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風間は僕の目を見ながらこういった。
「あなたが自分の名前を言わないと、進められないのです。」
僕の名前?僕は。。。
名前が出てこない、どういう事?
「難しいですか?恋人や友人になんと呼ばれていたか、思い出してください。」
ハルナ。。。高校2年生の時、夜の公園にハルナを呼び出してもらい、僕は人生ではじめての告白をした。答えを聞くのが怖くて、ハルナを目の前にして10分以上無言になってしまった。
ハルナはきっと告白だって気付いていたはず、臆病な僕を待っていてくれた。
「タケルくん、私付き合ってもいいよ」
「え?本当に?」
僕の気持ちを察してか、彼女から切り出してくれた。
「ちょっと待ってよ、僕の気持ちをちゃんと伝えたい」
ハルナはクスクス笑いながら首を縦に振った。
「ハルナ、ずっと前から好きだった。」
「ありがとう」
「僕の名前はタケル!相馬タケルです。」
風間さんはニコリと笑い、こう言った。
「よく頑張ったね、これで上がれるよ」
「タケルくん、君は皆に愛されていた、ハルナさんにも、サヨちゃん、家族、友人にもだから行くべき所に行かなくてはならない」
「どういう事ですか?」
「ハルナさんがいるところへ導くのが僕の仕事だから」風間さんは僕の首の根本に手を置き、何かをブツブツ呟いている。
体が軽くなり、足元が地面から離れていく。そして相馬タケルは天へと上げられた。。
「お疲れ様 風間どうだったガキからの依頼は?」風間の上司、京子がタバコ咥えながら風間にとう。
「今回は名前をすぐに思い出してくれたので案外早かったです。」
「どこまで伝えた?」
「いいとこだけです。」
「私だったら全部伝えるけどなぁ」