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???「うーん、何か面白い番組ないかな〜」???「……よし、あとはこれを……っと。動画サイトで探してみては?今はあまり地上波で行われている番組をみる人が少なくなっているそうですよ?」
???「時代は移り変わっていくんだねぇ……」
ここは、橙の家。暇つぶしとしてテレビをみているのが「紫雲雨花」で、洗濯物を畳みながら話しているのが「不山橙」である。
雨花「おっ!何か面白そうなドラマやってる〜」
橙「え?今昼ですよ?ドラマなんてやってるんですか?」
雨花「「昼ドラ」って奴だね!」
早速雨花は、み始めることにした。
《ねぇあなた隠さず言ってくれないかしら》《分かった言うよ。……僕浮気してるんだ。すまない。》《なんてことなの……ひどいわ!》《君が隠さず言えって言うから言ったんじゃないか!》《だからって……》
橙「……これ面白いですか?」
雨花「おぉ!!白熱してきた!!」
橙「えぇ……」
引き続き、みていく。
《君とは別れる》《そんな……どうしてよ!私より浮気相手の方を選ぶの!?》《……僕は浮気相手を殺してしまったんだ》《えっ》《奥さんと別れないなら死んでやると言われてそれはできないと伝えたら本当に死んでしまった……僕が殺したも同然だ》《あなた……でもあなたが殺そうと想ってやった訳じゃないでしょ?》《……もう僕と関わらない方が良い》
橙「勝手に浮気して、優しい言葉をそれでも奥さんはかけてくれたのに、まるで奥さんのこと想ってるような言い方ですけど、奥さんと離れて自分の罪悪感から逃げようとしてるんじゃ……?」
雨花「どんどんドロドロした展開になってきたね……ぐぷぷっ」
《いやよ!例えあなたが人殺しでも、浮気しても、私はあなたが好き。あなたと離れたくないわ!》《でも君を罪人にしたくない。僕といたら君まで苦しい想いをすることになる……!》《私はあなたと離れたくないの!!》《で、でも……》《あなたが好きなの。離れないで。》《君の気持ちはよく分かった。二人で一緒にやり直そう。ここから。》《!、えぇ!!》
~END~
橙「え!?お終い!?ここで?!……あの奥さんよくもまぁあんな浮気男と一緒にいたいって想えましたね……「好き」という気持ちは盲目的な考え方にさせてしまうんでしょうか……あの奥さんがもし冷めでもしたらあの男性はどうなるんでしょう……」
雨花「でもさ。わたしは少し羨ましいな。」
橙「え?」
雨花は、頬杖をつきながら話す。
雨花「浮気されても、人殺しをしても、好きでいてくれる人がいるなんて……ずるいよ。」
雨花の目はとても淋しい色をしていた。
橙「……これは、フィクションですし、たまたま綺麗事でまかり通る世界観のドラマなんですよ。」
雨花「確かにね。あはは」
「でも、」と雨花は話を続ける。
雨花「綺麗事ってわたしも大嫌いだけど、その綺麗事を磨いて磨いて磨き続ければ、あまりにも綺麗になって、逆にみんな近寄りづらくなって、その近寄りづらさに「淋しそう」とか「心細そう」とかそれは最初は同情的な感情かもしれないけど、確かに感情は感じられて、それが徐々に愛しいことに変わっていけば、大嫌いな綺麗事でも誰かを救えたりできるんじゃないかな?どんな嘘でもつき続ければ真実になるように」
雨花は、どこか遠くをみて話していた。
橙「綺麗事でも……ですか……じゃあ誰かさんも救われて欲しいんですけどね?」
雨花「さぁて……誰のことやら」
橙「はぁ……全くもう……まぁそういう考えを自分に向けられないのが雨花さんなんですけどね……」
雨花「ん?何か言った?今橙ちゃんのご飯の準備の手伝いしようと想って聴いてなかった〜」
橙「いえ大丈夫です。ていうか手伝わなくて良いですよ。あなたまだまだ重症なんですから」
こうして、ご飯の準備をして一日を終えた二人であった。