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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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夜、ソファで千歳と並んでゆっくりしていた時。富貴さんからメールが来た。
「ごめんなさい、個人的な相談なんだけど。和泉くんの同居人さんって神社でお祓いの手伝いしてるのよね? その同居人さんでも誰でもいいんだけど、しっかりお祓いとか供養してくれる、インチキじゃない人の伝手ある?」
お祓いや供養の伝手?
千歳はすごく強い怨霊だけど、あんまり供養って感じじゃないよな。悪霊祓ったのも力任せだし。お祓い専門と言ったら、金谷さん、緑さん、南さんあたりかな……富貴さんの依頼を俺が仲介する、ならいけそうだけど……。
とりあえず、富貴さんに返信した。
「供養はわからないけど、お祓いの伝手はあるよ。お祓いの一環で霊の未練を解消するなんてこともしてる。正式に依頼すればやってくれると思うけど、何かあったの?」
返ってきたのは、答えになってるのかなってないのかわからない内容だった。
「水子供養って、お祓いだとまずいと思う?」
あ、やっぱり、あの時妊娠してた子、流れちゃったのか……。
「その辺は伝手の人に聞いてみるよ。供養なら供養で、伝手をたどれば確かな人いるかも知れないし」
「私がちゃんとしてなかったから流産しちゃったの、あの子恨んでると思う」
うわー、やっぱり産みたかったのに流れちゃったのか!
「お酒飲まないとか、ちゃんとしてたじゃん。妊娠って、15%くらいうまく行かない事あるんでしょ、富貴さんは何も悪くないよ」
「そんなふうに慰めてくれるの、和泉くんが始めて」
そ、そんなに周りから責められたの!?
「とにかく、伝手を頼ってみるよ。わかることがあったらすぐ連絡するから」
「ありがとう」
メールのやりとりを終えて、俺は隣にいた千歳にまず聞いてみた。
「富貴さんがね、流れちゃった子の水子供養だかお祓いだかして欲しがってるんだけど、金谷さんあたりにお願いしてもいいと思う?」
『水子供養?』
千歳は顔をしかめた。
『水子かあ……いや水子はな……』
「難しいの?」
『いやその、水子供養って、親の気持ちを何とかする儀式で、水子の方は特に何も思ってない』
「へ!?」
俺はびっくりした。千歳は俺に諭すように説明した。
『水子供養ってさ、新しいんだよ。昭和に入ってからできたようなもんじゃないか? 親に余裕ができて、あと母親が安全に堕胎できるようになってからって感じだ。親の気持ちをなんとかするためのもので、水子の方はまだ何か考えられるほどでかくないから、まっすぐあの世行ったり、生まれなおしたりだ』
「へえ、そうなの……」
『お祓いしてほしいなら、何か害が出てるんだろうけど、特に関係ない霊が荒らしてるだけだと思うぞ』
「じゃ、その辺まず富貴さんに伝えるよ。そういうことならお祓いでいいのか」
『そうだな』
富貴さんに千歳から聞いたことをまとめて伝えると、「じゃあ私の子じゃないの?」と返ってきた。がっかりしてることは、なんとなくわかった。
「特に関係ない霊が何かしてるだろうって話。だから、お祓いのほうがいいと思うんだけど」
「じゃあ、お祓いの伝手を頼めない? 家のね、私の子の骨壺にお供えしてたものが、このところ帰ったらいつも荒らされてね、監視カメラ仕掛けたら透明人間が動かしてるみたいになってるの」
そんなこと起きてるんだ、そりゃ水子供養の発想になるよな。
「すぐ連絡取るけど、夜だから返事は明日以降になるかも」
「それで大丈夫」
というわけで、俺は金谷さんに事の経緯をLINEした。すぐ返事がきて、金谷さんの所属組織で対応してくれるとのことだった。
「緑さん忙しいので、私行きます。あと、ご本人から対面で話を聞いてから家に伺いたいのですが、和泉さんと千歳さんも念の為ご同席を願えませんか?」
千歳はともかく、俺? まあ、仲介役として必要なのかな?
俺は金谷さんに富貴さんの連絡先を教え、千歳も含めて日程調整をして、富貴さんに会う日が決まった。
コメント
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おお…第453話、拝読しました。 富貴さんの「私がちゃんとしてなかったから」って自己否定の言葉、すごく胸に刺さりました。流産を自分のせいだと思い込んで、周りからも責められてたんだなって…。和泉くんが「何も悪くないよ」って言ったのが、彼女にとって初めての慰めだったエピソード、じんわりきました。 そして千歳の「水子は何も考えてない」という衝撃の真実。親の罪悪感を癒すための儀式だったんだ…という視点の転換が面白かったです。人情の機微と霊的なリアリティが溶け合う、らしい回でしたね🌷