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暇なときはずっと呪力の鍛錬をするように命じられ、与幸吉と真人が戦う場面に出向くことはできなかった。
(私はこれからの出来事を知っているのに、誰も助けられなかったな…)
今までずっと羂索側に着いて、数多くの人達を見殺しにしてきた。
中には、自らの手で殺してしまった人だっている。
(いっそのこと、やり直せたらどんなに良かったか。)
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10月31日 20:40
都心メトロ渋谷駅 地下5階新都心ホーム
私の手の中には1つ数mmの大きさの帳が20個程。
強い呪力の気配がし、五条悟が姿を見せた。
「来たな。」
「準備バッチリってわけだ。これで負けたら言い訳できないよ?」
「貴様こそ、初めての言い訳は考えてきたか?」
漏瑚の拳は炎を纏い、花御が蔦で駅の天井を塞いだ。
「僕が逃げたら、ここの人間全員殺すだろ?」
「逃げたら…か。回答は、逃げずともだ。」
「赤血操術、苅祓」
脹相の攻撃を避けた五条悟に、花御と漏瑚が殴りかかる。
「『領域展延』」
「なるほど。というか、呪詛師と組んでるからそう来るか。正直驚いたよ。」
「何だ、言い訳か?」
「違ぇよ、ハゲ…この程度で僕に勝てると思ってる脳味噌に驚いたって言ってんだよ。」
五条悟はアイマスクを外し、蒼い六眼を露わにした。
「そこの雑草、会うのは3度目だな?ナメた真似しやがって。まずはお前から祓う。」
「ほら来いよ、どうした?逃げんなつったのは…お前らの方だろ。」
五条悟が漏瑚の腕を掴む。
「せーのっ」
「ぐおっ!?」
(あえて無下限術式を解いている。…これは罠だ。)
花御は領域展延を解き、術式を使用する。
『ならば、こちらは術式を使うまで…!』
「展延を解くな、花御!」
「ここ、弱いんだって?」
五条悟は花御の両目の枝を掴んで引きちぎる。
『っ!』
「やっぱりな。展延と生得術式は同時には使えない。」
脹相が穿血を撃ち、私も幾つかの帳を五条悟を挟むようにして飛ばすが軽々と避けられる。
「クソッ」
「いいのか?お前が展延で僕の術式を中和する程、僕はより強く術式を保とうとする。そっちは耐える元気ないんじゃない?」
「なっ!…五条悟!こっちを見ろ、人間共を殺すぞ!」
花御は無下限と駅の壁に圧縮されて祓われた。
「花御…」
「脹相と琥珀!協力しないのであれば貴様から殺すぞ!」
「はいはい。」
「……」
(もうすぐ改造人間の乗った電車が来て、非術師達が殺される。…もう、これまでのように見殺しにはしたくないな。)
電車が線路を走る音が聞こえる。
「来たか!」
非術師は電車に改造人間が乗ってることなど知らずに、電車の方へと向かっていく。
「おりゃあっ!!」
非術師を囲んで守る形で、手の中にあった帳を全て展開する。
「何をやっている、琥珀!」
漏瑚が怒り、脹相も驚いた顔で私を見つめる。
「何でコイツが非術師を守った?」
そう言いながら五条悟は、一瞬で私を祓ったのだった。
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2回目 呪力のある世界への転生
63回目 転生する時代の固定が可能になる
132回目 成り代わる肉体を自分の意思での決定に成功