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余とイリスは、竜形態で大空を飛び回りつつ、交わった。
彼女と確かな愛を育んだと言えるだろう。
時刻はもう夜である。
余とイリスは、魔王城に戻る。
上空で体長10メートルを超える竜の形態から普段の姿に戻り、降下していく。
「ふう。お前との交わりは有意義なものであったぞ。イリスよ」
「はい。ディノス陛下。お言葉ありがたく思います」
余とイリスはそんなことを言いつつ、居間に降り立つ。
長時間交わっていたので、心地よい疲労感がある。
「ふん。その様子だと、イリスさんとは無事に仲直りできたようね」
「心配したよ。長い間帰って来ないから……。連絡くらいしてよ」
そう言って余たちを出迎えたのは、フレアとシンカだ。
「すまぬな。もう大丈夫だ。余とイリスの絆はより深まったゆえな。これでもかというくらいに……」
「はい。私も陛下のことを深く理解でき、満足しております。もう喧嘩などいたしませんとも。……そもそも、あれはわたしの一方的な嫉妬が原因だったのです。申し訳ありませんでした」
「構わぬ。愛しい妻からの可愛い嫉妬だ。むしろ嬉しく思う」
余とイリスはそう言って、見つめ合う。
竜化状態の彼女も魅力的であったが、魔族に変化している今の状態の彼女もまた別の魅力がある。
近いうちに、この形態同士でもまぐわいたいものだな。
「……ふ、二人きりの世界を作ってるんじゃないわよ! 見せつけてくれるじゃないの!」
「僕たちのことを愛しているって言ったくせに……。ディノス君は浮気者だね」
フレアとシンカがそう言う。
ご機嫌斜めのようだ。
「慌てるでない。もちろん、フレアとシンカも同じく大切な存在だ。これからも変わらずにな」
「むぅ。ならいいけれどね」
「……うん。わかったよ」
2人がむくれつつ、納得する。
世間では一夫一妻が広く浸透していることは理解している。
しかし、魔王である余はそのような世俗に縛られることはない。
優秀な跡継ぎや将来の担う人材を生んでもらうためにも、妻は多ければ多いほどよいだろう。
こればかりは、納得してもらう他ない。
「さて。今日はもう夕方か」
昨晩、余はフレアやシンカと交わった。
深夜に交わり終えたところ、リビングでイリスが自慰をしているのを発見した。
飛び出した彼女を追いかけ、無事に見つけたのが朝方のことだ。
それから、余と彼女は竜の姿で世界中を飛び回りながら交わった。
そして、魔王城に帰還したのがつい先ほどである。
「ええ。今日は学園をサボっていまいましたね」
イリスがそう言う。
今日は平日だ。
もちろん学校も通常通りあったのだが、余とイリスは登校しなかった。
それどころではなかったのだ。
「不本意ではあったがな。余にとってはイリスの方が大事だ。仕方あるまい」
「はい。陛下の優しさには感謝しかありません」
イリスが熱っぽい視線をこちらに向ける。
余が竜としての彼女の姿を改めて受け入れた今、彼女から余に対する感情はこれまで以上に大きくなっているようである。
「あー、はいはい。それで? 今さらだけど、何でディノスが学園に通っているのよ」
「僕も不思議に思っていた。学園で学ぶことなんてないよね?」
フレアとシンカがそう問う。
「うむ。魔法理論や座学で学ぶことはないな。しかし、学園生活そのものに興味があるのだ。余はリア充になる必要があった」
「リア充? 聞いたことがあるような、ないような言葉ね……」
フレアが首を傾げる。
確かに、それほど広くは認知されていない言葉だ。
余も、とある書物で読みたまたま知っている。
「ええと……。リアルが充実しているって意味だよね? ディノス君は魔王なんだし、この上なくリアルは充実してると僕は思うけど」
シンカがそう言うことには一理ある。
しかし、リア充とは仕事や学業のことだけを指すのではない。
「ふっ。甘いな。シンカよ。真のリア充は女関係も最強なのだ! ゆえに、余はハーレム王を目指す! それが余の目指す道だ! クハハハハ!!!」
余は高らかに宣言した。
「「「…………」」」
イリス、フレア、シンカの3人がジト目でこちらを見てくる。
ふむ?
妙な反応だな。
余はおかしなことを言っただろうか?
「えぇ……。本気で言っているの?」
フレアがドン引きした様子で言う。
「無論本気である。喜べ! 余のハーレムの第一席から第三席は、お前たちにくれてやろう!!」
「いらないわよ!! そんなものっ!」
「なにっ!?」
余は驚愕した。
魔王である余の妻というポジションを、フレアは欲しないというのか……?
「血迷ったか、フレアよ。お腹の子どもはどうする気だ?」
昨晩、余とフレアはさんざん交わった。
なにせ、魔王である余の種だ。
間違いなく妊娠しているであろう。
「そ、それは……」
フレアが言いよどむ。
「シンカよ。お前はどうなのだ?」
「え? 僕? うーん、冷静になってみればハーレムはちょっと……」
シンカまでもがそんなことを言い出す。
フレアもシンカも、あそこまでの痴態を晒しておいてよくもまあこんなことが言えたものである。
それに、魔王という肩書にも惑わされぬとは。
これも、彼女たちの優秀さがなせる技か。
優秀であるがゆえ、1人でも子どもを育てる自信があるし、多少痴態を晒した程度では心を完全には許さぬというわけか。
「むむっ! フレアさんもシンカさんも、無礼です! わたしが鉄槌を……と言いたいところですが、見逃して差し上げましょう。これでディノス陛下はわたし1人のものです!!」
「はいはい」
「そうだね」
イリスが勝ち誇っているが、2人は冷めた反応だ。
「まあ待て、イリスよ。そう結論を急ぐものではない」
余はそう言って、フレアとシンカに向き直る。
彼女たちの瞳を正面から見据える。
「フレアよ。シンカよ。お前たちは勘違いをしているようだな」
「なんですって?」
「どういうこと?」
「知らなかったか? 魔王からは逃げられない。お前たちの体は既に余のものなのだ」
余はそう言って、2人を抱き寄せる。
「ひゃうっ」
「あんっ……」
2人が余の腕の中で体をくねらせる。
「さて。今夜はどちらからがいい? 選ばせてやろう」
余はそう言いながら、彼女たちの乳首を軽く刺激する。
「あ、ああっ! わ、私を先にお願い……」
「ずるいっ。僕が先だよ……」
そう言うと、2人とも余の唇にキスしてくる。
「もうっ! わたしを忘れないでください!」
イリスが負けじと乱入してくる。
竜族のイリス、高位魔族のフレア、人族の勇者シンカ。
いずれも、魔王である余に相応しい美しく可愛い優秀な少女たちだ。
まさしく、余のリア充計画の始まりを飾るにふさわしい相手と言えるだろう。
「クハハハハハ!! これは愉快である!!」
余は高笑いをしながら、3人の体を堪能する。
今後も素晴らしい学園生活が待っていることだろう。
余のリア充計画はまだまだ始まったばかりだ!!!