彰人視点
前回から数日後くらい
「くそ…だりぃな」
今日はサッカー部の助っ人に来ていた。本当は早く帰って寝たかったがやると言ったからには仕方がない。
「彰人ー!パス!」
「おう!」
回ってきたボールに狙いをさだめゴールへ蹴る。ボールは上手い具合にゴールへ転がって行ったが凄腕のゴールキーパーによって止められてしまった。
「おー彰人惜しかったなあ」
「うるせえ」
「あっそういえば知ってるか?」
「何を」
「白石杏、に彼氏がいるって噂」
…は?杏に彼氏?いやそれは無い。杏は歌に夢中で彼氏を作る時間なんてなかったはずだし、もしいたとしてもできた途端に自慢してくるだろう。
「なわけ…」
「相手は青柳らしいぞ」
「…?」
ちょっと待て。冬弥?冬弥が杏と付き合ってる?ない、嘘だ。そんな噂嘘に決まってる。
「この前白石杏と青柳が放課後デートしてたらしい」
「…帰る」
「え?」
「帰る、そう伝えといてくれ」
そのまま俺は学校を飛び出した。
「はあはあ…っ」
走っていないと余計な感情が零れてきそうで。嘘だとわかってる、そんな噂信じないが、だけど。そう考えるだけで気分が悪くなる。
「うっ・・・」
気持ち悪い。違うそんなわけない、そんなわけないんだよ。
「あー、くそ!!」(_ ‘-’ )_バンッ!
「?あれ、東雲くん?」
「こはね?」
どうやら俺は宮女の近くまで来てしまっていたらしい。引き返すか。
「どうかしたの?」
「いや、なんでもない・・・」
「もしかして杏ちゃんのこと?」
ギクッ
「へぇーやっぱりそうなんだ、何があったか聞かせてもらえるかな?」
なんか今日のこはね積極的だな・・・まあいいか。俺の杏への気持ち知ってるし。
かくかくしかじか
「えぇっ!青柳くんが!?」
「なあ、付き合ってるとおもうか?」
「いやないと思うよ、付き合ったらその瞬間に報告してくると思う」
「だよな〜」
「あっ!」
こはねは勢い良く立ち上がると誰かに電話をかけ始めた。
「・・・うん、ごめんね急に、どうしても聞きたいことがあって・・・えっ!杏ちゃんが?うそ!」
「どうかしたか?」
「やばいよ東雲くん。急いで神高に行こう!」
「え?」
「杏ちゃんが告白されてる!」
「!?」
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