あの日私が鬼に襲われていたとき
颯爽と現れて助けてくれたのは
紛れもなく殿でした
一寸と小さなお身体で
怯むことなく
普通の殿方でも臆する大鬼に
向かっていったお姿は
いまだ私の目に焼き付いております
思えばあの時すでに私は
殿のことをお慕い申し上げていたのだと
思います
みな、口を揃えてこう言います
「一寸法師が打ち出の小槌で
大きくなってよかった、よかった」
どうして殿が大きくなれば
おめでたいのでしょうか
私は一寸法師のままの殿でも
同じようにお慕いしたでしょう
小さな殿では愛せなかっただろうと
私の愛を軽くみられているようで
大変気分が悪いです
私の愛は未来永劫
小さくても大きくても殿だけに捧げます
嘘をついたら針千本
私を助けてくれたのはあの針の刀を千本
飲み干すことを誓いましょう
だから殿も
私に嘘をついたら針千本
きっとですよ?
ね?
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