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あんず
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はるか
26
僕には大好きなにーちゃんがいる。近所に住んでてよく遊んでる
悠真 「いやー、月曜に二人で吸う煙草は上手いな!な!伊織!」
今正に隣で煙草を吸っている男がそのにーちゃん
未成年の僕に煙草吸わせてくるしニートだしだらしない。
こんな呑気に笑ってるけど、彼氏にDVされたりしているらしい
日に日に増えてる傷に僕は触れない。
僕「辞めたら、無理して笑うの」
にーちゃんの目が一瞬揺れた
でもまたいつもの笑顔に戻って僕に話しかける
悠真「大丈夫だよ、オレ無理してないし?にーちゃん楽しく生きてるよ?」
僕「僕大きくなったらにーちゃんの事守るから、それで一緒に住も?」
悠真「おー、頑張れよー」
僕は本気なのに軽くあしらう様子にイラッとする
僕「本気だからな?」
にーちゃんは笑いながら僕を抱きしめた
悠真「はいはいわかったっての、でもお前が大人になる頃にゃオレもうおっさんだよ?守ってくれんの?」
僕「にーちゃんなら守るよ」
僕が言うとにーちゃんは笑い出した
悠真「はははっ!お前オレのことバカにしてんの?でもありがとね。期待しとく」
そう言って僕の頭を撫でた
僕「死なないでよ。にーちゃん」
悠真「えー?死ぬってなに、いきなり怖いこと言うなよ。…にーちゃんは簡単には死なないよ伊織が大きくなるまでは死ねないから」
「でもさ、伊織が大きくなったらにーちゃんがいなくても上手くやれるかな?ちゃんとご飯も食べて…学校行って」
僕「嫌だ、絶対やだ。にーちゃんいないとダメだよ」
悠真「なんだよ~まだそんなこと言って。にーちゃんもいつまでもここにいるわけにはいかないだろ?」
僕「にーちゃんが死ぬなら僕も死ぬよ」
悠真「おい、お前が死ぬとか言うなよ、まじで怒るぞ」
さっきまで冗談めかしていたにーちゃんの顔が真剣になって、僕の両頬を掴んで目を合わせた
「にーちゃんは簡単に死なないし、伊織も死んじゃダメ。わかった?絶対長生きしろよ。オレより先に死んだら許さねーからな。約束しろ、長生きするって」
僕「にーちゃんは?」
悠真「にーちゃんは~伊織が大人になるまでちゃんと見守って、その後は海外行って遊びまくるよ。海辺で超イケてるおじいちゃんになって女の子達にモテまくるんだ~」
にーちゃんはいつも僕を安心させようと冗談を言ってくる。僕も嘘だってわかってる
にーちゃんは多分これからも彼氏に縛られてどうにもすることが出来ずひとりで死ぬと思う
悠真「そうだ、そうやって笑ってる伊織が一番可愛いよ」
それから何年か経って僕の成人式になった
辺りを見渡すとにーちゃんが目に入るとすぐに駆け寄って抱きついた
僕「にーちゃん!」
悠真「随分立派になったな、もうにーちゃんいらないかもな」
にーちゃんはいつもとは少し違う寂しそうな笑顔で言った
僕「…?僕はずっとにーちゃんと一緒だよ」
するとまたいつもの笑顔に戻ったにーちゃんを見て、少し安心した
悠真「そうだな、そうだよな~お前まだまだガキだもん、にーちゃんと一緒にいないとダメだよな」
いつもより酷いにーちゃんの傷が気になった
僕「にーちゃん、また傷増えてる」
悠真「あ、いや、これは…ただの」
僕「ごめん、にーちゃんのこと守るって言ったのに」
悠真「大丈夫だよ、伊織。にーちゃんは大丈夫だからお前は自分の心配だけしてろよ」
その時にーちゃんの目線が僕の手首に固定された
僕の手を掴んで無理やり傷を見た
悠真「伊織、これ、いつからあったの?」
僕「ぁ、え、…ごめん、にーちゃん」
戸惑いながらもにーちゃんは僕を追いかけてきた
やっと僕に追いついたにーちゃんは僕に寄りかかって泣いてた
悠真「ごめん…ごめんね、にーちゃんが壊しちゃったんだよな」
僕「違うよ、全部、お母さんが悪いんだ」
悠真「お母さん?お母さんが伊織に手を出したの?」
頷く僕を見てにーちゃんは初めて悲しい顔をした
僕「にーちゃん。僕死にたいよ」
悠真「じゃあ、にーちゃんと一緒に死ぬか?」
僕「いいの?」
悠真「その前に…お前の母さん殺さないとな?」
ニヤッと笑うにーちゃんの顔はいつものにーちゃんだった
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