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結局、暖かいものを抱きしめるはずだった腕は行き場を失って、そこら辺に放り投げて寝た。
だんだんと朧げになる意識の中で遠く声がする。
誰だ?誰の声?
うとうとしていたはずなのに気になってしまって。
バキバキの目で、足を引き摺りながら玄関を開ける。
「なおーん」
「んん、だれ、、あ、おまえか。」
しぐれが鳴いていた。
でもこんな夜中に何で、、
今まではこんなことなかったのに。
何となく心配になって彼の顔を覗いてみたら、つぶらな瞳と目があった。
あ、そういうことね。
「お前もさみしいのか〜。」
よくわかる。
太陽がないってだけでこんなにも孤独だということを思い知らされるんだ。
どこからか来た風だって、昼に吹くのと夜に吹くのとで感じ方が全く違う。
ま、人それぞれってことだよね。
しばらく撫でていたら安心したのか、スヤスヤと夢の中へ。
いいなぁ、おまえは。
背中を撫でてくれる人がいて。
俺も猫になりたい。
なんて言ったら怒られるだろうか。
それにしても、綺麗な顔だ。
拾った当初は痩せこけていたからよくわからなかったけど、端正な顔立ちだ。
なんか、なんか、
「若井さんみたい。」
「誰が猫だって?」
「あだっ」
頭に衝撃が走って後ろを振り返ると、若井さんが立っていた。
「全部声に出てるんですからね。さみしいとか、猫になりたいとか。」
あらま、全部口から出ちゃってたか。
金属の床にストンと腰を下ろして、猫の顔を見つめる。
「別に、頼ってください。俺だって独り身だし。」
「ふふ、」
「な、なんですか!」
「いやぁ、若井さん優しいなって。つい最近まで関わりすらなかったのに。」
「それは、その、藤澤さんの笑顔が綺麗だから、、」
「ん?」
いきなりどうした?
めっちゃキザじゃん。
「ふふ、んふふ、ははっ、」
「ちょっ」
「ありがとっ、そんなこと思ってくれてたんだ。」
「はい、、ていうか、今度友人に紹介したいんすけど、いいですか?同い年の大森って奴なんすけど。」
「あぇ、いいの?僕なんかで。」
「きっと仲良くなれると思うんです。」
若井さんがそう言うならそうなんだろうな。
その大森さんにえらく気に入られてしまって今の会社から引き抜かれるのはまた別のお話。
ということで完結です✨
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました☺️
バイバイ👋