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???「あぁ〜最近傘をの手入れしてなかったからボロボロになっちゃった」???「メンテナンス行った方が良いのでは?ていうか誰がやるんです?」
ここは、橙の家。自身の武器である傘がボロボロになり、嘆いているのは「紫雲雨花」で、その話し相手は「不山橙」である。
雨花「メンテナンスは、本来ならお師匠様にやって頂くんだけど、メンテナンスの為だけにお時間を貰うのは申し訳ないから、翡翠ちゃんに任せよっかなって!」
橙「翡翠さん……ですか……」
雨花「橙ちゃんも一緒に行く?」
橙「えぇ。構いませんよ。構わないんですけど……嫌な記憶がちょっと……出てまして……」
雨花「あぁ……」
この話が気になる人は、「透明色の彼岸花 三十七話」をご覧下さると嬉しいです。いつもの如く宣伝すみません。
雨花「まぁ今回は、メンテナンスするだけだから大丈夫だと想うよ!」
橙「そうですね。いつ行きますか?」
雨花「じゃあ……」
再び、翡翠の何でも屋に行くことが決まった雨花と橙なのであった。
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雨花「よし行こっか!」
橙「まさか瞬間移動で行こうとしてませんよね?」
雨花「え?そのつもりだけど?」
橙「ダメですよ!怪我が悪化したらどうするです?!本来なら四ヶ月で治るところを大きく期間が凌駕しているんですよ?!瞬間移動なんてダメです!バスで行きますよ」
雨花「ちぇっ。はーい」
二人はバスに乗りこんで、早速翡翠の店へ向かった。
橙「着きましたね。相変わらず胡散臭い雰囲気が漂ってますが……」
雨花「珍しいもの置いてるからしょうがないよ……あはは」
「何なんだテメェ!!!!」
雨花・橙「!」
店内から罵声がきこえてきた。
橙「行きましょう!」
雨花「…………」
二人は店内に入っていった。
すると、
???「ぐっ……」
「お前!!さっさっとあれを出せ!!」
「そうだ!!あの堕天使の証……」
「「『レブルキー』を!!!!」」
雨花「…………」
橙「ちょっとあなたたち何してるんですか!?」
襲われているのは、翡翠だった。翡翠は胸ぐらを掴まれ、壁に叩きつけられていた。
翡翠「……い、痛いよ……」
翡翠は涙目になっている。
「俺たちより年上のくせにガキみてぇなこと言ってんじゃねぇ!」
「ほら、さっさっと出せ!」
翡翠「だから、そんなもの持っていない!ここには無いんだ!そんなものあったらあんたらにくれてやる!」
「ここにないはずねぇだろうが!ここは世界中の彼岸道具が集まってる何でも屋だろ!?ないはずがねぇ……!」
「俺たちはあの証さえ手に入れれば、堕天使になれる。堕天使の力を手に入れれば、日本ぐらいの彼岸なら簡単に支配できる。」
一人の男がナイフを取り出す。それを舌で舐めている。
橙「いい加減に……!」
その瞬間、橙が重力のようなもので床に叩きつけられた。
橙「こ、この人たちは……まさか……」
「「天使!!!!」」
「俺たちの邪魔はさせねぇ。人間たちの魂を浄化し、輪廻転生を行い、また浄化する。浄化さえ行えば、地獄も天国も要らねぇのにあいつら神はそれを分かろうとすらしねぇ。俺たちがやっていることは間違いなく正しいのに。」
男たちは隠していた天使の輪を出し、翼を広げる。
そして、翡翠にそのナイフを突き刺そうとしようとしている。
「もうお前に用はない。俺たちで探すことにするよ。さようなら。おチビさん」
橙「ひ……すいさん」
そして、突き刺そうとした瞬間、
「な、何だ!!?」
「この地響きは……!?」
雨花「知らないようなら教えてあげるよ」
「!」
「な、何だ!?」
橙「今だ!翡翠さん!」
地響きはどんどん強くなり、橙にかかっていた重力は解除された。その隙に、橙が翡翠をキャッチして、保護する。
雨花「あなたたちは今、神への反逆者となる!それを覚悟で「それ」を探しているんでしょ?ならわたしが今からしようとしていることも分かるよね?」
雨花がニヤリとハイライトの無い悪い顔で男たちに詰め寄っていく。
「や、やめろ」
「何故こんなことを!?俺たちのことをなぜ分かろうとしない?!」
雨花「良い?浄化というのは、魂にとても負荷がかかる。そうすると人体や人格に障害が残る。何でもかんでも浄化するのは、その人自身をその人のままでいさせなくしてしまうとても危険な行為。人の魂はとても脆いの。それを大雑把な方法で接していいわけない。そして、時に浄化より、償うという形式の方が人の魂を変えることもできることをあなたたちも知っておきなさい。……まぁそれでもあなたたちは……」
「ふん。そんなの浄化の方が楽になれるし、獄卒だっていらねぇんだぞ? 」
「俺たちは絶対!!絶対!!間違ってない!!」
雨花「んふふっ。じゃあそのお気楽な頭をわたしが浄化してあげよっか?」
「ひっ」
「め、めげるな!行くぞ!」
