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『夕暮れの未来へ』
prtgです‼️
夕焼けが差し込む教室。
静けさを切り裂くように、ちぐさの声が震える。
tg …俺、ぷりちゃんのこと、大好きなの。ずっと…隣にいたいって、思ってたんだよ
机に置いた小さな手が、ぎゅっと力を込める。
その瞳は涙で揺れていて、それでも必死に笑おうとしていた。
ぷりっつはゆっくりと息を吐いた。
pr …俺も、ちぐのことが好きや
その言葉に、ちぐさの頬がぱっと赤く染まる。
けれど、すぐに続いた声は、鋭く胸を刺した。
pr でも……一緒にはなれん
tg なんで…? 俺、ぷりちゃんがいないと、だめなのに…
pr 俺はちぐを守りたい。でも、俺と一緒におったら……ちぐが幸せを諦めることになる気がしてな
tg そんなことない! 俺、ぷりちゃんと一緒にいるときだけ、本当に笑えるの!
涙が出そうになるのを我慢しながら、ちぐさは机越しに手を伸ばす。
それでも、その手はぎりぎりで届かない。
チャイムが鳴る。
放課後の終わりを告げる、その音はまるで二人を引き裂く鐘の音。
ぷりっつは立ち上がり、窓際から差し込む光を背に受けて言った。
pr ……ちぐ。最後に、選んでくれ
pr 俺の隣にいて、未来を全部捨てるか。
pr 俺を忘れて、別の幸せを掴むか
涙に濡れたちぐさの瞳が大きく見開かれる。
でも、言葉は喉でつかえて出てこない。
──そして物語は、そこで途切れる。
ちぐさの涙は、もう拭うことすらできずに頬を伝い落ちた。
それでも、伸ばしたその手はまだぷりっつを求めている。
彼の隣にいたい、ただそれだけの願いが、どうしてこんなにも残酷にすり減っていくのだろう。
ぷりっつの最後の言葉は、優しさに見せかけた残酷だった。
――俺を選ぶか。
――それとも、俺を忘れて別の幸せを選ぶか。
愛しているからこそ、差し出される二択。
愛しているからこそ、答えられない問い。
愛は時に鎖のように重く、呼吸を奪う。
けれど、愛だけが人を支え、救い、すべてを変えてしまう。
もし、ちぐさが「俺はぷりちゃんがいい」と叫んだなら。
二人は世界を敵に回してでも、ただお互いだけを抱きしめ続けるのだろう。
その愛は激しく、短く、痛々しいほどに美しい。
けれど――その先には、きっと取り返しのつかない後悔が待っている。
もし、ちぐさが「さよなら」と声を震わせたなら。
心を引き裂かれるような孤独の中で、それでも彼は未来へ歩き出すだろう。
いつか別の光に触れても、その胸の奥ではずっとひとりを思い続ける。
――本当は、最後まで隣にいたかった人が誰なのかを知りながら。
二人の放課後は、ここで途切れる。
けれど終わりは、まだ閉じられていない。
物語の続きを決めるのは、このページを開いた“あなた”だ。
愛を選ぶか、未来を選ぶか。
手を伸ばすか、手を離すか。
涙に濡れた放課後の中で、二人はまだ答えを待ち続けている。
――その答えを、どうかあなたの心で。
コメント
4件
すごくすき
内容も終わり方も良すぎる… ほんと毎回最高です!