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パパをいじめた報いだと思いながら黙って聞いていたら、ここで瑠奈の話にパパが再登場した。 「卒業式の日、そんなあたしにパパが近づいてきて告白された。一年生のときからずっと好きだったって。二年前の作戦は失敗だったと思ったけど、実は大成功だったみたい。パパもあたしが彼氏に逃げられて中絶したことを知ってたけど、それでもいいって。あたしの心が弱ってるときじゃなければ、あんなキモ男の告白、絶対に断ってたのに、あのときのあたしは本当にどうかしてた。でもパパはいい大学に受かって、いい会社にも入れて、今もいい給料をもらえてる。あたしの言うことならなんでも聞いてくれるし、家事も育児も一生懸命やってくれるし、結婚してATMにするには最高の物件だったよね」
つまり、瑠奈はパパをいじめていた側だったのに、パパはそれを知らずに瑠奈に告白して、交際することになった。瑠奈はパパを愛していなかったけど、スペックと性格のよさに釣られて打算で結婚することにした、と。彼氏に逃げられて妊娠中絶して友達もいなくなって一人ぼっちになったのを救ってもらったくせに、不倫はするわ夫を毒殺しようとするわ、恩を仇で返しているわけだ。
キッチンを調べたら正体不明の大量の黄色い粉末を発見した。それが毒薬だろうと踏んで、同じ色をした別の無害な粉とすでにすり替えてある。
やっぱり殺すことにしよう。まずは不倫相手の立花恭平から血祭りだ。聞くべきことは聞いた。話し相手になってくれた礼は言わず、余は不倫は嫌いだとそれだけ告げて、さっさと自分の部屋に戻った。