男たちは隠し持つていた翼を広げ、雨花に遅いかかろうとする。
雨花「もういい。あなたたちが誰からも理解されないのは────」
「「あなたたちが自分のことを正しいと信じ込んて疑わないからだよ。」」
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雨花「翡翠ちゃん!大丈夫?」
雨花は天使の輪を欠けさせて、気絶させた。天使たちは起きると天使の本拠地に帰って行った。
翡翠「ぐすっ……痛いよ……うわぁぁぁぁん!!!!」
橙「さっきからずっとこの調子で……」
ピピッ
橙「ん?何の音です?」
翡翠「あ、あたしのガードマンの音」
雨花・橙「ガードマン?」
翡翠が何やら緑色の宝石のような形をした小さい機械にスイッチを入れると、空中にビデオカメラが映し出された。
「大丈夫か?ジェイド!」
橙「あなたは……?」
雨花「もしかして……翡翠ちゃんのお父さん?」
カメラには、ヤギのような角が生えた翡翠と似た色の髪を持ち、とても筋肉質な男性が映っていた。
翡翠「父君!!」
雨花「やっぱり。かっこいいお父さんだね。」
「あなたたちがもしかしてジェイド……いえ、翡翠を助けて下さったんですね。本当にありがとうございます。」
橙「いえいえ。そもそもあいつら何なんですか……!無いって言ってるのに無理やり脅して……あれの一体どこが正しい行いなんですか……!?」
翡翠「まぁ実際はあるんだがな」
橙「…………え?」
翡翠はケロッと耳を疑うことを言った。
橙「え?え?今なんて?」
雨花「まぁあるよね。彼岸道具だけが主な売買なら、それだけ珍しいものを置いておかないと客足途絶えちゃうもんね。」
「え!?あなた分かってたんですか!?とても人をみる力がありますね!商売に向いていますよ!」
雨花「それはそれはどうも」
橙「えっ」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」」
橙「何でじゃああんなボロボロになるまで隠してんですか!?」
翡翠「アイツらが求めていた『レブルキー』は十字架の形状をしていて、交じるところにバツ印の模様がある。堕天使の証明。つまり、土地を天使の支配下に置くことが出来るものなのだ。あれさえあれば、神の許可など必要なく、支配することが出来る。この世界では『レブルキー』は明確な数は分からないが、複数個存在している。うちにあるのもその一つだ。あれが天使たちに渡れば、こんな小さい彼岸ならあっという間に支配下に置かれる。だから渡す訳にはいかない」
「そして、」と翡翠は話を続けようとした。
翡翠「この『レブルキー』にはもう一つの使い方がある。それは……」
「翡翠。それ以上は教えるな。すまないね。ここから先は商売情報なんだ」
橙「そうなんですね。分かりました。」
雨花「…………」
橙「あれ?雨花さん?傘直して貰いに行ったんじゃないんですか?」
雨花「……え?そうだった!翡翠ちゃ〜ん直してくんなまし〜」
翡翠「はいはい。その気持ち悪い言い方やめろ。」
こうして、雨花は傘を直してもらった。
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翡翠「父君」
「何だ?」
翡翠「どうして『レブルキー』のもう一つの使い方を教えなかったのだ?」
「……あの女の子……ほら、黒髪に紫の髪の女の子いただろう?彼女からはとても危なっかしい……何と言うかとても触れてもみても欲しくない何も感じて欲しくない計り知れない何か大きな想いがあるように想える。ずっと色んな神や人間と関わってきたからな。何となく私には分かってしまうんだよ。ジェイド。」
翡翠「……それは、あたしも何となく分かる。父君程詳しくは分からなかったが……でも……」
「『レブルキー』のもう一つの使い方は、」
翡翠「『レブルキー』は、あらゆるものの反逆者の証。通常の使い方は首からぶら下げ、反逆者の証明として利用する。しかし、『レブルキー』は、文字通り、実用的に使うことも出来る。レブルキーの中心にあるバツ印に新月の気を集めることで、集めた者の魂そのものが「反逆」とみなされ、そして……」
「「神通力・【神魂滅裂】を完成できる。」
「…………」
翡翠「雨花は、まさかもう手に入れて……」
「ジェイド。もし、雨花さんが『レブルキー』を手に入れていたら、知らないふりをしろ。」
翡翠「どうして……?」
「雨花さんには申し訳ないが、お前が巻き込まれるのは……とても嫌なんだ。」
翡翠「……分かった」
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雨花「…………」
これは、「反逆者」の証明。
わたしはこれからも沢山のものや沢山の人を傷つけ続けてる。
いつも通りの日々とさほど変わらないんだよな。これを持っていようと持ってなかろうと。わたしは森羅万象の反逆者。
罪を償える方法を誰かわたしに……
ごめんなさい
やっぱなんでもない