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???「……何……してるんです?雨花さん」???「あっ!丁度いいところに!橙ちゃん!ヘルプミー!!エマージェンシー!!そんなゴミを見る目で見ないで!!」
???「ぬほほほ!面白い奴だな!……ますます離したくなくなる……!」
ここは、トウヒガ学園の廊下。「雨花」はある妖怪にくっつかれ、たまたま通りすがりになった「橙」のSOSを求めていた。その妖怪とは……
橙「この妖怪の方誰なんです?」
雨花「この妖怪は……」
「「化茶だよ」」
化茶「おぉ!!アタイの名前を呼んでくれた!!これはもう両想いだな!!」
橙「「化茶」と言えばどの妖怪の派閥にも属さない。誰の味方にもならない。一匹狼みたいな妖怪で有名な……あの?」
化茶「そうなんじゃにゃ〜の?」
橙「そんな妖怪がどうして雨花さんをお気に入りにしてるんです?」
化茶「こいつはとても良い匂いがする!まるでここと同じような世界で会ったことがある……遥昔から知ってる存在のような匂いがな」
橙「遥昔から……?」
雨花「いやどんな匂いだよ……ていうか早く離れてよ……」
橙「そもそもどこでどう出会ったんです?」
化茶「それはなぁ〜同じ本を探してて、たまたま同じ瞬間、本に触れて、トゥンクとときめきあったんだよ!」
雨花「真実に嘘を混ぜるな。ときめいてなんてない」
「あれは、わたしが図書室にいる時……」と雨花は回想に入る。
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
雨花「えぇと……あの本はここかな」
ここは、図書室。雨花はある本を探していた。
雨花「それにしても、この種類の本少なっっ!めちゃくちゃ大きな図書室なのに……変な学校〜」
???「お前「黒い彼岸花」だろ?」
雨花「?」
雨花は、横に振り向くと、空中に浮いて横になって寝ている猫又の妖怪がいた。
雨花「(はぁ……またか。)」
雨花は、無視して図書委員のところに行こうとする。
???「待て待て無視するにゃ〜お前「黒い彼岸花」なんだろ?」
雨花「……それが何ですか?」
???「何でその本を借りる?」
雨花「……調べたいことがあるの」
???「……「お前」が?」
雨花「何か問題でも?」
雨花は、ニコッと微笑んでいるが目には何も映っていない。その姿をみて妖怪は……
???「……くっくく。お前を気に入ったぞ!その何も通さない透き通ってるわけでも濁ってる訳でもない本当に「何も映っていない目」……!とてもアタイ好みの目だ!!アタイと付き合わない?」
雨花「…………は?」
???「アタイの名は、「化茶」。猫又の妖怪〜!アタイはお前みたいな目を持つ奴をみると興奮するド変態なんだ〜!!」
化茶は、上に仰け反り、手を天井にあげて、自分の気持ちを叫ぶ。
化茶「お前みたいな奴にはぜひどん底まで堕ちて貰いたい……!さぁあ・め・か!!アタイと一緒にいれば……ってあれ?」
気がつくと、雨花はいなかった。既に図書室から出ようとしている。
化茶「待てよ!雨花!」
雨花「まじキモイんですけど」
化茶「アタイと気が合うって想っただろ?」
雨花「キモイ」
「図書室ではお静かにー」
化茶「アタイとちぎりたいと想っただろ?」
雨花「キモイ」
「図書室では……」
化茶「アタイに溶けさせられたいって想っただろ?」
雨花「キメェって言ってんだろ」
「図書室では静かにつってんだろ!!」
雨花「え!?わたし悪くなくない!?」
化茶「もうお前がうるさくするから〜」
雨花「その原因作ったのお前だろ!!」
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦
雨花「……という訳でわたしたちは図書室に暫く出入り禁止になりましたとさ。めでたしめでたし。」
橙「いや、」
「「図書室出入り禁止のどこがめでたいんですか?!」
雨花「そういうのはこいつに言ってよ!わたしだってあの図書室は静かで暇つぶし場所に適してるのに出入り禁止されたんだよ?被害者だよ!」
橙「そもそもサボらないで下さい!!」
化茶「なぁアタイ帰って良い?」
橙「あなたは何を言ってるんです?!もう一度言いますよ。あなたは何を言ってるんです?!」
雨花「ダメだよ。もうこいつは自分が悪いとは微塵も想ってないみたいだもん」
化茶「アタイもう飽きてきちゃった。あ〜めか!また来るからな!あっそれから……」
化茶は、雨花の耳元で囁く。
化茶「その本を探してるということは、お前「気づいてる」んだろ?そして、お前の目的は……!」
すると、雨花は化茶の口を指で塞ぐ。
雨花「はいもういい。もういい。……あなたも「気づいてる」んでしょ?なのに妖怪でこの学校の入学制度に文句はないの?」
化茶「アタイは「この世界」が「あの世界」と繋がっていようと、関係ない。自分の居たい居場所から飽きたらまた自分の居たい居場所に移っていくだけだにゃ〜アタイは風来坊なのさぁ〜」
「そいじゃ!」と、化茶は消えていった。
雨花「…………」
橙「何だったんです?あの方」
雨花「…………わたしの邪魔しないで欲しい」
橙「何か言いました?」
雨花「ううん!生徒会室行こっか!」
雨花、橙は生徒会室に向かう。
雨花は顔を橙たちにバレない程度に歪ませながら自分の「目的」────つまり、「学校から消えること」を考えるのだった。
「並行世界」の本を持って。