの時間にいるご老人も戦姫をもってますが勝負はしかけないようにしてあげてください。」
「そりゃ老人に戦姫大戦は…」
「いや、皆さんあり得ないくらい強いですから。」
「え?」
「あり得ないくらい強いの?」
「はい。少なくともアキトさんの本気の装備でようやく五分に持っていけるかどうかですので」
「マジでちゃんと強いやん…。」
「その人たちに教えを乞えばよくない?」
「残念だけど、相手はご老人だ。耳が遠くて聞こえないとか言葉が出てこないとかまぁざらにあるわけだよ。」
「それじゃ教えを乞うこともできないか。」
「まぁ、情報は大事だなとは思うが結局ものをいうのは経験だ。何度もいろんなことに挑戦してその中で自分に合った戦闘スタイルを確立していけばいいとは思うよ。」
「さすがマスター。いいこと言うねぇ?」
「私も生きてきた歴がお二方とは違いますから。」
「説得力が違いますわぁ…」
「…さて、と。それじゃそろそろ本題に入ろうかな。」
「僕を呼んだ理由を聞かせてくれるの?」
「ま、察しはついてるとは思うがな?」
「……。ミカゲさんについて、正確に言えば天使創造計画《プロジェクトエンジェル》についてだよね?」
「そうね。あなたの話を聞いてる限り今のあなたでは太刀打ちできる相手ではない。だから、今日こうしてあなたと会って戦姫の経験値を高めると同時に、あなた自身も知識を蓄えてほしいの。あなた本人に戦姫大戦をやるつもりがないとしても。」
「確かに僕は戦姫大戦が好きではないけど、それ以上にカナが何者なのかを知りたい。彼女自身もそれを望んでるはず。そのためなら僕が戦姫大戦をやることなんて些細な問題に過ぎないよ。」
「よく言ったわ。私からのアドバイスはあほみたいにあるけど、そんなのいっぺんに伝えたところで把握できるとは思ってない。だから、今日は直近の大会に勝つためのアドバイスを持ってきてる。よく聞いて今後に役立ててね?」
「あぁ。ありがとうユウナ。まさか君から教えを乞うことになるなんて思いもしなったよ。」
「お礼は大会優勝後に聞いてあげる。」
「……。お前らしいな。」